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七時から九時まで続くラブコール
詩の書き出しはいつも九時から
幾つもの夢を語らうラブコール
時間が全然いつも足りない
ままごとの現に気づかぬラブコール
....
彼女はネット上に無数の糸を張り巡らせる
あとは待つだけ
男が引っ掛かるのを
またもや男が引っ掛かった
今度の男は上等そうだ
彼女は舌嘗めずりしながら
ほくそ笑む
どう調理しよ ....
コナン君の決めセリフは
「真実はいつも一つ」だ
私はそうは思わない
事実はいつだって一つでも
それぞれの側にそれぞれの真実がある
その場所は
晩秋でかなり寒かったのだが
蚊がブンブンと勢い良く飛び回り
木槿が満開で
{ルビ秋桜=コスモス}も乱れ咲いていた
ロストワールドに紛れ込んだみたい
その不思議な空間で流 ....
太陽を失い 自ら凍りつく 祈り続けて灯火を点そう
哭くまいと踏ん張るこころを解放し いいよ わたしは哭きたいだけ哭く
唱名を行う時
ひとりの声に二人重なり
二人の声に
多くの声が重なっていくのが好きでした
男女混声の唱名は
本当に、とても美しく
空気を貫いて真っ直ぐに
宇宙にまで届いているという確信 ....
電話口 とおくに聴こえる君の聲 他人なんだと 冷たい口調
愛してる 何を言ってもとどかない あなたのこころは あのひとのもの
なにもかも 奪う気ですか せめてもの 最後の情け 私に ....
新しい下着
新しい靴を履いて行ったあなたは
もう
この家に戻る気はない
蝉の脱け殻のように
全てを脱いで
新しい身体に生まれ変わって
生きて行く
その日は朝から晴れるだろう
神々しい耀きが沈もうとする刻
それは始まる
暁く染まった静くが 一雫
茜く沈んだ沈黙が 一雫
赫く咲いた聲なき聲が 一雫
朱く霞んだ無言が 一雫
....
夜の帳を漂いながら
時の灯りが揺れるのをじっと視ている
紫煙の向こうに浮かび上がる幻は
優しく誘う
ゆっくり両腕をしならせ
白い鳥になって翔んで逝きたい
反らした上半身の柔らか ....