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私は宙にいた
ずっと空を聴いていた
私を支えていたのは
ただ蒼い闇ばかりだった


ゆれる森
立っている人
言葉をめくる声
降りてくる色


暗くやわらかな
 ....
   短い季節の
   深い水底に手が届きそうな気がする日には
   凶龍よ
   おまえの翼に触れるものも
   いるかもしれない
    火のなかに失ったもの
    火のなかに忘れたもの
    火のなかに入り
    置いてきたもの

    
    三つのものの区別がつかなくなった今でも
    お ....
朝が近づき
朝が持ち去る
行方の見えない道をゆく
朝に現われ
朝に消える
直ぐにかすんだ道をゆく


明るい雨のなかをすぎ
銀に鋳られた道をゆく
歌を見つめ
空を見つ ....
銀に生まれる朝が来て
蒼や灰の約束は
果たされたまま
果たされぬまま
みんな静かに並びはじめる


ひろい光の場所があり
滴は滴のままでいる
新しい歌がひとつあり
球面 ....
島を結ぶ浅瀬の夜を
かがやくゆがみの輪が照らす
ほつれつづけるふちどりが
わずかに時間を押しのけている


歩きつづける影のそばに
何かを取り去られたかのような
大きなひろ ....
土に倒れた鉄の飾りに
剥がれた壁のかけらは積もり
錆の網目にふちどられてゆく


誰も住むことのない家が
はじめからそのために建てられたかのように
灰と緑にとけこんでいる
 ....
中庭に緑の影を落とすのは独りのために建てられた家



階段と蔦からむ窓ゆらす音めぐりめぐる手すがた持たぬ手



門と門くぐる者なき中庭に降る雨のよな鳥たちの影


 ....
小さな傷に満ちた目で
火の曇 光の曇を見るとき
歌はひとつひとつ分かれて
近づくように遠去かる


既知と未知は窓に波打ち
生になじまぬものたちは
光をひとつ負うごとに
 ....
風は降る
粒は降る
重なり 離れる
鳥の像と鳥の影
円のなかに降りしきる円



雨どいの羽
空へ帰り
曇と返り血
はばたきの跡
ひらめく道の
切っ先の音

 ....
一歩一歩 咳こむ足で
わたしがどこまでも歩くので
夜はどこまでも感染し
朝には誰もいなくなる
朝には誰も
いなくなる


みんな歩いて いなくなる
歩きつづけて いなくな ....
ひとしきり震えて
夢の端 ついえて
抜殻を
荒地を
喧騒はすぎてゆく


忘れられた瑪瑙
夜を率いて
ひとつだけ大きな
空のまるみを抱く



やわらかな星
 ....
足跡は沈み
足音は飛び
すぐそばを歩む風から
三つの異なる色を受けとる


手と足を失くした煉瓦色の天使の
翼と頬に抱きしめられて
夜の蔦の鈴は鳴り
白と金に土を照らす ....
光が息を通りすぎ
ひとつの花
ひとつの羽に分かれてゆく


線だけの街に
雨がひとつ咲き
小さくふるえ 増えつづける


無音に打たれ ひざまづくとき
白い林の連なりを見 ....
ひたいに浮かぶ舟の上から
手をのばし 指に触れていき
水紋は
遠くへ遠くへひろがってゆく


とても大きな朝があり
どこかへ低く消えてゆく
建物の陰に残る光
開け放たれ ....
塔野夏子さんの木立 悟さんおすすめリスト(45)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
外の原へ- 木立 悟自由詩805-7-12
ノート(35Y.7・20)- 木立 悟未詩・独白205-7-11
ノート(35Y.6.16)- 木立 悟未詩・独白505-7-9
銀領歌- 木立 悟自由詩505-7-7
生まれる朝に- 木立 悟自由詩305-6-13
灯夜行- 木立 悟自由詩305-6-4
振景- 木立 悟自由詩405-4-27
廃園- 木立 悟短歌605-4-18
ひとつ_肌へと- 木立 悟自由詩305-4-12
飛音- 木立 悟自由詩305-3-19
ノート(病)- 木立 悟未詩・独白505-3-18
再音- 木立 悟自由詩205-3-14
翼と頬- 木立 悟自由詩2*05-3-3
鏡の日- 木立 悟自由詩405-3-1
ひたい- 木立 悟自由詩505-2-14

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