すべてのおすすめ
踏みつけた木の葉の裏に隠れてる虫さえ愛せるくらいにひとり
冷房のファンに揺らされ落ちる葉のむなしさだけは凍り付いてる
あの雲にかかればあの葉の色だって一撃なのよ だからわたしも ....
放課後の静まりかえった女子トイレ金魚が一つ産み落とされる
揺れ動く尾びれ背びれに滲む跡肢体をつたう金魚群
奔放に泳ぎまわるや体内の水槽覗き金魚と目が合う
....
色褪せしカエルの背をなでやりつ人差し指はものひきつらす
日暮れれば花弁を閉ぢる花と知らず植ゑてよりわが昼は呪はれ
土くさき夜気につつまれ甦る記憶くるしくのびる根のごと
街路樹の根の垂 ....
一束の薔薇を奪ひし通り魔の手にぎちぎちと青き棘立つ
花を剪るしあわせな朝よそおひて茨に髪をからめとられつ
「ともしび」と「かなしみ」似たり真夜中の明るき窓の下に黄の薔薇
にくしみを誘 ....