すべてのおすすめ
溶けない絵の具で描くように
毎日が色を重ねていく
とうに恥じらいをほどいた僕には
全ては取り乱す間も無く
宙の中に起きているようだ
それでも毎日は
すれ違い ....
たとえるならば
練炭の赤
たとえるならば
灯火の青
たとえるならば
えぐられた胸
たとえるならば
雨に満つ海
見つけてしまった
キャラメルの箱
その
ひぐらし
アコーディオンがたからもの
ヒトの喝采むさぼって
どこふく風のねなしぐさ
ゆらりと浮世をやりすごす
あれは
キリギリスとしんせきだったかねぇ
そ ....
アゲハのハネは夏の欠片
土の上にパリン 零れる小宇宙
落ちていたハネなんですけれど
日にさらされてか
ガラスのように かわいていて
リンプンは星屑しゃらんりん
本体は見あたらなくって
....
Tシャツの裾おもいっきりひっぱってさ 君を振り返らせるの すき。
子どものままの君がじゃれるの すき。
少しだけ残る夏の香りをさ 目を瞑ってかくにんするの すき。
カーテンの裾が揺れ ....
パーティーは散々だった
おやすみ、のあいさつの方角へと
だいだい色のシロップが
ゆっくりと流れて
しだいに
粘性を増してゆく、
夜の
水の底で ゆうべ、まき散らされて
わたし ....
寝顔だけは
どんなことをしても
取り繕えない
赤ん坊も
うら若き乙女も
お髭の立派な紳士だって
枕の上ではあどけない顔をして
お医者さんも社長さ ....
沸かしている。
こんな朝には、
カフェインが欲しい。
紅茶が飲みたい。
紅茶は飲めない。
願を懸けているから、
飲んではいけない。
だから、
珈琲を ....
私という曲線をなぞる
薄っぺらな影が
このまま溶けてしまわないように
望んではいけない
夜を越えてしまった
私ははしたない女ではなかったかしら
未練がましい女ではなかったかしら
....
聞こえるはずもない
花のつぼみがひらく音
それが優しい歌に聞こえて
蝶がちゅるりと
その花の蜜を吸うとき
それが優しい歌に聞こえるから
ぷーんと飛んできた蜂が
そ ....
陽は斜めに、
影は長く伸びる。
あの足跡まで、
もう少し。
ようやく影が、
足跡を捕まえた時。
旅人は、
部屋を出た後だった。
カーテン。
ふ ....
飛散したガラスの破片が
危ないものだなんて知らなかった
キラキラとひかって
みんながとても喜ぶだろうと
そう思ってた
僕は奈良公園で鹿の角をにぎっていた
同じころ
父は帰りの電車のつり革をにぎり
母はスーパーで安売りの大根をにぎり
妹はベッドの上で携帯電話をにぎっていた
隣の部屋の夫 ....
ねぇ、知らないうちに
ねぇ、正確なリズム
ねぇ、心臓も
ねぇ、わたしのからだ
海みたい
潮の満ち引き
お月様と一緒
28日周期で
満月のわたしは血だらけ
新月のわたしは眠 ....
花を差し出されたら
黙って口に含む
蜜を吸う
疑うという言葉は
知らないふりをしなくてはいけないルール
ねえ
毒って、甘いんだってね
*
追いかけられるの ....
わたしがいなくなって5分後の世界
相変わらず
交差点は混んでいて
ストップランプは
シンクロしてて
大型ビジョンが
めまぐるしく 変わって
新作モードは
ガラス ....
私は一度も死んだことがありません
だから、よく解らないのですが
静かに息を吸いながら
あなたの詩をゆっくりと読みました
ゆっくりと
もう一度と言う声にうながされ
残照の黄色の花に気 ....
羽音だと思ってたら
薄布のカーテンをふるわせて
飛びたいよう、と
窓が
泣いていた
わたしがあんまり
窓の目で
空を見るから
ガラスの表情は
いつのまにか、曇って
月の形に ....
夏の終わりの淀川の河川敷の芝生は
生臭いほどの濃い緑に染まっていて
月曜日だというのに
真っ昼間からビールを飲みながら
バーベキューなんかやっているロクデナシどもが
ロケット花火を打ち上げて ....
二つの海のことは 誰でもしっているはずなのだ
例外なく液体の飽和した皮膚の深部へ
浸透し 沈下し 腐臭となろう
腐臭は巡り 巡らせながら明滅している
素粒子の奥ではクオークが クオーク奥で ....
一冊の絵本のような生涯
浮遊するひとかけらの海
あれは君なんだろうか
思想のない森と夜の魚
そんな絵本だとしたら
月がちょうど半分 あとは少しの湿度
そんな海だとしたな ....
誰かに向けて言葉を発したい
出会ったこともないあなたに
わたしの愛するあの人じゃなく
詩人としての言葉より
わたし自身として語りたい
一方的に
あなたの言葉を聞きたいわけじゃない
....
人混みが嫌いです
だから何時も上を向いて歩く
沢山の人たちにぶつかって
毎日詫びてばかりいる
それでもあの青い空に
釘付けになってしまう僕は
何かが抜け落ちているのかな
何時か君に話 ....
三月から
止まったままの針さきを
ゆっくりとまわして合わせた
雨の朝に目を覚ませば
あなたは
まだ
白くあわたつ
菫のような朝
からだにおさまらない もじ
柔らかな葉が ....
静寂の海
咲いて波間に
ほの白い影を落とす月
寄せる波は
真夏の喧騒
返す波は
秋の訪れを
それぞれに伝えて
移ろう季節を人知れず
見送り
迎える
久遠の光は ....
自分を売る少女が
ドレスを脱ぎ暗い部屋で
見知らぬ男に奉仕します
笑顔で優しい口調で喋ります
心を捨て去って
時間に追われ窮屈だと
小さな暗がりで思うけれど
口にしてはいけません
....
例えば、ゆるゆる喉を下る
ぬるい水、ひとかたまり
心臓を掠めそうで掠めない
何処にも、何も、満ちない
真昼を怠りたくて怠る身体では
空ろまで無気力な
ほら、 ....
空が割れて
夏で満たされたプールで
泳いでいる
さかなのアンテナで
誰とも触れることなく、すり抜けて
泳いでいる
すれちがう誰もさようならをうたわない
体の中心がどこなのか
わ ....
僕は毎日心配事ばかりだよ
僕は毎日わからない事ばかりだよ
どうしようもないね
でも
君に会う時は
心が安らぐ
落ち着く
別れが惜しい
また会えるのに ....
大事にしてたコップ割ったの
牛乳おいしかった
おおきくて
だから音楽大音量
かなしみ
でかい音
だだだだだ
過ぎるの待ってる
息づかい
S、S、S、
....
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