それはわかい、あまりに若かったころ
「まっちゃんはアスペ、アスペ」
よく友人がそう言って笑った
それは20年とか30年とか前のこと
アスペ、アスペって言葉が舞っていた、雪のように
それは ....
そんなにも傷ついてあなたはどうしたの
誰も知らないニュースをお知らせします
あなたの心の鉄橋が落ちた
みんなのお世話をしていたひと
森の奥の 静かな崩壊
金魚は呼吸を遠慮 ....
きらきらの泡のペプシコーラみたいな週末が、ぼくの身の上にまきちらされていた。映画館のアルバイトは忙しくて、深夜に帰宅したアパートでは雨漏り騒動があったし、スマホは調子が悪くてなんだか通知がうまく届かな ....
「クリスマスチキン」
だから、と
ちょっと張り込んで
ネットで評判が良かった
ガストの
ローストチキンとピザのセットを
【娘と夫に確認してから】
予約したのに‼️
....
初夢はキッチンで描く自由かな
冬菫インクとなって夕空へ
冬すみれ行き着く先は夕日かな
コロナ
コロナる
コロナれ
コロナれば
コロナります
コロナる時
コロナろう
コロナった
コロナるまい
令和3年の地球はコロナ禍で窮屈
コロナウィルスはヘンタイす ....
傘を見たものは言う
尖っているやつだね
いや、丸かった
いやいや、三角だった
短くなかったか
....
夏の夕暮れに躓いた
石ころがあったわけじゃない
何もないからこそ躓いた
すぐに起き上がったが
膝を痛めた
夕焼けが眩しかったの ....
ちいさな蕎麦屋の片隅で
夏の忘れ物が色褪せていく
ときには本を片手に行儀悪く
あるいは昼間から日本酒を肴に
天ざるふたつを頼みながら
....
キッチンに一人っきりの秋思かな
祖母の手がせっせせっせと栗磨く
宵の秋コーヒー淹れて猫の横
まず今日の今を生きたし十三夜
温(あたた)め酒となりの部屋も灯りおり ....
短い髪が好きだ
短い爪も好きだ
髪には白いものが
手にはしわが刻まれた
時は経つ
何もしなくても、 ....
うつくしく咲く
その一瞬を
乾燥させて閉じ込める
ドライフラワー
呼吸し脈打つ
うつくしさを
傲慢なま ....
夫が「コロナ感染者濃厚接触者」になって帰宅した
お相手とお互いマスクはしていたけれど
数時間対面で事情を聞いていたので
後からわかったのだけれど
「コロナ感染者」との濃厚接触者と認定された ....
真っ直ぐなんて歩けやしない
平らなところで つまずいて
ぬかるみで ぐっちゃりなんて いつものことだし
おいしくない水だって 飲んでしまうし
....
好きすぎて噛んじゃったのかな?
鹿児島市平川町 平川動物公園のホワイトタイガー
お兄さん死んじゃったよ
死んじゃうとね、もう遊べないの
ホワイトタイガーのリクくんは殺処分されないのね
....
命日に入院 成功祈願 墓参り
開頭術 縫合ホチキスって わたし文集?
もう出来ないね 畑返還 支度に出掛け
{ルビ十歳=ととせ}越え 冬バラ萩を 掘りあげて
故郷の庭 移植するのさ 生命よ続け ....
ミモザかなレンギョウじゃなしなんだっけ
エニシダの花あふるるデイケアの窓
施術台ホットパックして昼寝して
デイケアで居残りをしてバカンスや
お帰りの体操曲は白樺だって
さぶちゃんに白樺って曲 ....
父さんと二歳のわたし春落ち葉
独り居が友の名を呼ぶ春の星
君宛てに投函した日しゃぼん玉
猫と居た十七年余春の川
人生の往路復路に花林檎
前髪の一ミリ思 ....
{引用=題名だけの詩のスレッド、
九月生まれの題名たち二○○四年〜二○○九年分より、
今回は取捨選択厳選を重ねまして百二十弱。
もし何かお心に適うものがありましたなら、
基本的にはご自由にどう ....
90%知りたい
だけどそれはやめておく
死ぬのはいくつの歳か
それを聞きたいけど
聞かないことにする
と、57歳のおじさんが言った
ぼくの座る
駅前の公園のベンチの前 ....
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