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   1

水門の釣り人たちがいる
その長い長い棹を振りまわしながら
おのが鯉のぼりのように
まるで浮遊している
座布団の上に立っているかのようだ

   2

ついぞ一度も
 ....
燃えている、燃えている、それはいつだったか、砂利道。石炭を運搬する線路のレールで擦りむいた、街街からころげ落ち、ひとり おいてけぼりにされた。それはみなに追いつこうと自転車を必死に漕いでいた、市(まち .... 晴れわたっている
水色の空へと上昇してゆく
虹のシャボン玉
大きな瞳を
くりっとした
ななめうえを見つめている
半透明に澄みきった
カラコンは
そよ風をより確実に転送させるために装着し ....
俺はあした温泉に行くだろう
上司のどんな長い説教よりも耐えかねる
熱い湯とその沈黙を買いに
俺はあした温泉に行くだろう
事務所の背もたれとしてはまったく機能しない岩肌
そのまったく気づかいの ....
ほんとうに、
たいせつなものは、
かたちを、
とらない、
いつも、
うしなって、から、
はじめて、
たとえば、
じぶんの健康のかけがえのなさ、
のように、
まるで病室の白いカーテン ....
あなたと別れてから
わたしは今まで確かに生きてきた、
そんな当たり前の事実がより複雑に強調される


漠然としていたものが、
一気に眩い青空へと吹き飛ぶように
それは今や複雑な雲間にかが ....
子供の見る世界は
活発な栗鼠のように目まぐるしくて
全てが産まれたての星星のように瑞瑞しい
けれど
その月日の流れる公転の速度は
その身体のなかにある地軸の回転は
じつは樹木の成長のように ....
俺も彼と同じで
結構なヘビースモーカーなんだけどさ
どうにも最近
寒いせいかノドの調子が悪くてね
痩せ細った病人みたいに咳き込んでは
挙句にはコントみたいに声が裏返っちゃってさ
それがなん ....
(束の間のみじかい停車時間
(眠りというひとり無人の駅で
(いつも見るのは 過去の人たちのまぼろし まぼろし


社会から
宇宙(そら)へと飛び立つ
乗り継ぎの銀河鉄道へとこのまま一気に ....
厳しい冬の風が 吹きつけていた
冷たいアスファルトの道路に かなしく落ちていた
ちぎれてしまった その白い翼
捲れあがる 白紙のページのような
その ひとつひとつの羽毛


わたしは、あ ....
窮屈な革靴と黒い靴下を僕は脱ぎ捨てる。白い砂浜で白い素足になる欠勤。満ち溢れた創造性の海。喜ばしい陽の光と爽やかな風を肌いっぱいに浴びて、白い鴎の方向性。ワタシは白いワンピースを着た少女となって、平日 .... 跳びはねる
君のちいさな掌のくぼんだ池から


跳びはねる
その透明な小魚たちのまだ汚れていないが


跳びはねる
雲間からひろがってゆく青空と太陽にむかって


跳びはねる
 ....
何度も凍り付きそうになる。気の利いたゴムボールのように弾む会話をするということは、きわめて難しい。それは、僕たちにとって、お題を課せられて即興の詩を書くのと同じくらい難しい事のように思われた。(これが .... ちいさな、迷いの、
みえない、
硬い、戸惑いのプラスチックを、
決断の、とがらせた指さきで、
突きやぶって、
それから、送信の、まるで火災報知機のボタンを、
ほんとうに、
押してしまった ....
そんな、
ちいさないのちの、
いきていた、にさえも、
つめたいかぜはようしゃなく、
ふきつけるのです、
   ※


おだやかな風に吹かれて、
花のように、首を、傾ぐ、
どんな僕でも、
やわら かく、
包みこんで、しまい、そうな、
陽だまりのような、
あなたの、
いちまい、


 ....
その瞳のなかに
黒と茶色の毛並みをもつ
活発な
栗鼠でも飼っているのかな?
好奇心がつぎつぎに
樹から樹へと
跳ねまわっているよ
とてもかわいらしく
とても目まぐるしく


かが ....
君があまりにも傾いた樹木として
僕に近づいて来たように視えたものだから
君の大きな瞳の奥の
二三の星の連れ子を伴った
密かに見え隠れする
もう一つの月の貌を受けいれる
現実という測り知れな ....
えくぼ
笑顔を生む
笑顔のなかの
ふたつの支点
希望の
くぼみ


えくぼ
笑顔のほころび
ふたつの種子が
こぼれ落ちる
黄いろい
ひまわりの花がさく


えくぼ
笑 ....
冷蔵庫のなかで
さつま芋がつめたい晩秋の風に干からびていた
淡い色のゼリーのようなくちびるの夏は
もうとっくに賞味期限がきれていた
肩を抱きたい 肩を抱きたい、
麦わら帽子 夏のワンピース 黒髪
もてあます上唇を
さらにもてあます下唇が支えている
清楚な肉厚の均衡
開かれて不意にホワイトニング 鈴の音のようなホワイトニン ....
田中宏輔さんの本田憲嵩さんおすすめリスト(141)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
旧水門の星より- 本田憲嵩自由詩4*23-4-11
幣舞の星より- 本田憲嵩自由詩423-4-10
もう一つの地球(ほし)より- 本田憲嵩自由詩323-1-21
湯の星より- 本田憲嵩自由詩223-1-5
病室の星より- 本田憲嵩自由詩7*22-12-31
元カレです(再会の星より)- 本田憲嵩自由詩122-12-21
栗鼠の惑星より- 本田憲嵩自由詩722-12-17
JOKER- 本田憲嵩自由詩122-12-4
タイムマシーンにお願い(光速の彗星より)- 本田憲嵩自由詩422-11-27
隣人- 本田憲嵩自由詩321-12-13
欠勤- 本田憲嵩自由詩5*21-12-7
あまだれ- 本田憲嵩自由詩721-12-5
Ⅾソリューション- 本田憲嵩散文(批評 ...421-12-1
通報者- 本田憲嵩自由詩1321-11-24
あかとんぼ- 本田憲嵩自由詩321-11-18
玉葱- 本田憲嵩自由詩221-11-14
せかい- 本田憲嵩自由詩521-11-7
星星- 本田憲嵩自由詩1021-10-29
えくぼ- 本田憲嵩自由詩621-10-22
のこりもの- 本田憲嵩自由詩421-10-19
ワンピース- 本田憲嵩自由詩821-9-23

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