張りつめた風の端
やわらかい記憶の糸をほどけば
泣いてしまうかもしれない
あなたは
ほころぶ桜の薄い花びら
その散り際の光景を思い浮かべるとき
過ぎた時を惜しむ眼差しで
未来を見つめ ....
俺、バカ男
今朝、電車食った
人の骨、のどに刺さったよ
だから人、電車から降ろしておいて
って言ったのに
バカ男、痛いのいやだよ
痛いの嫌いだよ
青い地球を
踏み締めると
波
波が立つ
強く
つうよく踏み締めると
津波
津波が襲う
青く美しい地球
が
またさらに
青くなってびっくり
僕は慌ててにいげ出した
ま
当 ....
毎日まいにち
腕を鍛えあげることが大切だって
教わった
常に鍛錬を絶やさず
たくましい腕を持つことができたら
不自由なく生きていけるそうだ
学校は毎日まいにち
腕を鍛える授業ばかりで ....
やわらかく夜は
わたしと明日のあいだを流れてゆきます
あなたは
向かいあう見知らぬひと、や
すれちがうたいせつなひと、や
ほんの1ミリのすきまでとなりにいる
わたし、
が
ふい ....
その頃
ぼくらといえば
美しい霜のうえを
自転車で完璧な曲線を
描きながら
ふるえる独奏者としての
ふるえるりんごの夕陽のことばを
所有してました
複雑なぼくらのようなわたしたちの
....
今は意味の無い芝居が見たいのです
猫の名もキミの名も見分けがつかないのです
うすべにの地平線を見渡しているのです
これといって、意味のないことですから
冷凍庫はからっぽでした
チョコレー ....
夜の星から
マヨネーズが出ればいいのに
☆
↑から
マヨネーズが出ればいいのに
溢れ出ればいいのに
....
153時 @ハト通信
べるがおちていたので
ならしました
からころん
どあがおちていたので
のぶをあけました
がちゃがちゃ
ことばがおちて ....
ああ
かみさまはいるのだ、と
思った
そんな夜の話をしてあげる
雲をつんざく、青
無尽に動く、光
まっすぐ、
ひたすらまっすぐな、光
それから逃れるため
走った
(まっすぐ ....
鳴らないように
カスタネットをひきちぎった
偶然なついて住み着いた
一匹の猫を私はふいに暴力した
頭の中が真空状態になり
私は一方的に傷ついた
風で車 ....
ガラス玉の中で夜が
凍ったみたいに動かない
だからここには何も来ない
昼も夕方も往ってしまって
世界がポツリと佇んでいる
私は夜を握ったまんま
電車に乗ってひとり
闊歩している
こ ....
だれも起きていないリビング
ガラス戸の光
外の空気
となりの墓地から
鉦の音が聞こえてきます
いぬがしんで
しずかです
百科事典をひらきます
わたしもいつ ....
『白い部屋が白くないとき
人はたいてい
寝ているか
たそがれているか
死んでいるかです』
『ふやけた指が
その婦人を苦しめるのは
しだいに歳をとっていくことを
思い ....
127時 @ハト通信
はんぶんにわって
かたほうを
わたし
となづけました
もうかたほうを
こまかくくだくと
おかねやじかんになりました
....
いのち と 書く
水 と 書く
大きな樹
青い空
風 風 風
葉擦れの音
わあっと舞い上がる風に
樹が踊る
わあっと舞い上がる
銀色の光
帽 ....
砂丘であなたに会いたかった
あなたの足をつかみたかった
行き倒れる寸前の
砂に埋もれたあなたの足を
谷であなたに会いたかった
あなたの骨を接ぎたかった
花をとろ ....
わるいことがあった日は
たまごを100個
ゆでたそれの殻を
むく
そうなさい、と
むかし誰かに言われたのだ
けれど
誰だったかは
わすれた
殻をむくのは
夜じゃなくっちゃいけな ....
るらら と歌いながら 少女は崖の淵に立ったのです
崖は 必要以上に大袈裟に 切り立っていて
下を 見ると白と緑と虹色の川が
三日月湖 を 残して うねうね しています
きょうも おわった かな ....
わけもなく
涙がでてきたんだよ、
って
さっき言ったけど
たぶん
うそ、で
たしかに
わけはあったんだ
ポケットの底
ひも靴の裏
そんな、とこに
たぶん
道ならば
す ....
左、
右、
左目 君 人に見える タバコを吹かしている 暇らしい。
右目 君 眩しく映る 後ろにある夕陽?いや 恋らしい。
右肩 ツボ かなり凝っている。
左肩 ツボ この辺 ....
いいよ
ぶた肉だっておいしいし
キャベツだっておいしいさ
私はかなしみの台所で
フライがえしをあやつるアリア
しおのひとふりでとけてしまう味
がまんできない幼子の
かなしみ かなしみ か ....
8月のはじめの
まだ水のあふれていた庭で
あたためておいた6月の
水々しい果実を口にする
風をおとしたような日陰には
小さな花が咲いて
あれは5月の始まりの
ささやかな名残なのだと思った ....
桟のきしむ音のする
ほこりっぽい網戸をひくと
あごの線にそう
あどけないおくれ毛が
すずしく 揺れた
たとえば を
話すとき
そのよこがおは
やわらかそうに 笑うのだけど
うっか ....
おさないたましいが
いつまでも浮かんでいた とき
すべてが凪いでいた
まっさらな夏の日
あさい角度でそそがれる
いまにも壊れそうな
まひるのほしのひかりが
あたためすぎた布団から ....
さかなにはさかなの
けものにはけものの
くらい、影があって
さかなにはさかなに
けものにはけものに
それぞれのくらしと
それぞれのねむりが
境い目の波に
夜の月明かり
揺 ....
頭の丸みと髪の流れに沿って
手の平を浮かべる
カメラは遠くで蝉のごとく鳴り続け
レンズは割れんばかりに照らす
足を水桶へひたす
過去にも存在した気のする
記憶をリピートさせるよ ....
昨日 いつも市場で会う少年と水遊びをしたとき
「お兄ちゃん、腕まくりが似合うね」って言われて
戸惑って
戸惑ってしまったまま 朝が来て起き上がる
いつもと同じように寝床に向かい
膝を曲げ 腕 ....
馬にのっていると
とってもあたたかい
馬にのっていると
馬の鼓動がつたわってきて
わたくしのからだまで波うって
涙が
なみだが
あふれそうになるの
たてがみにふれる手もふるえ
耳にふ ....
朝だー。朝だー。
夜だー。夜だー。
知り合いもそうじゃない人も
溶けそうで溶けないエプロンにまたがって
チヌの果てで遊ぼうよ
健康を疑う何かが 胸を刺すのなら
カタ ....
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