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眠る君を描いていた

ひいやりと冷たくなった指先を
ガスストーブで暖めて
背骨をなぞる

腰から辿り
肩から首へ
すべらかな皮膚は
美しき筋肉を
骨を
透かす

薫製肉のよう ....
最後の夜を過ごしました
一人で

蛇口も
机も
ピカピカです

床も磨きました

思い出を一つずつ
丁寧にふき取っていきました

涙が染みこんだソファや
怒りと罵声が舞い上が ....
花火の音は別れの合図
カラッポの腹に響いてから
空しさと 情けなさを
さらに カラッポな空へ
打ち上げて ばらまいて

「忘れることは簡単だ」

空が皮肉に笑って
散らばって落ちる色 ....
溜まったものの排出先がありますか?
捨ててしまえば二度と目に触れぬ場所がありますか?

出しそびれたゴミ袋で渦高いベランダのように
心に溜め込んでいませんか?

澱んだ空気で身動きがとれぬ ....
いったい私は
何をしているんだろう
毎日毎日
こんなにも一日を
ほったらかして
腐らせてしまっている

執着も
愛情もなく
投げやりに
突き放して
時間をこなす

餌を食らい ....
心ない言葉を
ばらまいて歩く男がいます

右にも左にも
心ない言葉を放り投げます

うけとった女が
賢明であることを願います

惑わされ
傷ついたりしないような
心強き人でありま ....
なぜ殺してしまったのですか
あいつは生きている

躰中に釘を打たれて生きていられると思うのですか
悪い虫を刺し殺してやったんだ

悪い虫ってなんですか
あいつの躰には悪い虫が巣を作ってい ....
なんの為に帰るの?
「意味のない場所へまた帰るんだって」
背中にコツコツと小石が当たるようで
私は苦い表情で振り返る

子犬を連れた少年がバスステップの下から見上げている
仕方なさそうに片 ....
あなたにどうして欲しいのか
私はどうしても言えません

こんなふうにして と
言ってしまえたら気持ちがいいのに

そうゆうのは嫌 と
そのまま言えたら楽しいのに

本当はそんな服
 ....

こんなことできるんだ

腹の底から
あんな絶叫

後の痛みを考えず
打ち付けた拳

流れたマスカラ
振り乱した髪

ペンを投げ
グラスを割り
イスを振り下ろした

 ....
3m先のマンホールが回転している。
びくっとして立ち止まる。
振り返っても夜道には人気がない。

すぽんっと、穴から神様が現れた。
マンホールの蓋はくるくる回転しながら、寿司屋の屋根に落ちた ....
なくしてしまった卒業アルバムみたいに
開かなくなった記憶は美しく消える
薄闇に隠し持つ情熱は
菫の花のように 葉の陰に隠れて
誰にも気付かれない

君だけが 静かな影をかきわけて
見つけ出してくれる
甘い熱を放って咲く私を

ひいやりと冷たい君の唇を
堅 ....
深夜二人で食べるさくらんぼ
みずみずしく甘い木の実は情熱の赤
とろりとした思いを胸に
黙ったまま次々口へ運ぶ

一箱分のさくらんぼ全部

積み上げられた種と茎は 明日庭へ埋める

膝 ....
きれい
すごくきれい

君に言われると泣きたくなります

バス停を忘れさせてね
ステップを上がるとき
見上げる視線がとても悲しい

きれい
すごくきれい

繰り返し信じさせてく ....
人を壊すのは簡単だ
壊した後
直さなくていいのなら
何体でも壊せる

心優しい誰かさんが現れた時
その手で直せるように壊すには
少し
注意が必要だけど

人を壊すのは簡単だ
壊れ ....
強い子でしょ
君はもっと強い子だったはずだよ

そう言えばあなたの前では私
強い子だったかも知れない

本当は小心者で感情的なだけの女だけど

強い子

なるなら今しかないね
「もう落ち着きたいのに」
と君が話す
落ちて着くなんて
そんなにいいもんじゃないよ

君が居るその場所から
どこへ落ちて行きたいの?

