五年ほど前であろうか、私は銃を返納した。煩雑な更新手続きと、年に一度の警察の自宅検査。そして銃という凶器になり得る道具とその弾薬。それらの管理だけならまだしも、わずか三ヵ月の猟期と少ない獲物。それら ....  明日

空は雪と一緒に

枝は小さな蕾と一緒に

冬の指は
いつかの冬の指と一緒に

夜明けを待っている

 
 ピアノ

女の子が帰ったあとは必ず
ピアノの蓋が開いて ....
寝静まった夜の街に
爪先を立てて
誰かが弾いた
アルペジオの後を歩きたい

遠いと思った場所が
近くに感じるフレーズ

乗せてくれる車はないけど
星の間に落ちていく音がある

光 ....
{引用=「すべての月曜日は青い」}

Cerurean Blue Monday
{引用=セルリアンブルーの月曜日}

Cobalt Blue Monday
{引用=コバルトブルーの月曜日} ....
いつか死んでほしい人のための家路ほど
悲しいものもない雪夜でした
窓のあかりとうなるボイラ
湯をあびるひとの気配
耳なりのむこうのやわこい声
わたしは悪党だったから
全身が指先みたいにかじ ....
「{ルビ十全な膝="A n U t t e r k n e e"}」


「{ルビ強靭な尻尾="T o u g h t a i l"}」


「{ル ....
私だって持っている
人間の好きと嫌い

私だって
全否定出来ない
差別の意識と加えて偏見

私だって逆らえない
ケモノの欲求
ヒトでいながら
ヒトでなくなる本能

私だって苦し ....
ドラッグストアの駐車場で渋みのつよい緑茶を飲む
苦みが全身に滲みわたっていくのが分かる、まるで赦しの誘い水だ

兄にも、父にも、父性なるものたち皆にも
なぜだろう
謝罪したくてたまら ....
この扱いは不当だと
僕らは小さな胸を打ち鳴らし
大声で助けを呼ばわりたい

呼ばわってみた
自分が不当と悲惨の憂き目を見た
おお、ここにきて何が本当の不当か知る

あなたは不当を指摘で ....
ワンルームの視界に
日をくべる
爪先の怒号
息づかいで飯を炊く
大さじも小さじも
見間違いのないテーブルが
イマジンの頬を叩く


同じ世界を見ない遠さで
文字は「 ....
魂迄ずぶ濡れにされてしまうくらいの雨があがった

のっけから魂なんて書いてしまうなんて
我ながら恥ずかしい

天上では死者たちの霊魂が集まり
火を燃やし始めた
濡れた衣を乾かすためらしい ....
月の灯り陽の光り

誰もいない銀の馬車 

不幸など誰が予測できるだろう

誰も予測できないから不幸ではないのか

あの人たちも

傍らで見覚えのない家族が啜り泣いている

 ....
西大路五条のロームのイルミネーションが
クリスマスを飾る季節が来ると
僕らはいつも冷たい空気に
羽を震わせながら巣籠もりして
ローソンの食糧を買い貯めて
ぷるぷる震えながら
やがて来る春を ....
空に、
光るもの。
心がわなわなする。
詩がキラキラしている。まるで星砂のよう。
河原で拾った石は持ち帰ったらおにぎりだった。段々露骨にオゾンの匂いになっていく。
とても慎重に生きていてしま ....
壊れた想い、思い思いつなげた朝の
優しい雨
あびていく今日は宝物
とりとめもなくつぶやく
音符のように雨音は{ルビ弾=ひ}く
穏やかな憂い
憂い、嬉しい、目を伏せて
ふりむく、落ちる、涙 ....
色付いたリンゴの葉っぱに朝日が差していて、とても綺麗だった。収穫されたリンゴの実は軽トラックの荷台に載せられ、ちょうど農協の選果場へ運ばれて行くところだったらしい。勝手口に出て車の掃除をしていると、向 .... 眼下の川では子供たちが裸ではしゃぎ
遠く茶褐色の岩峰が冷たい灰色の空を背景に連なっている

僕はゆらゆら揺れる色褪せた肌色の廃棄バスの屋根の上
何とかバランスを取りながら何度も落ちかけ
終に ....
晩秋の古道を上り
辿り着いたのは
兵火で埋もれた廃寺近く
青い池がひっそりと
木立に囲まれて

残された伝説は
池の竜神さまから
祝いの膳椀を借りた者が
ある時 規範を怠り
きちん ....
月が死ぬ

日暮れから宵に沈む僅かな間

やがて消えていく

虫たちの声を聴いて

夜で夜を愛し

黒で黒を染めて

綺麗な歯を晒した後の

肌を覆う闇に浸る

冷たく ....
 
