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いつものように
午後をあらいながら
うつむき加減に 軽く
雲行きを確かめる
それもまた いつもの事だけれど
その
始まりの日を憶えていない
寒暖の差を道として 風は渡る
よ ....
雲ひとつなく秋晴れの空
父の運転で越えていた峠も
いまならば
自分の運転で越えられる
アクセルの踏み加減でスピードを調節
ブレーキなんか踏まない
でも
思いの外カーブは厳しい ....
改札口にて
お待ち申し上げております
行き先を
詮索したりはいたしません
どうぞ
ご安心を
あなたがここを
通過してゆく事実のみ
確かめさせて頂きたいのです ....
日常にくたびれた玄関先で
茶色のサンダルが
ころり
九月の夜気がひんやりするのは
夏の温度を知っている証拠
おまえには随分と
汗を染み込ませてしまったね
サンダルの茶色が
少し ....
肩が
うっすらと重みを帯びて
雨だ
と
気がつきました
小雨と呼ぶのも気が引けるほど
遠慮がちな雫が
うっすらと
もちろん
冷たくはなくて
寒くもなくて
そのかわり少しだけ
....
むらさきいろの透明グラスは
この指に
繊細な重みを
そっと教えており
うさぎのかたちの水色細工は
ちらり、と微笑み
おやすみのふり
壁一面には
ランプの群れがお花のか ....