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赤と黄と
ラムネの包み紙色をした
オシロイバナ
濁り月夜に照らされ
隘路の脇に華やいで
鼻腔くすぐる慎ましい芳香
帰宅の人を誘惑するよ
水煙りの朝に
頭の膨れた花弁は重たくなって
....
目覚めたら
僕の部屋に同室者が現れた
両親と暮らしているが
生活パターンが違い
机上の英和辞典よりも顔を合わせなかったから
友達ができたみたいで嬉くなる
彼は僕とまるっきり正反対で ....
凍結した配水管から垂れ流される
泥土のように
感情が流露する
やがて小さな川を足元に描き
虚しさに乾いた土へと吸い込まれる
誰の胸を潤すことはなく
一時的な慈愛は消えて
残るのは空振 ....
速達で届く恋人達の会話に傍耳を立てると
つまらない内容の連続に
耳の奥に指を突っ込みたくなるよ
何処にでも転がっている有触れた存在
羽を休める為だけの小さな巣穴
全ての人間がそれを求めて ....
明朝体の君を明くることなく眺めている
ページを捲る度何度でも繰り返される物語の中で
教科書体の尊公を赤線引きながら睨み付けている
ボロボロになることで誇られる知識の泉の中で
Mo ....