チェジはかわいい
あたしたちの街の中では世界一の女ということになっている
かわいいの次元を越えた、とマイカは言い
スヌーピーの鼻をへし折るかわいさ、とハイリは言った
チェジの腕はいつも ....
波が寄せる海から
風の吹く丘へと上がる
着るつもりだった服は皆
夜の内に焼いてしまった
毛皮をぬいでしまったから
私たちはすっかり裸
そうして裸のまま、手をつなぎ
丘をのぼる ....
あなたの その一言で
泣いたり 笑ったり
私は 踊らされている
大きな あなたの 手のひらの上
きれいにいきること
ゆめをひきつけること
赤い靴とおどりつづけること
こ
と
こ
と
こ
と・
・
・
....
買い物袋から
オレンジが転がったのは単なる偶然で
私の爪の端っこに
香りが甘くなついたのも単なる偶然で
果実が転がり出さぬよう
そろりと立ち上がった頭上に
飛行機雲を見つけ ....
ささやくようにはいりこんだ季節は
坂の向こうで風をふくみ
かがやいている
いつも背中に手をふれ
たしかめながら
もうずいぶん歩いて
彼女の手には ひまわりが一輪咲 ....
ふりふりふり っと
どれすの すそを
ゆらして
まるい
ぼうるの なか
きのせい かなー
うわめづかい
きのない ふりして
さそってる かなー
そとは
....
きれいな音楽だとか
物語が
ささえになること
ぜんぶひとから生まれたなんて うそみたい
ひとは まだ じょうずに好きになることができない
うけとめる心の
線の細さは
....
金魚鉢かすめる涼風の行方知ってか知らずか手招きの夏
逝く春の背中押しつつ背中からはじまるアブラゼミの{ルビ時間=いのち}よ
きみがたわむれてた波ならひとすくい両手ですくって ....
かなしみもしあわせも似たようなもんだ
こころって難しいもんだ
バイトの連絡がはいった
面倒だけどはいといわなきゃならない
ミニスカートも好きじゃない
それでも渡されたら足を通すしかない
....
かけおりた坂道のおわりには
ボーダー柄の、夏が
波のような顔をして
手をふっていた
それから、 と言ったあとの
あのひとの声が
ノイズにのまれて、ちらちらと
散ってしまったので
....
電話たたむとくしゃって言うでしょ、くしゃって、きこえた?愛じゃないのよ?
複数のエスを忘れてあたしだけ あたしs チョコレートsssくらいいる
はじめてのひとってそれはひとだっ ....
はっぱをめくればなめくじ
みんなにきらわれて
しおをまかれたりする
おまえなめくじ
うまれてからずっと
からだじゅうでないている
おれだっておなじ
みんなにきらわれて ....
水たまり広がる波紋に耳すましきみのリズムでやってくる夏
砂浜に置いてきたもの捨てたものロケット花火と添い寝する夜
8月のリップカールのてっぺんで届きますよにぼくのメロ ....
来年
生活が楽になったら
猫を養子にしよう
そしたらもう少し
らしいままに居られる気がするよ
十万円貯金箱開けたら
新しい自転車も買ってあげる
今年でさよなら
さよなら ....
もう大人になった気がして二本足で立つことにした誕生日
「生命線を持って生まれたかった」スクラップされていくロボット
大福だと思って食べたら素甘だったという悲しみを背負う
....
君が眠っているうちに
パンが焼きあがったみたいです
お母さんはお父さんを呼び
小さな女の子はテーブルを手早く片付けて
髪を撫でてもらいました
君が眠っているうちに ....
ごめんね、わたしといるとつまんないよね
ほんとう、ごめんね
つかれるでしょう?わたしといると
だって・・・
なにしゃべっていいのか、わからないんだもん
だから、つまんない ....
手をつないで
深いところまで、いってしまった
引いてゆくまにまに
記憶の砂がすれあっては
かすかに音をたてる
ノートブックの波に
毎日つづった、日記
夕立ちをよけて、キスをして、 ....
「いただきM」
なにさアンタいただきますくらいちゃんといえないのかい
、とアニータは言う
日本人なのにアニータと名づけるような出鱈目な親が、23年前からいたということだ。この土地には。
「おい ....
夕闇に
かみひこうき
投げて
どこまで
飛んでいって
くれるのか
と
思い
を
馳せる
季節は春めいても
頬を撫でる風は
まだ
冷たい
ふと
隣に居な ....
本当は、こんな文章を書くべきではないのかもしれない。ましてやそれを発表するなどということは、絶対にしてはいけないことなのかもしれない。だが、時には書かなければいられないこともあるし、書かなければなら ....
また奥さんに怒れてしまった。
なぜ結婚後の女はこうも強くなってしまうのか。
俺が起きてすぐに酒を飲み出すのが悪いのか。
子供の世話を何もしないことが悪いのか。
悪いです・・ね。
俺は ....
色エンピツのセットを開けると
母さんは黒い色と並んでいつも一番長い
そして一番きれいだ
こんなきれいな母さんを使うわけにはいかないから
やっぱり母さんは一番長い
バカ男さあ、昔、母さ ....
モズクガニのことを考えながらパスタを食べる深夜のデニーズ
明日の朝何を食べようか、と手をつなぎ 春の屋上からダイブする
バスに乗り行ける所の限界は終点までと終点で気づく
....
虚無をまとって闇を隠せば
それは限りなく深い透明のように見える
あなたは
自分を見せることなく
優しさを浮かべた瞳で見つめる
僕は
その優しさの結晶に自分を映す
一つの優しさ ....
朝がじっとしていると
お昼が朝を食べてしまい
その食い滓がたくさんの花になる
たくさんの花に虫が寄ってきて
管をのばして蜜を吸っていると
いつの間にか虫はそれぞれ夕くれで
管のさきから
....
ぽたりぽたり
流れて
今日も何かが綺麗で
横になりながらそれらを並べては
少しずつつまみ食いをしていた。
君の尺度と私の尺度がちょっとずれていても
それくらいのことなら
問題ない ....
それはちょうどしんじゅのくびかざりのようで
よくみるとみんなちがってみえるひとつひとつが
それぞれのかがやきをはなっているふしぎと
うちけしあうことなくよりそっていられるあなたの
....
うおおおおおっ!
何か!今日の!バカ男!すごいよ!
すすすすすすすすっごーいよ!
エナジー?が?みなぎっている感じ!超!そんな!感じ!
発電所?っていうの?小豆島?っていうの?
がお ....
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