Ⅰ
うつろな瞳に透徹する秋気の約束。
驟雨を受ける唇の愁しみ――十月!
(鮮やかな{ルビ血色=ブラッドレッド}は落ち……)
一滴照り映える秋蝶の{ルビ微光=ひかり}、
ひそみまつ ....
雨が降り花は散りゆき葉桜に満開の時期ほんの一瞬
新年度始まり慌ただしい病棟色々変わる様々なこと
晴れた日は菜の花の黄色活き活きと健康的な想像させる
四連覇カープ優勝難しい?開幕戦は勝 ....
海の泡になって朦朧と夜を渡りたい
明け方を待っていたあの頃のようにうたた寝をしながら
海岸に打ち寄せられた残留物は思念波を発している
思い出を手繰り寄せてはみるものの
何もかも元には戻らな ....
罠にかかった小鳥を
まだ暗い空に放した
迷いのない姿にほっと胸をなでおろす
百のけものが
身体の中で溶けて通らなければ
どんな鳥も放せない
太陽が空を焼きはじめるのを
部屋の影から見 ....
時々
迷う時もある
しかし
迷い考えるから
気付くこともある
人生の道を
歩いている
さまざまに歩くが
ふりかえれば
一本道
時々
立ち止まり
世界や
自分を
見る
....
○「ジャニーズ性被害」
マスコミが
見てみぬふりをしていたとしたら
こちらも大変恥ずかしいことだ
○「飲んべえ」
酒が入れば入るほど
やさしくなるから
奥さんも止められない
○ ....
小さな山の動物ら谷保の巫女踊りつかれて溜め息笑顔
○「スイカ出金」
羽田空港からモノレールに乗るときに
入金した
面倒くさかったので一万円入金した
モノレールから山手線を乗り継いで
新宿まで行った
帰りも同じコースでスイカを使った
....
謎の荷車を引いて
着飾った馬がやってくる
出来立ての{ルビ宇宙=ビスケット}は、
遠く遥々夢の続きから
そよぐ秋風に
ミルクの匂いを薫らせて
村から村へと
せつなく甘い{ルビ宇宙=ビスケ ....
水管橋に降り注ぐ光
何がしたかったの
わたしの腕も指も
多分、人より短い
変わっていく時間は
変わり続けて
気がつけば
アパートばかりが
目立って増えていった
あなたを思 ....
風が吹けば時が進み
そして命も進む
全てが進むにつれて
風が汚れて重たくなった
人々は汚い風を拒み
世界に壁を作り
さらに風と空気を汚し続けた
やがて風は吹かず時は止まり
もう明日が見 ....
心の奥歯で氷を噛み砕きヒタスラ
貴女の声のヒビキ映り染み入る
この能動の意識という舞台に
貴女という根源の実感の何か何物か
(浮き立ち鮮やか漂うこの幾筋ものヒビキヒカリ)
わたし ....
○「空港トイレ」
若い女が出てきた
何かとても不機嫌な顔だった
まあ 愛想のない女だなあと思った
中へ入ると男性用の便器が見当たらない!
おかしいなあ?
と思って
上の掲示を見ると
....
藻いろの川に夕日がくぐると
透明がぼんやり
浮かびあがり
水は流れていたのだとわかる
落しものや誰か
生きてるもの生きてないものに
黒い影が時おりゆらめく
今はまだ気 ....
通り過ぎて
あなたの胸に
影になってから
はじめて言葉がきらめいた
海老蔓の秋 はじめから 記憶の形をして
夕暮時の
晴れた日の西の山の上の
空が蒼く透けた色をしている
死なないで、と
言ってくれた人の声を
思い出そうとした
けれど山は夜をむかえて
死なないで、と
言ってくれた人の思いは ....
メンヘラを馬鹿にする君あてみるともやしアオムシ貧相な顔
*
#メンヘラネット調べ
* 何らかの精神疾患を抱えている人や、抱えていると思われる人を指すネットスラング。特定の精神疾患を指 ....
キミと公園で
これ以上、人を好きになるのはよそう
そんな別れかたはやめて
公園をかるい足どり
コーヒー片手に横ぎる
服が脱ぎたいって
わたしは好きなのに
....
飛びこまないか
と貴方の声が 重かった
飛びこまなくたって
水面に 映った顔に見入るだけで
水底に横たわれる
と私の声が かわいていた
ときのすぎゆく早さは
相寄 ....
ありがとうを
何回言ってきただろうか
それでも言い足りないのは
感謝したい存在が
無数にあるから
大人になって分かったのは
この世は無常ということ
出会いや別れはともしびのように
儚く明滅する
ONとOFFをくり返す
愛していたことや恋しかったこと
心が含む砂利のような味で
恐れなく ....
この世界という
無意味を掴んだら
この無意味という
力動に包まれたら
次に行って生きて
欲はあっても執着はない
荒れほど在った
食欲も性欲ももはや囚われず
自由なる大海、恋愛 ....
おおきな
朝日を 笑いながら
数えきれない鳩が輪になって
時の繋がりが聴こえてくるような
羽根を打つほどうつくしい游び
壁にぶつかるんじゃないか
そしてそのまま吸いこまれ ....
高く濃くなる秋、きっとすぐ澄んで
晴れ渡るとして、なんともさみしい
夜の都市、煌びやかなネオンサイン
キレイだろうけど、中身はカラッポ
あゝやっぱり突き抜けよう
あゝやっぱり還ってい ....
凍りついた曇りぞらと
あをぐろく{ルビ執念=しうね}くうねる海の
きたぐに
確然としてくらいちからのくに
俺は心ひそかにきたぐにを愛し
乾燥した都市から遠く北方を ....
昼から雨が降るみたいなん
でもちゃんと
てるてるぼーず
つっといたし
今年の夏は本当に暑くて
公園にも行けなかったから
今夜の夏祭りだけは
出店がでるよ
絶対や
最近の出店は
....
曖昧な横顔秋の海
社会の腕力から逃れて逃れて秋めく
階下に運ぶ珈琲のように長い時間をこぼした
それぞれの孤独を持ち寄って孤独なままでいる
空が斜め渡り鳥
春の水蒸気は何処に行つたのか
この空は{ルビ禊=みそ}ぎするものの色
永訣の色
地上は百色さんざめき
めざましくもゆたかである
いちめんの輝かしき生存
疾風は田園の暮色をよ ....
消滅はせずに
只々平板になっていくもの
追いかけても追いかけても
追いつけない次元に
後ろ手付いて息を吐く
反復の内にあり変わる明度
記憶はあくまで凍結され
思い出したように不意にま ....
本当に
大切な
何かは
こころの奥に
あるのです
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