四人家族の
四角いテーブルには
それぞれの席がきめられていたけれど
うまることはほとんどなかった
今はもう
四角いテーブルもなくて
かわりに置かれた
まるいテーブルの端っこで
食べ ....
はかりしれないほど
スィートな加速度で
ぼくたちは走っていたので
日々の円周ばかりを、何十回とまわり
あしたの記憶だけ
どこかに置いてきてしまった
クラクションが、鳴ってる
....
{引用=高速で回転している花束を見ている朝の洗濯機の前
小窓からしゃぼんの香り飛び出して空に散らばる雲の石鹸
仰ぎ見る雲は雨雲どんよりと黒い何かをぬぐえぬ散歩
....
電話たたむとくしゃって言うでしょ、くしゃって、きこえた?愛じゃないのよ?
複数のエスを忘れてあたしだけ あたしs チョコレートsssくらいいる
はじめてのひとってそれはひとだっ ....
住人はとうにいなくなったらしい
不思議ときれいだ
レースのカーテンが風にふくらむ
明るいキッチンの
テーブルの上に 氷ざとうがある
グレープフルーツくらい大きい
甘い
い ....
シーソーと電池の切れたラジコンときみのなみだとそしてさよなら
かくれんぼ3つ数えて工場の敷居を越える(サンタはいない)
この町で一番長い煙突が君と僕との待ち合わせ場所
この町と ....
引っ越すと言うので
貰った8角形のコップ
口づける度
あなたの味して
使えません
降りやまぬ雨の重さにうつむきし額紫陽花より珠の零るる
泥濘に踏みにじられしすいかずら晴れない空と泣かないアタシ
わたくしが果てたらどうぞお食べなさい林檎の花は楚々とほほ笑む
【贋作】『サラダ記念日』
女宛送る手紙に『友情論』を引用してるだあれあなたは
愛告げてしまいたけれど遠景の似合うあなたをしばらく惜しむ
「その歌はよせよ」と君がぽつり言うこ ....
生まれ変わったら何になる?
いつかそう聞いたのはあなたです
あなたが
パンダになるのなら
わたしも
必ずパンダになります
あたたかい陽だまりで
あなたに寄り添って
新しい命を育 ....
種もつ闇の
ちらかる 真昼
夜から じっと
はりめぐらせた
たんたん ひとつぶ あまい 夢
たんとん ひとなみ ふるい 風
かすれた なきごえ
かみきる したあご
....
電話中「それを一枚持って来い」
やれ走れお好み焼きの熱いうち
鰹節向かい風には耐え切れず
スーパーで「そいつ一盛乗せてくれ」
エレベータ匂いきつくてスミマセン
....
月はやがて
西へかたぶく
闇は薄目をあけて
とうとう光を受け入れる
朝は少しきむずかしやで
眉間に皺をよせながら
うすむらさきの靄を吐きだす
なにもかもが起きだす前の
ほんの密やかな静 ....
ブランコに51kgぶらさげて光らすための助走をつける
20歳になったら生きる意味がない崩れるための両足で立つ
空っぽになるのに伴う痛みならどこでなおしてもらうんだろう
....
アルマジロな午後。
僕は転がる。
あるまじき僕は正午。
ごろごろとアルマジロと転がり、
ヒジキを食べている。
ヒジキはあるまじき美味しさで、
もぐもぐとアル ....
水たまり広がる波紋に耳すましきみのリズムでやってくる夏
砂浜に置いてきたもの捨てたものロケット花火と添い寝する夜
8月のリップカールのてっぺんで届きますよにぼくのメロ ....
整然とあかしろきいろに並べられちゅうりっぷこそ花壇の象徴
ほの甘き蜜を湛えし満天の星空の如どうだんつつじ
きゃあきゃあと囃したてられ頬染めてのうぜんかずらの下でうつむく
....
このおもい 恋と呼ばずに なんと呼ぶ
このおもい 人は未練と 言うのでしょう
このおもい 呼べど呼ばねど 恋だった
このおもい 恋というには 重すぎて
このおもい 愛というには 苦 ....
夢置いて暮れる中空声カラス 阿呆阿呆となくは誰が為
走り去る回送電車に見し人と命を賭して擦れ{ルビ違=たが}いしや
記憶せしその名霞みて迷い道 あるべき日々に眼を凝らすのみ
....
もしも もしも もしもし……?
本物の詩人になれたら
うしろめたく感じたり
我儘かな 思たり
苦を知らん 思われたり
ねたまれたり
クレームおもっくそきたり
ずっし ....
あの嘘を見破るなんて野暮なことしなきゃよかったサヨナラ純情
ツマラナイ女になるなと口癖のように云うから泣いたりしない
ピンヒールの靴を履いたら女王様君はかかとの下で傅く
口紅の色を迷 ....
(RT会議室Aでの出来事)
暗い部屋AC機器のランプだけあたしじゃなくて窓を開けたの
新しい部屋は2人も入らないよ1.5人入れば充分
泣くだけのお部屋があるの地下五階 ....
降り立った夏の停車場せみたちの鳴き声拍手喝采のごと
実家へと歩く田園風景のさびしきひとりと描かれる夜
秘密基地としての廃屋いまはもう月光だけの棲み家となりて
失った記憶と ....
もう大人になった気がして二本足で立つことにした誕生日
「生命線を持って生まれたかった」スクラップされていくロボット
大福だと思って食べたら素甘だったという悲しみを背負う
....
どうせなら一度くらい殴っておくんだった
そうじゃなければ愛しているとでも言っておけばよかった
見上げたり見下ろしたり
飽きもせずよくそんな遊びを続けていたもので
今になって思い返してみれば 何 ....
暖かな雨に追われて迷い込み君と出会った六月の町
徒に花びら数え占った恋の行方を君も知らない
花は花やがて綻び散るものの定めの前に花鋏有り
裏庭でか ....
何十年 経てど心は 角だらけ
朝おきて のっぺらぼうが ひとり居る
ふんばって 何も出て来ず もう四日
乳酸菌 喉にぎざぎざ 突き刺さる
預言で ....
斜体
滑空する
地平は沈黙したままの
全くの木蓮
光/グライド
焼けだされる
きれいな、
春を
{ルビ廻輪=くるま}の中で幸せだった
花の匂いがしていた
四方八方が ....
言葉で武装してはならない
言葉を武器にしてはならない
争いは銃からではなく
言葉から始まることを知らなくてはならない
言葉で武装してはならない
言葉を武器にしてはならない
言葉の扱いが ....
好きなもの 好きだと言えない その気持ち 空に浮かんで 星屑になる。
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