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「ありがとう」
そう素直に言えたなら
「ごめん」
そう素直に言えたなら
君との距離が 
今と 微妙に違ってたかな?

僕の下手なプライドが
君との距離を広げてた事
今頃になって やっ ....
目覚めたら
僕の部屋に同室者が現れた

両親と暮らしているが
生活パターンが違い
机上の英和辞典よりも顔を合わせなかったから
友達ができたみたいで嬉くなる

彼は僕とまるっきり正反対で ....
いつでもいいよ
って
ついいってしまった
じゃあいつか
かならず
って
てをふってくれた
ほんとうは
いますぐ
っていみなんだ
とおざかる
とおざかる



     ....
ぬるい雨に圧され紫陽花の青い首が舗道へ垂れています
私は待っています
触れてくれるでしょう、荒れたアスファルトの
えぐれたままの古傷に溜まる暗い水に、柔らかく


あまりに ....
きのうの僕はつらかった

きのうの僕はかなしかった


だけど めざめたばかりの僕は

一枚の白い画用紙


つらい色をぬらないでおくれ

かなしい色をぬらないでおくれ

 ....
貝殻を気取る私は
捕獲されるのを警戒する

辺りが静かになった頃
深い深い、おそらく他人には不快と思われる
夜の底にて
ようやく貝は口を開く


ポロポロと子守歌
誰にも与えら ....
 あの分かれ道
 右へ流されてみることが
 あの分かれ道
 左へ巻かれてみることが
 できずに


 心のまま
 選び進むほど
 安息を諦めた者が
 またひとり
 雑踏に消えてゆ ....
夥しい夥しい直射日光で
アスファルトの明度が振り切れ
真昼は真っ白い暴力だ
私は激しい夢うつつに陥り
液化してゆくアイスキャンディを見下ろしても
何を思えばいいのか何も何もわ ....
凍結した配水管から垂れ流される
泥土のように
感情が流露する
やがて小さな川を足元に描き
虚しさに乾いた土へと吸い込まれる

誰の胸を潤すことはなく
一時的な慈愛は消えて
残るのは空振 ....
渇く渇く渇く潤う
行き止りのない道を
いつまでも

忘れていることがあるにせよ
それは帰れない{ルビ道程=みちのり}であって
忘れていることなど何もないのだ

あどけないうすい影は
 ....
お嬢の小唄を
宙に放れば
おてんと様が照らしてくれる

小僧の小唄を
地に撞けば
根っこの隅々しらべてくれる

手毬唄、ひとつ
この手に優しい
中身かどうか
優しくこの手に帰 ....
君は針のように尖っていて
僕の心に突き刺さる
あまりにも
細くて尖っているものだから
君が僕の心に突き刺さっていることなんて
とうの昔に忘れていたよ
けれども君は君で
いつまでも僕の心に ....
恋に目覚めたとき
君は書くだろう
恋に焦がれた
男の詩を

愛に恵まれているなら
君は書くだろう
優しさ満ちた
日々の詩を

性に欲望したとき
君は書くだろう
交尾に狂う
獣 ....
あなたはわたしの何もかもを知らないし
わたしはあなたの何もかもを知らない
それでいいと思う

それでいいと思ったら
夏の柔らかい部分では
雨の方で都合をつけて
わたしとあなたを
水たま ....
まだ携帯電話が
一般的でなかったあの頃
待ち合わせ場所に
君は現れず
2時間待った僕は
君と二人で良く訪れた
この喫茶店で独り
コーヒーを啜る

ニーチェの善悪の彼岸
ツァラトゥス ....
時を刻もう

光と影のこの世界の時を

光の記憶はうれしいことや楽しいことで

影の記憶は悲しいことや辛いことで

共に忘れず刻んでいこう

永い時を過ごしても色褪せないように
 ....
入院してる友達のために折ってるのと
その子はちょっと淋しそうに

鶴を折っていました

それを手伝おうと
わたしも折ったのですが
できあがった鶴の
羽を広げようとしたとき

その子 ....
この手には限りがあることを
渋々から卒業をして
潔く
承知出来るようになったんだ

五本の指は五本でひとつ
二本の腕は二本でひとつ

一生懸命になるのではなくて
一生懸命にならざ ....
流れ星を見た。

うつむく彼の頭撫でながら
見ていたら
すっ
すっ、て

花火大会の余韻も
冷めやらぬ私の頭上
初めて見たよ。
2つも。

髪の毛をかきあげたら
鳴くんだよ
 ....
速達で届く恋人達の会話に傍耳を立てると
つまらない内容の連続に
耳の奥に指を突っ込みたくなるよ

何処にでも転がっている有触れた存在
羽を休める為だけの小さな巣穴
全ての人間がそれを求めて ....
明朝体の君を明くることなく眺めている
ページを捲る度何度でも繰り返される物語の中で

教科書体の尊公を赤線引きながら睨み付けている
ボロボロになることで誇られる知識の泉の中で

Mo ....
夕闇に
かみひこうき
投げて

どこまで
飛んでいって
くれるのか

思い

馳せる

季節は春めいても
頬を撫でる風は
まだ
冷たい



ふと
隣に居な ....
学生時代に旅した外国で
たくさん手紙を書いた
両親や兄弟や友人へ

砂漠に近い
ひどく乾燥した扇状地の街
ボロっちいホテルの一室で
二度とはき出せないような
甘い寂しさの詰まった手紙を ....
一度切りの湾曲をとうに終え
錆び果てたガードレールは死んだように安堵している
その影に紛れた舗道の一部は黒々と陥没し消滅している


その上空を傷付ける有刺鉄線、私ではな ....
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