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老婆の隣をただひたすら歩く
そんな仕事があった
老婆はたいへんに知恵のある人で
そのため一階のおじいさんにとても恨まれていた
老婆にはパトロンがいて
足回りの綺麗な車が
いつも停まっていた ....
昼から雨が降るみたいなん
でもちゃんと
てるてるぼーず
つっといたし
今年の夏は本当に暑くて
公園にも行けなかったから
今夜の夏祭りだけは
出店がでるよ
絶対や
最近の出店は
....
すって、はく
浅く、浅く、深く
浅く、
ふり向けば
いつか化石になる
踵へ
膝から、大腿骨、骨盤へ
はらへ
心臓から動脈へ
おおきくすって
ゆきわたるそのなかを
息が
駆け抜け ....
仮定された
塩化ナトリウムの潮解性と
マッチをする黄リン
炭素をはんだごてした
フラーレン
機能性と海底ケーブルと飛行機
仮定された二つの箱の中で
鏡合わせに崩壊する2匹の猫 ....
長い裳裾をひいて
夏が去り
あとに
秋がひっそりとやってくる
土間のすみで
地虫が鳴いている
つづれさせ やぶれさせ
背戸から
背中を押され
たどり着いた
土間で
地 ....
帰路は
新月にしずむやみのはし
こと座に一服
リリ、
(きこえた?
(ああ、きこえたよ
(鳴いてるのかな
(鳴いてるのかもしれないね
夏を野辺送りし秋がやってくる
猫 ....
いなくなった人へは
何も書けないから
妻へ
前略
草々
としたため
渡した手紙は
洗濯されて
入道雲の下に干してあった
立ち上がる
背伸びをした
その、もっと上に ....