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僕らはそこでひとつでよかった
呼んだ名前が君でよかった
繋がる世界と漏れる呼吸
ひとつの波、すり抜けるようにして
手探りで橋の、確認すれば
サイレント、どうしようもなく
僕らは欠陥の体だ
 ....
やさしい言葉の、降り落ちてくることを待っている
待ち合わせのための時計は、遅れる人を弾き出して
その日になる、ほんの寸前で
がちり、と大きな音を立てる

それはわずかな日常の
覚める直前の ....
膝を折り、抱えた腕で
目を隠し
一度目の冬の質感を
花、枯れたままの鉢植に
黒い髪の揺れたあなたの日を

思い出して


ここで乗り換える
僕の靴は


 自由なさよなら
 ....
ハル
そう呼べば君は心から紛れていく
ありがとうという意味で
口のかたちを残して
狭い空に雨が降っていた
振り切れない景色を順番に巡れば
何度でも逢える気がしていた


ハル
繰り ....
冷たさで冷たさを感じ取る
寒い方へ寄り添うようにして、いつも隣に座る


よく晴れた、長い日に

 羽織る、春を待つ衣装を
 席を詰めてくれる人に
 するり、寄り添うようにする君へ
 ....
いつも通りの要素で朝が構成されている
人、人、赤い車、通り抜ける頭、髪の流れる、緑色の、人
見知った他人の中で何かを忘れているようで
振り返っても気付けない
ここでは、何かが足りないまま流れて ....
眠る、寸前の浅い水温に
浸す指先の薄い心音
誰かが残していった空間の
点と線と、構成しているすべてを
場所も、時間も、爪先が触れているうちに
遠くに行かない、そのために


世界はきっ ....
冷たい言葉を背からおろした
砂浜だった、長い一日の直線だった
大切なものと、てのひらにあるものは
遠い日でも暖かい
名前を思い出すよりもはやく
風のように流れていった


ふりかえるよ ....
手を
両手を広げ、そらへ
飛ぶように飛ばないように広げ、手を、そらへ
色々と自由になった気がして
交差点を、待つ


輪郭を見ている
箱の世界にいながら
回転を繰り返すのは
いつも ....
目一杯に指を開いて
その間から覗く世界は
少しだけ明るすぎて
いつものように目を閉じていく
はらはらと花の散る道が
視界の端には、何処にでもあった



午前五時
空を埋める目覚ま ....
回らない時計を目の前にして
君が暮れる
寒さを間違えるようにして
マフラーに埋もれて見えなくなる
薄い窓に耳を寄せれば
世界はこんなにもくっきりと


くれる
途方に
あるいは
 ....
地下鉄から生まれた人たちが
夜の寸前で吐き出されている
空へ続く四角い階段
斜めに染まる街の角度で
溶かされそうになっている

午後六時は動き出せない
指先も爪先も逃げるように
眠るに ....
朝になればよかった
朝に向かえばよかった
夕暮れは言葉のように少しずつ薄れて
地図はただ一色の紙切れになっていく

なぞっていたはずの大通りは
いつの間にか細い線になった
アクセルを踏み ....
入りそこねたり
行ったり来たり、いろいろな角度で
定まらない覚悟で溶けていきそうになる
落書きをする、つまらなそうな顔と筆先
踏み込むための一歩と、スタートラインの石灰
舞い上がればこびりつ ....
朝になると
静かにそれを繰り返す屋根の波を
勝手に世界と呼んでいた
語る言葉はどこかに置き忘れて
少し笑う背中で世界に潜り込んでいく

息を吸えば吸うほど
体は軽くなっていくはずで
両 ....
人は夜に音になって
躓かない程度に囁き合うらしい


朝が夜に向かうように
ページを手繰り寄せる
薄い絵の具を
筆の先で伸ばすように心音を
澄ませていく
夢を見る、ことを覚えてからは ....
落ち葉の鳴る、崩れ落ちる音
誰も妨げないテトラポッド
景色、静かな君を当たり前に思って
空に手を向けて
朝、誰もいない道に目を閉じて歩く


歌を歌えない
と気付いたのはいつだっただろ ....
ぐるり、と
回ってみて気付いている
下敷きにされた世界は、ほんの少し暗くて
それでも透明、に何処かへ繋がろうとしている
きみは
あの頃の夢の続きを見た後で
ぱあん
と、弾けてしまって
 ....
ともすれば、その人の
冷たい朝なのかもしれない
天井はいつも通りにぴんと張り詰めている
とりあえずは、流行の
そこから外れた道の街路樹のなびく姿を真似て
まずは珈琲をすすることから始める
 ....
一日はそのように始まって
一日はそのように終わっていく
きっと



