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昼が過ぎる。真夏日が待機した窓を開いた。
半裸な都会の露出度は、夕方に足を突っ込んでいる。
ベランダから返り討ちをしてやろうと、長袖に手をかけてやめた。
―ソファーの色、体毛よりも淡い、素肌 ....
曇り空の晴れた日の夕暮れに、昔からおしゃべり好きな友人が自信たっぷりに言ったことが気になった僕は、土手まで歩いた。
「夕暮れになると魚はいっせいに鳴くんだ」
そいつはアッカンベーが好きだっ ....
忘れてきた思い出がある。夜になると、頭の中で記憶と感情が騒ぎ出す。乱雑に、不規則に。忘れてきた思い出が疼きだす。ひっそりと現実をかみ殺そうとしている。いや、現実にかみ殺された感情が、現実を見返してやろ ....
「あれです」
後ろから指差す声に、「あれ」の方角を見なかった僕。
雨が降り始めて、地下には大きな水溜りが出来た。
粉々になった写真を灰皿に入れた風景。
燃えていく写真は灰になって机に落ちた ....
麻雀に負けた。と言っても、いつものことだ。僕は麻雀が弱い。弱い理由は、頭が悪いからだ。人生は麻雀のように運だけでは渡れない。半チャンが終わるたびに、僕は落ち込んでいく。
「もしも、あと一手早ければ」 ....
朝方早く、空は虹色をしていた。
世界にだまされている。
ベランダに立って、気がつけば、
世界は今も動いている。
給食センターのトラック。除雪機の眠った倉庫。
海に続く空気。
朝方早く、 ....
昨日の昼に桜を見に行きました。
桜はふわふわと空間にういているようでした。
水面には、桜が反射されていて
なんだかだまされているようでした。
無作為に、桜を指差した方向に
酒を飲むサ ....
彼女の家は鄙びた村の一角でなければ、喧騒に追われる街の中心でもない。
寂れた温泉街でもなければ、シーズンだけ人口の増える観光地でもない。
彼女の家の前には大きな寺があるが、彼女の家の横には神社 ....
最近まで、電話回線をとめられていた。つくづくお金がないとやっていけないと思った。かといって、手段を選ばず金が欲しいってわけじゃない。つくづく俺はわがままなんだと思った。
ようやく、給料が入って電 ....
高校を卒業するころ、大学受験に本命がはずれ、田舎の友人たちと離れることが決まったとき。僕らは、いつもマージャンをして、100キロ以上離れた海に車で向かい、かえってきては酒を飲み、駅へ行って、キャンプフ ....
とにかく、物事を隠したがる性質があるようだ。でけど、やっぱり、何かをあらわしたい。しかも正確に。でも、結局は、正確に表そうとすればするほど、僕のつたない文章はどこかで息切れしてしまう。
文章が硬い。 ....
縁日で、金魚を取り過ぎたおじさんが、デメキンと、普通の金魚をくれた
縁日で、何もしてなかったのに、右手には、金魚が、2匹いた。
家に帰っても、水槽がないから、とりあえず、1.5リットルのペ ....
僕は右利きだから、きっと、左手を怪我したのなら「よかった、利き手じゃなくて」って言うだろうと思う。
僕の左手は、マイクロフォンも握らない。
僕の左手は、ギターを握ることもやめてしまった
僕の ....
人にとって理想の体形ってどんなものだろう。
僕は、どうしても痩せ型の体形だ。ごはんを極端な食べ方するし、動くし。無駄に引き締まった体だからよくみんなに過保護にされる。
大体、年下の女の子に「私 ....