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今朝はメジロの歌声で起こされた
そのソプラノが心地良かった
たぶん桜の蜜を啜っているのだろう
ぼくは苦い珈琲が好きだから
きみとは仲良くできないかもしれないけれど
明日の朝も
その歌声 ....
きみがいない間
ぼくは代わりに
盆栽の水遣りをした
欅の古木に
きみは延寿という名を付け
大切に育てていた
細かな若葉を季節通りに芽吹かせ
今年も元気だよと
ぼくに告げた
....
きみの純潔は
透明な水晶のようで
とても傷つきやすかった
ぼくという毒薬を飲み込んでは
嘔吐を繰り返し
それでもぼくに優しさをくれた
十五年という歳月は白色矮星よりも重い
風 ....
季節変わりの花が
ぼくたちを祝福してくれた
ふたり手をつなぎ
ふたたびこの路を
歩きたい
子供のように石を蹴り
風に吹かれて
夢を話していたい
花びらは散っても
怖い ....
働いた手のひらをそっと見る
森を彷徨いうずくまる
{ルビ闇路=やみじ}の{ルビ褥=しとね}{ルビ花埋=はなうず}み
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