部屋の隅、テレビの上
ほんの少しの暖かさ、の裏側で
空が重心を失って色を零していく
十時十分
並んでいる時計の ....
ひとりになる
そんなことは結局、どこにもないのかもしれない
はぐれがちになる秋の、空の一片は
また明日と手を振るように
ぽっかりと抜け落ちている

秋の
すっと高くなる人たちの
忘れ ....
もう一度、始まるのです
そう言って眠り落ちる人
危なくはないですか
休みたくは、ないですか
瞼の裏側の静かな暗闇で
一人で旅に出るそうです
朝までには戻るから、と
その人は


積 ....
少しだけ、冷たい風が吹いてきたのは
とても遠い場所からだった
人はいなくなる、ということが出来るらしい
世界はいつも通りに明るくて
僕らは同じように電車に乗り込む

乗り継ぎ駅で世界が追い ....
また、ここに夏がやってくる
僕の広げた手のひらの内側
少しうつむきがちな背中にも
広げた葉っぱのトンネル
その先の坂道は空へ消えていく
青い青い夏、遠い遠い世界
少しずつこの街からは何かが ....
忘れない
高い小さな窓から覗き込んだ時間を
校舎の隅、零れていた笑い声の隙間に混ざった寂しさを


夏だった
世界がゆっくりと溶けていくまでの時間を
知らない、知ることもない
あと少し ....
やがて、それはゆっくりと始まる

誰も気付かない視点の高さ
から、夜は上昇していく
もう僕らは沈み込んでいる歩幅
もがくよりも深く落ち着いたリズム
呼吸はあちこちで燻っていて
平面に広げ ....
溶けるまで
眠れそうな遠くの日々が
溶けていくまで
深々と、動かない部屋で
指を折る
指を折る


ありきたりな言葉では
追いつけなくなりそうで
街灯がつくまでの時間を
静かに歩 ....
空の割れた日は
なんでもない午後の水面が
微風にそっとゆらいだくらいの
静かな頃で
お気に入りの帽子を
どこかに置き忘れてしまった
隙間から、パリンと
音を聞いたのは私だけかもしれない
 ....
向かい風の吹いている
地図の上です
収縮と膨張を繰り返す波打ち際の
緩やかなカーブをなぞること
波音は届かずに
待ち焦がれるばかりの



海岸線が近い
そうで
少しずつ僕らに迫 ....
時計のゆるり止まるところ
消え行くことが決まりのように
今、ひとつの言葉が終わる
さよならから
さよならで
始まることがあるとして


遠くなっていくことに
手を振ります
僕らの
 ....
千波 一也さんの霜天さんおすすめリスト(180)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
無音- 霜天自由詩206-1-19
週末、騒がしい日常の- 霜天自由詩206-1-18
地下鉄の雨- 霜天自由詩406-1-17
ハル- 霜天自由詩506-1-16
花の一枚、空の一筋、約束までの一秒- 霜天自由詩306-1-13
非常階段- 霜天自由詩206-1-9
夜半体温- 霜天自由詩406-1-6
風のように流れていった- 霜天自由詩706-1-2
ウインカー、揺れる方へ- 霜天自由詩805-12-29
thanks- 霜天自由詩905-12-27
君が暮れる- 霜天自由詩805-12-22
夕波- 霜天自由詩805-12-20
ジャンクション- 霜天自由詩605-12-13
ループ、その手のひら- 霜天自由詩205-12-12
背中から零れていくように- 霜天自由詩10+05-12-3
人は夜に音になって- 霜天自由詩1705-11-25
空の一片、届かないノック- 霜天自由詩1105-11-23
坂の、その先の雲の落としている影- 霜天自由詩605-11-17
領域、その人の- 霜天自由詩18+05-11-1
サボテン- 霜天自由詩705-10-21
はぐれる空も、見送る人も- 霜天自由詩1205-10-6
午前一時の人- 霜天自由詩1305-10-1
落下傘- 霜天自由詩1805-9-23
ただいま、に向けて- 霜天自由詩1105-7-1
あの日、飛び越えた五線譜を- 霜天自由詩705-6-24
遠浅の日々- 霜天自由詩1505-5-25
モノクロームの窓辺から- 霜天自由詩805-5-17
空の割れた日- 霜天自由詩1405-5-17
白い音の手紙- 霜天自由詩2605-1-13
- 霜天自由詩305-1-3

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