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「なにも、なかったん?
わたしはなにも悪くないの?」
という寝言を聴いた気がする
いまさっき
この部屋のとなりのベットで寝ている
ひとのくちびるから
そんな言葉が
漏れた気が ....
涙だけ
こらえていれば
心など
無視していてもいい
あまりにも
深い
深い深いこころの奥にある剣を
ぎゅっ!
と握ってみたくなる
夕闇の家路
そしてあしたも朝になれ ....
悲しみがプラスチックでできている黄色いアヒルを沈める浴槽
朝も5時にカーテンを開けて
空をみていると
なんだかやさしい気持ちなれる
地上はすこしだけ起き出していて
車たちは昼よりすこしすくない感じで
西へ東へ北へ南へ
今朝は外気を感じ ....
言葉に、
侵食された私たちがいる
言葉を、
おもちゃにしている
私たちがいる
心を、
おもちゃにしている
私たちがいる
生きることだけが
....
ものを動かすのも億劫なほど
暑い暑い暑い過剰に暑い真夏の真夜中
木造の家のこの部屋のエアコンは
すこし効き目が薄くって
でも布団を蹴飛ばすと風が痛くって
優しさが溢れ返って隣の人 ....
『リストカットを
したこともないのが
恥ずかしい』
と彼女は泣く
眠ればすべてを忘れてしまえるから
ただ眠りたいんだ
《敏感な》心が折れちまってるんだと
彼女は照れながら笑う
....
夜空をみあげると
冷たい星たちが
ただ、運命に流されながら
瞬いている、
私はといえば
あいもかわらず、
からだに焼きついて
剥がせない
キツい憎しみを黙らせるのに
少し ....
蛇神さまに逢いたくて
山の果てまで分け入った
なにを訊きたいわけでなく
信仰しているわけでもない
おまえが邪魔になったって
云われたけれども納得できずに
....
闇は、やって来る
どんな
忘れたくないような最高の蒼空が
至天満面に広がりつづけるとしても
やっぱりしずかなかたちでまるで無音で
そのときになれば
闇は、やって来る
....
愛ってなんだろうなんて
だれもが顔をそむける問いは
むろん、忘れるべきだな
世の中に美しいものがあるならそれは
ぜったいの愛ではなく
煌めきの
恋
だから
光が踊って ....
『宇宙は木造細工でできている』
って
詩を読んだとき
僕は
じぶんが詩人である意味を失ったことに気づいた
カッコつけて
生きたいと
想ったのなら
それは正しい輝きだと想ってほしい
山中の池の深淵な緑の言葉のような忘却に
寂しい目をした
でも前を向いている君の
瞳に残る真っ赤な薔薇 ....
おやすみなさいと
満月から聴こえた声は
夕方までの小雪のせいか
虹色の幸運にくるまれてるみたい
ゆっくりと眠れそうで
おもわずおやすみなさいと
ちいさ ....