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秋風は蛙の詩(うた)を繰り返し
{ルビ露=つゆ}{ルビ露=つゆ}{ルビ露=つゆ}あとは反復
秋は無言で何も聞こえない
秋湿り関係は匂いのなかに
{ルビ紅葉=もみじ}記憶と{ルビ現在=いま}は同じもの
尊厳など ....
曖昧な横顔秋の海
社会の腕力から逃れて逃れて秋めく
階下に運ぶ珈琲のように長い時間をこぼした
それぞれの孤独を持ち寄って孤独なままでいる
空が斜め渡り鳥
昔から縷々とおんなじおはぎかな
秋の水夢は記憶を問い質す
初風や意識は速く存在は遅く
秋は存在の季節蚯蚓鳴く
インドネシアの少数言語送りまぜ
夕焼けが一瞬目を覚ます
秋めく何も変わっていない