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空をゆく流氷が
原に立つ子の瞳に映る
旧い川が運ぶ黒い土
小さな光の波



いつの日か原に
何本も土の柱が立ち
やがて次々と倒れ
原を埋めていった

原はうね ....
紅さし指で
この唇をなぞっておくれ

宵をにぎわす祭りの夜に
提灯ゆらり


光はたぶんに
正しいものだけ捕まえる
ほら
燃える可憐な蛾がひとつ

短命ながらも風情をもって ....
君がぽかんと口を開けているのは
口の中で風が吹いているからだ
その正体が何であるのか
問う方法も知らないまま
ある日突然に
君は君であることに気づくだろう
そしてそれは
君が君で無いこと ....
香気がどこからかぼくの指にしみこんできた
朝日はいつの間にか木陰を
ありありと作るくらいに大きく育って
父は病んだ体を褥に起こして
指先から瑞々しい桃の果汁を滴らせながら
桃の果肉を噛み砕い ....
水晶の柱の中には

音のない夢や幻想が

どこからか 詰め込まれていて

あちこちの角度から

じっと のぞきこむと

時々忘れなくてはいけない 何かを

少しの間 忘れていら ....
雲へと落ちる風を映して
紙の鏡はひるがえる
ひらくと赤い白たちの
左が暗いまなざしの
うすく小さなかがやきたち


雨にまぎれてそこにたたずみ
雨にまぎれてただ鳴りひびく
 ....
禁止区域 日本人は  舞台の 中で
禁止区域 首をくくる 白い 精霊と
日差しの 自殺者の  下で

モスクの 中では   御詠歌が
ジャズと 共に  煙草を押し当てられ

白い   顔 ....
目覚めたら
僕の部屋に同室者が現れた

両親と暮らしているが
生活パターンが違い
机上の英和辞典よりも顔を合わせなかったから
友達ができたみたいで嬉くなる

彼は僕とまるっきり正反対で ....
遠くの丘の教会の厳かな鐘の音が届く


私は
{ルビ如雨露=じょうろ}を止めて
目を閉じた

愛の門出のサインであろうか
永き眠りのサインであろうか

私がこの手に
掴め ....
君は脱ぐ
同時に着る
どんなに脱いでも
君は君の核心から遠ざかっていく
まばゆい光の中
生まれたての姿になり
男たちの暗い瞳でできたプールを泳ぐ
淵に腰掛けていた男たちは
 ....
「ノストラダムスでーす」

玄関を開けると

郵便配達の恰好をした
ノストラダムスが
照れながら立っていた

ああ
今さらだなー
ああ
予言がはずれて恥ずかしいんだろうなー
 ....
ゲリラ兵に捕らえられた僕は
若きリーダーの男に
カラシニコフ銃を渡され
「お前の最も憎い者を打て」と
命ぜられ

超高層ビルの展望台に昇り
望遠鏡にコインを投じ
小さな人達を鳥瞰
タ ....
ヒロシマを忘れるな、と
私はうたわない

ナガサキを思い出せ、と
私はうたわない

アウシュビッツに吹いた風を
私はうたわない

東京のくらい空の波を
私はうたわない

私がう ....
駅のホーム隅のいつも同じ場所に
仙人のような老人が

生きているのか死んでいるのか
疑問に思わせるくらい微動だにせず眠っている

ニュースで流れている
数字だけで表される悲しみは

 ....
 


海に近い砂の丘から
無数の骨が突き出している
かつてここで倒れた巨大な生き物の上に
浪に運ばれたものが積み重なり
石でできた枯れ木のような
蒼白い骨の森を造った
海からの風に ....
洗い立てのシーツに
月のない夜が
鈍く
熱く横たわる

そして
不満だらけの呼吸は
じっとりと洩れる

砂の乾く温度に
少しづつ溶けた
汗は
ひどく絡みつく

そして
 ....
私の葬式がささやかに執り行われ
友人らが久しぶりに集まった
青空には透明な道が果てしなく続き
新緑に人々の喪服が映えて美しかった
一滴の涙も流されず むしろ
想い出を懐かしむ声で
小さな式 ....
太陽は ハルシオンになり
満月の 夜 墓標は
デパスとなる

