五月になれば 静かなものたちが風に揺れる
栞の挟んだ読みかけの本を開いてみる
わたしの記憶はそこでたちどまっている
色褪せた光の染みを読むように頁を捲る

その先を読むことも また
許され ....
かのん、は
「入院」がだいきらい

だから高熱で白目をむいて
こんなにも
「あつくてさむいよお」ってふるえているのに
「いきたくないの」って
ベッドから起き上がっておかあさんにしがみつく ....
俺は時計を持たない営業部員でつまり仕事ができない
もらい物の手帳に不明瞭な単語だけ書きつらねて
昼間を秋葉原で過ごし歌舞伎町に立ち寄ってとにかく帰ってくる
今日は何本のエロビデオを店に突っ込んだ ....
春が
わたしの中に入ると
増えます
やがて溢れ出して
玄関では靴が
遊びたそうにしています
いま、右手首がひじょーに痛い。うちの飼い猫の血膿をふきとろうとしたら、ズタズタに深くひっかかれた。場所が場所だし、猫の爪は鋭くてカミソリみたいなものだから、自分で見てもリスカの傷に見える。おもしろがっ .... 今日の空は
雲ひとつない晴天
なのに
世界の人の中には
暗い影を心に持つ人がいて
せっかくの
満開に咲いた桜の木にも
吹きつける春のそよ風にも
目をくれずに佇んでいる
もったいないよ ....
ビルの谷間に
あなたの影が忍び込み始めると,
夜は街を装い
ヘッドライトの灯りが
チラホラ
チラホラ
ワインの赤を
耳元で語るのだ
雨模様の春先の
闇に溶け出した起重機が
密かに企 ....
今日、引越しの前に最後の高校訪問をしました。
朝の10時に学校について、後輩とおしゃべりをして、そのまま川西へ。
後輩とほんの少しの間お茶をして、彼女は塾へ、ボクはまた学校へ戻った。
友達との約 ....
4本の弦を見つめるあなたの写真を見つめる4人の仲間たち せーの。で言ったアナタの答えが
アタシの欲しいモノじゃ無くても
遠くに居るから大丈夫
あはは。笑うと胸の奥がちょっと湿る
大丈夫。電話だから
見えなくてヨカッタて、溜息の時のが
アタシ少し ....
人間の一生を季節に例えられるとしたら
いや
これは何万回と昔から繰り返された
ツマラナイ屁理屈やら感傷のようなモノの延長なので
聞き流してもらっても一切構わないんだけど
人間の一生が
キミ ....
もしか キミは 一歩を 踏み出そうとしたくて
そんで そん時も まだ隣いて
ボクはバカみたく つまんナイことで 大笑いで
そんな キミに気付かないなんてしてさ
したら きっと 違う場所に立つね ....
家の間に間に沈む,うすら赤い月よ
発酵よ
若きオイディプスのため息よ
残光よ
名残のみとどめる冬の冷気よ
お前の移り香よ

一つの歴史となるか
二つ目の笑い話となるか
悲哀は,ただそ ....
ボクは、12年間、入院しました。
病院は、いろんなことのある場所です。
亡くなる方もいれば、元気に退院していく方もいる。
何人の人を、ボクは見送ったのでしょうか。
何人の人の、冥福を祈ったので ....
ダンスに浮かれて
青い悲しみを散らそう

輝く風に身をまかせて
凍える心を暖めよう

君が言った「限りなく闇に近い箱」を
見つけたときには
君の汗のにおいと
閉めきったカーテンだけが ....
白状いたします。

あの日,人間の脳味噌の細胞の小さな塊を,口に入れたのは,
私でございます。
ああ,そのように引かれなくても。
そのように,犯罪者のように遠巻きにするのは,
やめて下さい ....
拳銃と あたくしが (  )を吹きますが どちらで?