this is the capsule

which contains a raindrop

that fell only once on the moon
 
 
 
昨日の雨が水たまりのまま凍りついた海沿いの二車線は
曇り空の下で果てしなく寒々しく
わたしはブーツの滑り止めの具合を確かめてから
葬列の最後尾に着くみたいに歩いた
水平線は薄明りと虚無に飲 ....
僕の存在理由は nothing
君の存在理由も nothing

そう思っていた
僕の頭の空洞に 風は吹き 
風は滝のように体内の通路を下り
魂の器の底に渦巻けば
遠い記憶は……甦る 
 ....
バビロンまでは何マイル

ろうそくを灯して
行って帰ってこられるという
バビロンまでは何マイル

だがろうそくじゃない
禁断の火を灯せば
バビロンまでは瞬く間

行って帰ってこられ ....
ほしかった果実や花
手にした人を見ては
ほしがって、苦しんで
理想郷は遠く、悪態をつく間もなく
暇もなく隙きもなく埋めた感情
苦しみは、声にできない叫び上げて
誰にも知られないよう焼けただ ....
さてもさても
今宵も意味のないものを書いたか
と自問してみると
どこかから
そんなことはないよ
と聞こえてくる
耳鳴りだろうか
そうかそうか
捨て置け捨て置け
思いながらも

 ....
ちょっと寝ていたら一世紀遅刻してしまった

お詫びにキラリと星を掴む 光になる

星々は銀で出来ていて

地味だけど価値のあるものを燻銀なんて言うけど

地味だけど価値のない私は何にな ....
ニュートリノを一つ買った

こないだの事もあるから
今度は慎重だ
骨董屋によくその出処をきくと
そこまでいうならと
裏から鑑定書を引っ張ってきた

ほらご覧なさい
この通り小柴先生の ....
今日19号線を松本市へ向かい走っていたら、途中三匹のタヌキの死骸と出くわした。そのうち一匹は道路の真ん中でひどい死に方をしていた。自分の身の丈の三倍はあろうかという腸を、はげしく飛び出させていたのだ .... いっぴきの魚がキラッと
跳ねていく月の
一日には海辺が朱色に染まり
水平線で傾げる夕日に向かって
あなたへ告白の橋を掛ける

物語りが夜半の寝息に
幕を下ろた七日に
閉め忘れた扉をノッ ....
塵、芥の乱反射
煌めきとなり
尊き美しさが均一的に広がる

可視光線の散乱は
夕焼けの原因であり結果
遠い山の噴火は赤をより赤く
原始や古代に回帰を促す

人は終わりに絶えるものだけ ....
月夜乃海花さんのおすすめリスト(71)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
私は猟人だった- 山人散文(批評 ...5*22-1-6
冬の気圧配置は次第に緩むでしょう- そらの珊 ...自由詩12*22-1-5
delay- ミナト ...自由詩321-12-12
Every_Mondays_are_Blue- 墨晶自由詩8*21-2-1
雪と阿片- 平井容子自由詩821-1-16
概念Y- 墨晶自由詩1*20-12-23
私だって- こたきひ ...自由詩720-12-22
渋みの誘い水- 道草次郎自由詩220-12-4
豆腐の角に- りゅうさ ...自由詩220-12-2
Mask- 星 ゆり自由詩320-11-26
カラカラと風に回ってる- こたきひ ...自由詩620-11-26
Raman__(分光)- アラガイ ...自由詩16*20-11-24
この世の地獄上る天国下る悲しみ東入ル- TAT自由詩5*20-11-23
一番星・オメガΩ___その他- 道草次郎自由詩320-11-23
雨に歌う- トビラ自由詩3*20-11-23
リンゴを貰う- 道草次郎散文(批評 ...220-11-22
無垢と大地- ひだかた ...自由詩920-11-22
椀貸し伝説- もちはる自由詩5*20-11-22
黒について- おろはげ ...自由詩3*20-11-20
just_a_gift- 墨晶自由詩1*20-11-20
過去の歌、散らばる道- ホロウ・ ...自由詩5*20-11-19
life_for_a_reason- 服部 剛自由詩420-11-19
バビロンまでは瞬く間- 塔野夏子自由詩2*20-11-19
太陽が地の果てから昇る- トビラ自由詩4*20-11-19
あいわず_1- AB(な ...自由詩320-11-18
アルミニウム- おろはげ ...自由詩2*20-11-17
ニュートリノを買う- 道草次郎自由詩220-11-16
イマジネーション- 道草次郎散文(批評 ...320-11-15
十二月は踊るように繋ぎ、傾くように綴る- かんな自由詩220-11-15
幼き詩人- 秋也自由詩220-11-15

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