太陽を つかめ
「酩酊感、王冠を 被れるよ ピカピカの 脳 睡眠障害の 王者
逃れられなくなる 昔は 一杯いたのにね 

 ....
それを少女は 
みなに内緒にして
草むらのなかを
さがしていたんだ

川につらなる
あたらしい蜘蛛たちは
糸に針とえさをつけて
釣りをしていたり

雲のなかでは 
ニンジンをぶら ....
ムイテモ
ムイテモ
薄皮の内に私が笑う

ステテモ
ステテモ
捨てているのはやはり私だ

美しく
咲くやもしれぬ蕾を千切り
残酷な子供がするように
一枚 一枚
私を剥いて捨てた ....
気がつけばいつも
君はそこに立っている
君は待つ
遠くに地鳴りを聞きながら
まだ秋には早い日
目の前をつうっと
赤とんぼが通り過ぎていく
同じ高さにある地平線を目指し
旅立っていっ ....
刈り入れ、葉、枯れ

わたしたち。   

貧窮は カタカタ  呼ばわる
明るさについて。

茎が折れ、そのあたりを、
嗅ぐ。     鼻孔、ひらき、
足も萎え、
何度もなぐられた ....
老人の 頭を 抱いて
ヒッチハイクに 行こう

躁鬱の 女の かつらを
すすりながら
漢字検定を 受けよう

海辺の 見える
「なすがすべき」道へと

糖尿の 男の 服を着て
降 ....
時として君は守り
時として君は攻める
けれどどんなに敵陣深く切り込んだとしても
君は君以外のものに成ることはできない
時として捕虜となった君は
先程までつかえていた君主に刃をむける
 ....
土壌は 成り立っている
侍の 黒人が
割腹すれば
唖の 女たちが
膿を 持って

現れる

残酷は 紙片であろう
粉々に 引き裂かれた
丸い  新聞紙
球体に したのは
黒人の ....
僕はきっと虫なのだと思うありふれた夜。

その理由はいくつかあるのだけど、つまりそれは虫であるはずもない僕の外見からは想像もつかない。たとえば横断歩道をわたろうとするとき、わき腹のあたりがむずむず ....
白くふちどられた白の中で

僕は病身だった



看護婦の中の

とびきりのセクシーは

ボタン一つで僕のベッドにやって来る


赤い口紅

赤いマニキュア

 ....
腕から生える腕
腕から生え他の腕に潜る腕
すべて腕
てのひらの無い腕
てのひらだらけの腕
今日の天気は腕ときどき腕
ところによりにわか腕
という天気図を指し示す腕
腕そば一丁、腕大 ....
何を忘れたかったのだろう
街に一つしかない小さな駅で
男は窓の外に向かって手を振った
無人のホームでは鉢植えに植えられた
カモミールの花がゆれるばかり
やがて男を乗せた列車が発車すると
駅 ....
「かえして、ねえかえしてよ、あたしの世界。」
ばらばらになったのは、
あの日、
窓から自分の身体を放り投げたのは、
わたしたちという、世界そのものである。

あなたは、
蓬髪をさかだてて ....
The Boys On The Rockさんの自由詩おすすめリスト(334)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
草棄原- 木立 悟自由詩605-7-25
薄灯りはまもなく消える- 千波 一 ...自由詩25*05-7-23
子供- たもつ自由詩38*05-7-23
初物の桃- 黒田康之自由詩705-7-23
水晶- こむ自由詩2*05-7-22
訪れ- 木立 悟自由詩105-7-22
禁止区域- 奥津強自由詩4*05-7-21
コピーミス- kw自由詩6*05-7-21
狭き庭にも潤い溢れて- 千波 一 ...自由詩17*05-7-21
ストリッパー- たもつ自由詩2305-7-21
照れるノストラダムス- jei自由詩805-7-20
機械人間膺懲せよ- kw自由詩4*05-7-20
メロディ- umineko自由詩8*05-7-19
肥溜の中から産声を- みもる自由詩4*05-7-19
調音- 木立 悟自由詩1105-7-19
- ゆり自由詩105-7-18
昇天日和_(2005.7.18)- 和泉 輪自由詩3105-7-18
太陽と月の中毒者- 奥津強自由詩305-7-18
「トレードマーク」- プテラノ ...自由詩9*05-7-18
ツバキ- スプート ...自由詩4*05-7-18
ゴールキーパー- たもつ自由詩1705-7-18
麦畑- るか自由詩27+05-7-18
なすがすべき_海辺の_町- 奥津強自由詩305-7-17
金将- たもつ自由詩805-7-17
世界- 奥津強自由詩205-7-17
僕はきっと虫なのだと思うありふれた夜。- ベンジャ ...自由詩23*05-7-16
時の神はセクシーなり- jei自由詩505-7-15
すべて腕- たもつ自由詩1905-7-14
七人の男(手を振る男)- たもつ自由詩41*05-7-12
こころみ- るか自由詩16*05-7-6

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