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、広がる、の。
 
 
(メランコリックガール)
 
不確かなのだ、と
爪先はなぞる
拡散するテレビだとか
縮小を重ねるパルスに
耳を澄ましたままで
 
 
一語。
  ....
 
わたし、
だからうまれたの
 
 
きゅうたいのいのちに
いくどとなく
はもんがつたうとき
わたしは
すいてきになる
そのあと、
またいのちになる
 
からめるいとは
 ....
(たくさんのパルス、)
 
 
脈拍が歌う
それは波紋であり、
いのちだ
 
水溜まりと等しく
空を映した鏡と、同じ
青や赤をまとった
一筋の糸
 
 
(たくさんのパル ....
 
 
 
 
 
 
水玉の反射光
少しだけ、離れた目線
 
水滴が頬を打つ
その、一瞬くらい前
私は私より
ずっと私だった
 
 
足元が脈を打つ
それは轟きであり ....
 
 
 
 
 
 
それは、浅はかながら
艶めきを晒している
 
狂い踊る群衆の隅で
一心に
咲き誇ったまま
 
 
燃える
 
 
******
 
 
 ....
 
石畳
わたくしの爪先は
ようようと白く
染まり、
その足音は
薄暗い灰色の中
に、溶けて
いくのです
 
短くなった、指が
弾き出す旋律は
やはり
赤や黄をまといながら
 ....
?.親指

雑踏が導く理の
その、陰に息衝くものを
私の指先は
いつだって捉えながら
突き放している

高々と掲げた先端は
赦しを表すのか
もしくは、祈りの一つであるのか
 ....
溢れる私を
指先で小さな歌にして
空に、伝えようとしたら
途端に青く
それは多分
あの人形の瞳くらいに
青く、なってしまったから
私は未だ
その時溢れていた歌を
伝えられないままだ
 ....
夢現な朝露が
透明を保つ空気の中で
そっと
身体を震わせる、朝
 
細やかな振動は
私が眠ったままの揺りかごを
徐々に強く揺らして
目を開くことを
強要する
 
 
ああ、空に ....
?.
 
薬指に光る
誓いを灯した永遠は
二人の瞳を受けて
更に輝きを増す
 
同じ息を吸う
それだけの動作に
共有された時間を探しては
また
光を灯して
 
 
回り続け ....
使い捨ての帽子に
ミルクティが付着して
私は
何故か、はっとする
 
余りは沢山あるからと
笑いながら言う
これが人間だとしても
あなたは
笑うのだろうか
 
 
白いメッシュ ....
君は
僕の知らない目をして
その光景を
眺めている
 
髪の毛の焼ける
独特な臭いのあとで
君はただ
真っ赤に見える空を
抱く
 
*
 
今はもう
塩分と水分に分かれ
 ....
使い古したような
ソファーに沈みながら
ゆっくりと
足をばたつかせる
 
水中散歩でもしようか
その、一言が
恥ずかしくて言えないまま
そっぽを向いている
 
 
君はきっと
 ....
手を引いて
歩く指先は、きっと
温かかったような
そんな気が
している
 
お母さん、と
間違えて呼んだ私の
頭を撫でては
大丈夫と
微笑んでいたから
 
 
髪を結う仕草の ....
目を瞑り
微笑んでいたのは
遠い日の残像に似た
脆い、光
 
壊れないように
そっと、手を触れてみる
優しく息づくそれに
耳をすませた私は
ふと、安らぎを覚えて
 
 
多分そ ....
空と宇宙の間
光る尾を引いた
星の欠片に、乗る
 
本当は
光ってるんじゃなくて
燃えているということには
知らんぷりをして
 
 
指で作ったカメラで
シャッターをきる
閉じ ....
大丈夫
もう、泣かないよって
叫んだあとの
雨の日
 
寂しがりな僕たちは
分からない雫を
溢す
 
 
隅っこが
好き、なんだよって
笑ったあとの
晴れの日
 
夢を見 ....
水溜まりに映る
青く、吹き抜けた空の
隅っこで泣いている
雲を見つけた
 
そこだけが
深い灰色に沈んで
しくしくと
雫を落としている
 
 
大丈夫ですか、と
声をかけると
 ....
灰色に染まる
明くる朝の空は
じっと、目を閉じて
眠りを誘っている
 
少し湿ったような
生温い風が、吹くと
慌ただしく舞っていた
木の葉たちまでもが
眠りについてしまった
 
 ....
夕闇に
小鳥が影を落とす頃
灯りが灯り始める
家々
 
眠たげに瞬いては
輝くその灯りに
吸い込まれるかのように
人々は
家へと足を向ける
 
 
灯りに向かって
話しかけて ....
説明不足のままで
鳴らしていた警報は
今はもう、空気に溶けて
宇宙へと
気化している
いるから、
 
正論をぶつけたと思っている
君の思考から
ネジをほどよく外して
考えることを
 ....
層になった雲が
ゆっくりと、重さを増して
僅かに酸を帯びた
涙を流す頃
 
私は
地に足をつけながら
それを、一粒ずつ
掬いとっている
 
 
指で跳ねる雫に
唇を寄り添わせる ....
湖の上
淡く、輝く光が
ちらちらと
飛び交っている、その横で
 
私は息を潜めて
空を
じっと、眺めている
 
 
儚く光る
空の、瞬きと
目の前を飛ぶものが
重なる
 
 ....
雨色の空気が
私の奥をノックする
深く吸い込んで
吐くだけの、仕草
 
名も知らぬ花に
小さく声をかける
雨音はもう
とうに止んで
 
 
水溜まりの上を
わざと歩く
波紋が ....
指先だけで、そっと
窓を開いてみる
隔てていた向こう側には
空の海があり
 
紙飛行機を飛ばす
誰宛てとかではなく
紙飛行機を飛ばす
そこに、意味なんてない
 
 
ここは海だろ ....
まだ、淡い光の粒が
生温い風に乗って
私の目の前を
きらきらと通り過ぎた
 
限り無く空に近い
窓辺から首を出して
その、行く手を追い掛けても
追い付ける筈は
なく
 
 
  ....
爪先がそっと
水鏡を優しく犯して
小さな波紋たちが
ちゃぷちゃぷと揺れている
 
指の腹でなぞった
かたつむりの足跡は
今はもう
乾いてしまった
 
 
抜けるような空は
白と ....
窓ガラスに映る
鏡合わせの
パラレル・ワールドは
 
ありふれた物語を綴る
三流の映画を気取って
にやりと
笑みを、浮かべている
 
 
雨が降っている
 (陽が照っている)
 ....
君が僕に触れた
その指先から、ほどけて

僕の身体に巻き付く
見えない包帯に
なってしまえたら、いい


息をする度に
ひらひらと揺れて

いつか、二人の匂いが
一緒になっちゃ ....
ゆらゆらと揺れる
木々の間で
風に吹かれて
瞬きを思い出す
 
一つ、ぱちんと
音をたてて
瞬きをしてみると
風がそっと
頬にキスをした
 
 
吸い込まれそうな
深い、青の ....
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