まだまだ昇って行けるのに
そこより下で辿り着く ....
世の中意地悪くできている
心の隙間を狙ってくるなんて
ずるいね

諦めた頃に落ちてくる
目をそらしたら見えてきた
引き返しかけてぶつかった

目を凝らし耳を澄まし
ひたすら執着し進ん ....
彼がまた
子育てを再開するという

一度は手離したのに

赤ん坊の
おじいちゃんとおばあちゃんの元から
今夜連れ帰って来たのだという

仕事を増やしたのだそうだ

「大変だよ」と ....
君が言わせたがる言葉を
どうしても言えず
唇をかむ

うながされ
催促されて
思わず口からこぼれそうになる言葉を

唇の裏側で
なんとか押し留める感触
口腔器官が発熱している

 ....
空に穴が空いて
向こう側と こちら側が
つながってしまった

上っ面だけ良い青空の
向こう側から流れ出す
途方もない負のエネルギーは
夜に咲く花のように
渦を巻いて 開く 開く

 ....
ドーナツの真ん中の穴から友人のAさんが訪ねてきた
「どうもどうも」
いやなに ちょっと暇だったもんだから
Aさんはドーナツの真ん中の穴から
ずかずか部屋に上がってきた

時々こうやって突然 ....
ムイテモ
ムイテモ
薄皮の内に私が笑う

ステテモ
ステテモ
捨てているのはやはり私だ

美しく
咲くやもしれぬ蕾を千切り
残酷な子供がするように
一枚 一枚
私を剥いて捨てた ....
ここで涙を流すともっと崩れてしまう
泣きそうになったら奥歯を食いしばりなさい
昔おばあちゃんが教えてくれた

だから私はいつも奥歯をギリギリ言わしている
ギリギリギリギリギリギリギリ

 ....
化粧水の小瓶とか歯ブラシとか
絆創膏三枚とか手鏡とか
そんなものが入った小さなポーチ
あなたの部屋に忘れてきたみたい

わざとだなんて思われたらどうしよう
歯ブラシ一本 髪留め一つ
あな ....
今日は私と彼の結婚パーティー
私も彼もとてもたくさんの人に招待状を出した
なのに私の友人は誰も来なかった
唯一来てくれたのは私の七年来の友人
「一匹のトカゲ」

会場は彼の友人達で埋め尽く ....
歯茎を剥き出しにして吠える
力いっぱい命を賭けて

八方塞がり敵の山
味方をつくってはいけません

明るくひらけた視界には
憎しみが眩しく照り返す

慈雨を
私に許しを
ささやか ....
情=なさけとは
違うのだよと
言ってやりたいのです

愛情=愛のなさけとは
違う受け止め方ができるように

情愛と書けば
更に愛は深まると言うのに

あなたは少し
情という言葉の ....
脳みそが
君にとっぷりと浸かってしまって
手がつけられない

引きずり上げても 引きずり上げても
ひたひた滴る君の残像が
後を絶たず 伝って落ちる

もはや私は 君で形成されている
 ....
かおるさんのスプートニクさんおすすめリスト(32)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
薫製肉スケッチ- スプート ...自由詩405-8-11
アパートメント- スプート ...自由詩2*05-8-11
花火の日- スプート ...自由詩5*05-8-9
ゴミ溜め女- スプート ...自由詩5*05-8-7
365日- スプート ...自由詩6*05-8-5
心ある言葉- スプート ...自由詩5*05-8-5
- スプート ...自由詩1*05-8-4
帰る- スプート ...自由詩4*05-8-3
本当は- スプート ...自由詩3*05-7-31
爆発- スプート ...自由詩7*05-7-29
マンホールの神様- スプート ...散文(批評 ...4*05-7-28
消える- スプート ...自由詩3*05-7-27
スミレ- スプート ...自由詩6*05-7-26
さくらんぼ- スプート ...自由詩9*05-7-26
きれい- スプート ...自由詩7*05-7-25
人を壊すのは簡単だ- スプート ...自由詩4*05-7-23
強い子- スプート ...自由詩4*05-7-23
酷なのかな- スプート ...自由詩7*05-7-22
幸運- スプート ...自由詩3*05-7-21
子育て- スプート ...自由詩5*05-7-20
言わせたがる- スプート ...自由詩5*05-7-20
空の穴- スプート ...自由詩2*05-7-19
私の友人- スプート ...散文(批評 ...3*05-7-19
ツバキ- スプート ...自由詩4*05-7-18
歯を食いしばりなさい- スプート ...自由詩2*05-7-17
痕跡- スプート ...自由詩2*05-7-17
トカゲと私- スプート ...散文(批評 ...3*05-7-17
喉笛- スプート ...自由詩4*05-7-16
--情(じょう)--- スプート ...自由詩2*05-7-15
同じ味- スプート ...自由詩4*05-7-15

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