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今朝
植物たちに水遣り中
衝撃が走る
私のサボテンが
土の上に倒れていた
唖然としていたら
「サボテンがコテン」
チラと見た夫が言う
西宮から一緒に越してき ....
紅い花のトーチライト
レイたちが泪を見失わないように
導くような毅然さと
燃え上がる儚さと
叶わなかった夢のレクイエム
薫りはあらずして
ひたむきに一斉に咲く
あれは冥府の王が憐れに想 ....
「開けてもうた…ネクロノミコン…
血ぃの匂いするインクで書かれてた契約書…
ページめくるたんびに目ぇの奥に何か這い上がってくる…
逃げられへん…逃げられへん…」
夜中の3時、路地裏のサ ....
たとえば、
洋上遥か昇る巨大な火球
たとえば 、
杉木立に囲まれ伸びる石畳
たとえば 、
揺れ動く草葉のささめき
朝に瞑目意識の内に現れ来る光景を抱えつ
日々深まり深める能動的なる ....
目覚める
と、
ここは深夜の密林
灯火に浮かぶダイニングバー
戦闘服のジェシカが店で
バナ・ナンカを刻む
よく切れる
薄刃包丁を手に、
ジェシカが正義を振り下ろす
....
熱をはなつ太陽の勇みつつ
南向きの居室で
網戸から吹きこむ風が
日焼けした畳をなぞっていく
座敷机の榊立てに生けられた榊は
光のかすかな痺れに
微睡みながら
忍 ....
「あなたの物質の闇を吹き飛ばしなさい。そうすれば霊に出会うから。
あなたの霊の闇を吹き飛ばしなさい。そうすれば神に出会うから」。
──サン・マルタン
....
どうして
そのいろに
したの
はなびらといきた
あのはるを
+
あめの
かどをまがる
どこまでもつづく
くらげいろの
みず
+
ふうとうから
なみおと ....
月のない夜に
小さな罪を 沢山着飾って
玉虫色の日傘を くるくる回して
ビルの屋上から 君は
ふわりふわり と降りてくるのだ
お嬢さん、御機いかが?
と、声をかければ 嬉しそうな顔で
....
白いおひげの モフ
びくびくと 世界に
だってさ 生まれたてだもの
わしゃわしゃと 撫でたら
モフモフと いじらしい
やわらかな黄金の モフ
わくわくと 景色を
あっ! あっちで花が ....
ああ春霞
それともかすみ目か
大切なのは自分のまぼろしだ
それが大きななにかを映し出した
鏡の砕けた欠片だとしても
預言者はまぼろし中で真実を見る
多くの人は現実にまぼろしを重ね ....
わたしたち 、
綿あめ食べながら
この世に在って
苦肉の策を練り続ける
けれど ぴゅるなん、
どれもこれもてんでばらばら
いったいどれを選べとやら
とっくに溶けてどろどろの
お口の ....
しごとの失たいを
星の運行とむすぶのは慣れている
傷を季節と分かちあう
古い知恵
深い疲れのおり
壁にかかった絵をみる
樹氷のある
白い湖の畔
南うまれのわたしが
みないかも ....
三輪車コロコロ転がして
ゆるやかな坂を下る道、
わづかに小石遊ばせて入る
梅林
手の届かない
白くかすんだ花
ちらつき始めた小雪が
桃色のカーディガンに降り
いつ ....
家の前のサボテン
その横に灰皿
細長くて軽い草
細く痩せてきれいな花
足取りを追うようにして歩く
痕跡を見つけれるように願う
月が光るなら太陽はいらない
写真には映らない炎がある ....
{引用=
夜の終わり、ねむり、やがて抱き合って半透明になりながら夜空へと浮遊してゆく存在たち、存在たち、灰色の雲の膜を張るように、あの輝く満月に一つになりながら覆いかぶさってゆく、覆いかぶさってゆく ....
流れ星にもそれぞれ名前が在って
それらには台風に女の名前を付けるのと
....
今日もしんと快晴なり 、
深々と到来するこの夜明けに
あちこちでボール投げ合う
あの子らの声 木霊して
置き忘れてきた時の狭間
宏大な奥行き只々広がり
既定の時の流れ凍結さ ....
茄子は火炙りの刑に処する
獅子唐はオマメに挟んでおけ
ああ、俺が見てやるから
1.5meter離れて見てやるから
人参は小指に切り落として 玉葱の皮一枚だけ ....
軽やかに繊維の浪の上を滑る
ぶウうぅんと唸りながら
僕が通ったあとはふんわりと浪が笑う
憂いを払い落としたように
さぁ、まとわりつくように
こびりついた君の埃を吸い取ってあげよう
初め ....
久しぶりに
馴染みの店に
掃き寄せられた
落ち葉の面々
互いの無事を
半ば涙目で喜びつつ
とりあえずハイボールで
万感をこめて乾杯する
真っ赤に出来上がるヤツ
いつまでも ....
昔もらった
ポケットティッシュが
引き出しから出て来た
あの頃はしあわせだったけど
今はそうでもない
ふと思ってスマホで
「しあわせ」を検索してみる
奈良時代は
為の文字の「為 ....
夢から夢に架けて羽ばたくときに、ちょっとの壁と扉をなくした出口は褪黄色の海が、いや世界が、フチだけ 描いてある光景で、今いるものがみちで届かない場所とすれば、水域はすこし背丈が高く、ここから下ってく ....
あなたはくちびるを固くとじて
わたしは
かみなりをきいていた
無人でない駅のひとごみ
ベンチに残る
前のひとの温度
夏 情欲とみまがうほど
はげしい雨が降って
わたしは乱雑な鞄のな ....
蹴られたこども
ふたりはどろまみれ
ひとりは白濁して
もうひとりは赤黒い
手をつないで
どこまでも走る
着ろ、差し出せ、選べ、脱げ
森では本が喋ってる
文字から孵った蝿たちが
鼓 ....
生まれた事が嫌だった
父はギャンブル狂で
女にもだらしなかった
雨漏りと床が抜けたあばら家に住み
幼稚園にも行けず
ろくに食べることもできなくて
何時も腹を空かせていた
学校では給食費も ....
私の頭の中のかわいい小虫
私の水たまりにぬれた太陽で游ぐ小虫
固い脳の幹がこんなにも目を詰んでは
住めなくなると申し訳なさそうな小虫たち
雷に撃たれた電信柱の記録
なんと ....
レタスがいのちをもっている。
わたしなんかより。
小さく千切られた彼のほうが
みずみずしく、麗しく、愛くるしく。
レタスにフォークを突き立てる。
ドレッシングの不純さが、
少しだけここ ....
眠りから醒めた夢が
空の中に溶けていく
名前も形も知っているのに
呼べないまま
その弱さでも
鳴らせるものが欲しかった
花が散る時に
ひらひらと聞こえるように
最後まで美しく
....
もうその土地は更地にして
地主さんへ返したそうですが
礼文の古い家 元は漁師の 父方の親戚の家には
ものすごく腰の曲がったおばあさんが
何年ものあいだ 一人で住んでおりました
私の母 ....
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