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switch.

ずぶ濡れになった脳漿に
楔が溶けるような、
  おと。おと、

踏みつけて割ったCD/私はそれをまるで他人のような目線で見ている/お気に入り、 ....
・庭園にて


裸足のままならば
何処にでも行けるのだ、と
喉から生えた腕が
口走っている

嘘吐きの元は、この腕です

そう囁く林檎をかじりながら
その腕を引き ....
例えば
結わえた髪を解く仕草や
袖口を正す背中
傾いた眼鏡を直す行為を
指差すひとが
いてしまう、から

靴下とプリーツの隙間
誰かの視線が
それを、過ちと厭う度
私は ....
錆色の夕暮れに沈む
その肩に
木の葉の視線が刺さる、

なびいているのは
髪だけではない
ただ
それが何であるかは
誰にも、言えない


まるで
雲を思 ....
ひとしきり被ったあとで
ようやくアレルギーに気付いたが
どうやら手遅れのようで
ああ、また、目が痒い

我慢していても
くしゃみが止まらないから
たちまち
みんな逃げてしま ....
工事現場に木漏れ日が舞って
例えば、私なら
指差したりするような時間
風上から流れるのは
どこかの夕飯の匂い

昨日より長い夕焼けが
何より、確かな時間を告げている
 ....
ひかり/ぶれている、腕
扉の向こうでは
誰も彼もが微笑んで
私を見つめている


頬の肉が
引きつって千切れるほどの衝動

愛想笑いも
程々にしなくては、という ....
 
 
 
 
 
 
ある日、玄関を開くと
そこは何の変哲もない2Kの部屋で
湿気た空気が満ち
黴の匂いが鼻につく
そんな場所になっていた
 
 
小さな靴箱には
靴や、 ....
一番星を探す



夕日に隠れた雀が
さえずりながら帰っていく、手のひら

親指から終わるあなたは
小指から始まるわたしの声に
ただ、耳を貸している



紫が雲 ....
 
 
 
 
・あいじん
 
雨の色に濡れる
言わば、瞳にも似たひと
 
歌うように憂うものだから
永久という箱に
追いやられてしまった
 
 隠れる、ようにして
 
 ....
きみの世界が回る
その自転を知り、触れたいと思う
わたしが逆らっても
きみは進んでしまうから
追い付くことはない
 
 
 
きみを紐解くように
その髪を梳いている
  ....
 
 
*AM4:00
 
朝が早い
 
 
青い鳥は見付からなかった
いつもそうだった
 
 
 
*AM3:00
 
戸締まりの仕方が分からない
声だけが湖になる
 ....
潮の香りがする





ふつり、と
食い込む仕草を

男だという



それに合わせ
ざらついた表面が騒ぎ

私は
頬を赤くする



その一連 ....
小さく
丸めようとする
その
折れ曲がった
真ん中

抱きたい
と、私

水音のよう

耳元が
塞がれる
始終
ただ、そんな
事ばかりを
思う



切 ....
 
 
夕暮れ色のカーテン
 
宇宙を纏った私から
紺色が滲むのを
面白がってしまうのは
いけない
ことでは、ない
 
 
茹だるような季節には
いつも
特有の風が吹いて
 ....
 
 
例えば。
 
 
茹だるような青が
私たちを押し潰した夏に
もしも、一握りの白があったとして
 
それは
冬たる物になるだろうか?
 
 
アスファルトに溶け ....
 
 
 
 
茶色のひかり
鋭利過ぎた沈黙
それらが開くのは
私のあたまの奥
 
まどろみの海で
死体ごっこ
理由を探すふりで
そうやって遊ぶ夕べ
 
 
 
 
 ....
 
 
捨てようとしたものは
様々な色を持って
どんなときも
私の中で弾けているの
、と
 
そう言ったのは
昨日の私だった
 
 
 
生温い肌が
ゆっくりと/音をたてて ....
 
満ち満ちる
そうして、あなたは
ほの暗さと等しく
すぐ先のことを知る
 
生温さを聞くのなら
灰色は
多分、味方なのだと
 
そう言って
私はいつもより
 ....
 
 
 
 
・おやゆび村
 
 
広場の真ん中は
噴水が陣取っていて
そこには
何人かの子供と
一匹の動物がいた
 
動物は
子供たちの真ん中で
小さくなって
子供 ....
 


 
まるいかたち
ぱすてるなおれんぢ
やらかくはねて、すいてき
 
ゆびで
かるくつぶすことも
くちびるで
つみとることも
わるいこ、にしない
やさしさ
 
 
 ....
 
 
 
 
羽の音が、する
 
飛び立った男の子と
手を引かれながら
つたなく飛ぶ
女の子のすがた
 
透けるように薄い
ぺらぺらの羽は
あまりにも、心許ないから
 
 ....
 
 
 
 
 
 
 ・三日前の話
 
 
私が
指先のみの力で
空を切ったとき
その軌跡は
柔らかなひかりになって
木漏れ日の影の部分を
踏んで行きました
 
 ....
 
 
 
 
 
 
待ち合わせの丘
日だまり色のカーテン
この窓辺で
私は、煌めきながら
そよ風に
なるのだと思う
 
そして
空白にも似た
意識の海で、泳ぐ
その ....
 
 
 
 
「思い出すことに
 何も、見いだせないまま
 私は
 その一端を
 囲うようにして
 しまったのだ(、ろうか」
 
 
踵から伸びた
私、らしきもの、の影
 ....
 
 
噛み付いた腕から
流れていく、深層
 
とめどない呼応の先で
波打つ音叉から
溢れるのは
光、の、ようなもの
 
例えばそれは
あの
白に、似た
 
 
**** ....
 
 
木製のパレットに
弾かれていく、水泡
そこから零れ落ちる/滲む
たくさんの、はじまり
 
かたどった筆先を
やわらかく
浸した水面には、
ほのかな色を持った
円卓が
広 ....
 
 
 
 
 
 
たどり着いたとき
足元は
遠く、離れて
 
 それはたとえば
 風船に追い抜かれたり
 迷子の小さな声が
 群集で掻き消されたりする
 午後のはなし ....
 
一枚目の空が
蒼を描いて映えたあと
揺らいで消えた
 
上枝の先で瞬く
色とりどりの私が
手招き
して、(しながら
 
 
呼吸を
取り戻して
鼓動を
思い出して
  ....
湿る度の、音

響いたあとの名残は、
何かしらのかたちで
沈んでいく

 (奥底で
 (深々と眠りつつ、

震える指先は
鼓膜をなぞりながら
(呼吸を、
ひらめいて ....
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