 本日のおしながき
     火
     ラメ
     六甲のおいしい水




抱き合っても 座ってても わたしたち棒 ....
土の上にあったのは
一冊の聖書と
こぢんまりとしたソフトクリームだ
これをみていると
むかし好きだった絵本の
ライオンをおもいだす。
王さまなんだけど
ソフトクリームに憧れるあまり国をと ....
産婦人科から出てきたみえこが                                
あっけらかんと言った                          
「二ヶ月のなかばだって」   ....
統制され た
        で。
微塵こ
   桐箱の中の 倦怠
ほう ほう
     理解室の青い髭

 他人の心たぁ 心たぁ

          西日
        茹デ ....
もう何年もおまえをまっている。
とてつもないながい時間がすぎて、   
過熱した脳がすうっと凍結する。
雨のはげしくふる朝、ぬれねずみのおまえがやってきて、

にっこりわらう。ラオスとの ....
懐中電灯もって、
おしいれの中。
お気に入りのコイツも一緒に、
おしいれの中。
宇宙ってたぶん、こんな感じ。
たくさんの人に殴られて
ボロボロにされて
落とされたあの日の事を

どうか夢だと思いたい

たくさんの人に傷つけられ
ボロボロにされて
壊されたあの日の事は

夢だったって思いたい ....
赤い 忌憚 の
ただ 中 を

棘 成る 不知火
喰 すすり

龍 の 大王
なま山 覚まし

海里 マグマ
の血に消える

裂ける 白花
破る 異質夜

ほ ....
あなたの肩にもたれかかって
うずくまる

あなたより先に眠ってしまいたいんだ
単なる鞄みたいに
私を抱きかかえて
いつまでも明日の会議の書類
読んでていいからさ

さしあたって
私 ....
北風が かたく きつく しめつけてしまえば
少しは私も落ち着くだろう
冬の空から放たれる薄い陽射しの中で
動かない空を見つめていた

冬の空には何かがある
いじらしく思わせる何かがある
 ....
新年に私達は塩サウナで再会した
おおきな塩壷を囲んで
相も変わらずくだらない話をしていた

この塩肌がツルツルになるんだって
へぇ 田舎は乾燥しているよ
帰ってきたら髪はパサパサ
あんた ....
これより恋愛解決委員会を始めます
今日の議題は
どうにもならない空間に生まれてしまった想いの解決方法です
意見のある方は手を挙げてください

「そもそも恋というものはどんなものなの?」
「 ....
月が青いのは
自分がロマンチックだからではなく
痛いと泣くこともなく
誰かと話すこともなく
ただ自分に戻るからだ

看護婦さんのピンクの衣装と
姪の持ってきた黄色いバナナで
ときどき外 ....
ゆうべ あなたとお酒を飲んだ
ブランコ通りにあるマギー・メイというバーで
このバーに私は一度だけ来た事があった

あなたは久しぶりに来たという

長い髪を束ねたバーテンの女性
凛とした立 ....
多々田 駄陀さんのおすすめリスト(105)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
メイ/ソネット- tonpekep自由詩7*05-4-29
『かのん、の、「入院」』- 川村 透未詩・独白30*05-3-13
(自己紹介のかわりに)- 古溝真一 ...未詩・独白3504-11-4
童話(春)- たもつ自由詩1604-7-17
外に出て行くためのリスカ- 佐々宝砂散文(批評 ...27*04-5-11
In_the_spring...- Lily of the ...自由詩17*04-4-12
春・夜・雨- do_pi_can未詩・独白404-4-7
最初で最後の握手。。。- Lily of the ...散文(批評 ...4*04-3-25
いかりや長介- ミサイル ...自由詩1204-3-24
二人のリコーダーがドナドナを奏でるように- yozo自由詩304-3-9
少しの距離- yozo自由詩104-3-9
いィ〜チ- yozo自由詩204-3-9
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12年間の入院と、高校生活を振り返って。。。(長いので暇つぶ ...- Lily of the ...散文(批評 ...6*04-3-4
ふうりん- 香澄 海自由詩504-2-12
ブレイン・イーター- do_pi_can散文(批評 ...404-2-11
本日のランチ- 山内緋呂 ...未詩・独白3*04-2-9
ソフトクリームにまとわりつく- かなりや自由詩104-2-1
産婦人科から出てきたみえこが- よねたみ ...自由詩1504-1-19
ガガ詩#01- 中村トク ...自由詩204-1-17
タレー_5- 狸亭自由詩204-1-13
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- 海美自由詩104-1-6
壊_笛- 砂木自由詩5*04-1-4
添い寝- 野島せり ...自由詩104-1-4
北風が_かたく_きつく_しめつけてしまえば- 野島せり ...自由詩604-1-3
塩サウナ- 野島せり ...未詩・独白104-1-3
恋愛解決委員会- 野島せり ...未詩・独白103-12-31
瞼閉じて病床- 山内緋呂 ...自由詩3*03-12-30
マギー・メイ- 野島せり ...未詩・独白4*03-12-29

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