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眩しい
イチョウの葉が、金色に
雨のように舞って、舞って
そのなかに入れずに ただ
見惚れていた から 憧れて
手を伸ばす

いったいなんなのでしょうか

金色に降りしきるイチョウの ....
今晩はメンチカツとかぼちゃの煮物

腎臓の弱いあなたのために
塩分に気をつかって調理した
いつかのメンチカツとかぼちゃの煮物

思いっきり味の濃い
今晩のメンチカツとかぼちゃの煮物

 ....
ある朝、わたしは透明になった。
世界は膝を抱えて仰いだ青空であり
そこへとあらゆるものは落下していた。
それは重力という現象ではなく
存在という重心へと還っていく風景だった。

この風と岩 ....
雨上がりの午後、この街の空は
どこまでも行けるように青かった
アスファルトの窪みでは水たまりが
信号のいらない雲の往来を映している

あそこに飛び込んでしまおうか
革靴なんか脱ぎ捨てて ....
人の息と
息の間で
僕は
息をした

僕の息と
人の息の間で
君は息をした

僕の息と
君の息の間に
朝はあった
毎朝
朝があった

生きていれば良いこともあるさ ....
 その人は
 肉うどんだった
 
 いつも
 
 どんなに
 美しい
 品々が
 お品書きを
 彩っていたとしても
 頑なに
 力こぶよりも
 頑なに
 
 磨き忘れられて ....
踏みあった影はうねりを繰りかえし
大蛇のようにわたしを睨めている
これが雑踏という生物だ

身を縮めて隠れるほかない
だが一歩たりとも動かぬように

語ることを好まなかった父は
静かな ....
この夏に北アメリカから来たバックパッカーの女と友人が意気投合して数日を共に過ごした。
駅前の英会話教室に通う友人にとっては願ったりの相手だ。

三人でしこたま酒を呑み、そのまま友人宅で寝た日の朝 ....
宇宙が生まれてからあっという間の
この夏
待っていた風がようやく
畳を撫でた

りーん
ちりーん

光の速さでピントを合わせる
この夏
皺だらけになった母の喉元が
麦 ....
綺麗にしてたつもりなのに
悲しみの中に蜘蛛が湧いた

わたしは掃除機をかけた
ただ、黙って、掃除機をかけた
蝸牛
ひとつふたつと
数えつつ
昨日の
夢へ降り来る光

九品寺より材木座に向かい
ほどなく波が見えて
もう秋のにおい

天道虫
ふたつみっつと
数えつつ
明日の
夢へと還 ....
玄関は男女の冬物のコートでいっぱいだった
ぼくは小間使いにコートを渡すとネクタイの結び目を直した
客間からはテンポの速いピアノ独奏音が響いている
爪先立ちで足音を忍ばせながらぼくはドアを開けた
 ....
いまはすべてのきみの時間が追憶となった
岸辺に鳴るのは水音か、山鳩か
梢をわたる空の風

爽やかな驟雨が降っている寂しい初夏の日
窓を閉めなければならなかった
雨が窓枠を内、寄木造の床と肘 ....
チテ・トテ・チテ・トテ
ちいさな、
黒い足跡が。
チテ・トテ・トトトテ・トテチテトトト……

ほら、翠のはらが
どこまでもどこまでもひろがって
風に揺れている
草は目を射るように揺れて ....
三日前から、とある乙女の目のまえで

ユニコーンの角を
風が撫でていたのでしょうか。

その風がわたしに届いてくれたころ

吹きさらされた
こころの扉を叩く音が聴こえます。


 ....
チャリのストッパーを跳ね上げた音が
八月の折り目に
鋭めに響いて
バイバイした


終わりが始まりに触れようとして、外側を内側に折り込み
内側を外側に折り返して発達する八月に沿って
 ....
あたしが
まだ赤ちゃんだった頃
産んでくれたかあさんの乳房は
あたたかい海のようだった

あたしが
まだ赤ちゃんだった頃
とうさんは
ただの一人の男の人だった

あたしがまだ赤ちゃ ....
 流れ星
 ひとしずく
 ほほを伝わり
 落ちてった
 鈍い光
 ちかりと
 咲いて
 掌の上

 どん
 ぴっちゃん

 流れ星
 ひとしずく
 爆ぜて
 飛び散り
 ....
日曜日、忘れないように。

天使の羽より軽いエアコンの風を
貰って来たのです。

さんまんきゅうせんはっぴゃくえん。

でした。

それでも、心は、冷えません。

憎しみばか ....
買っておいた胡瓜と茄子に割り箸をさして
精霊馬をつくり
朝の玄関に置いた

いつからなのか
サンダルの隙間に
しろい腹をみせてころがる
蝉の死骸を拾い
リウマチの指を思い出す

 ....
君の幸せは、もう、静かな心臓へ帰るといい。

夜間飛行のともしびが、
寒い砂漠の夜空に灯るといい。

君の笑顔は、もう、私の部屋から出て行けばいい。

そこで砂漠の闇のような心と ....
光が渦巻いていた
熱風が絶えず吹いていた
人々は絶えず歩き過ぎ
俺は串カツ屋の前で
アイスコーヒーを飲んでいた
とても苦い味がした
身体が熱く飢えていた
生きることに飢えていた

す ....
空があり風があり
時は世界樹をかけのぼって
あしたへとながれてゆく

だれかが小ちゃなブルースを
奏でているような気がしてでもそれは

ぼくの知らない紫の小花の群れだった

月への梯 ....
死角がない人を全能という
視覚がない人を盲人という
月の裏側に着陸した資格を
死角はそれで狭まったのか
視覚の拡張現実が伸びたと
月に尋ねて見るきはあるか

四角く仕切られた ....
思い出の欠片も落ちてはいない
生まれて初めての南の島
君はそこで何を探したのだろう

たなびく細長い雲に薄くスライスされながら
溶岩のような輝きを溢れさせ沈んでいく
座間味の濃い夕陽
崖 ....
あかやあ きいやあ きんいろやあ

愛を暗示されれば
とは、なんだ、とは、なんだよ おい だれか、

あつい、朱金の星が宿る
遠吠えを、したらいいわね
韻がおしまいになる前に まだいるの ....
遠い落日から潮騒はやってくる
零れおちた輝きは
海硝子にはなれない貝殻たち
のこるものは夜光貝の
幻というかそけき冷たさ
空の螺旋のうちに響いている
遠のくということは淋しい
それは砂を ....
いしを抱いて夜を
ひたす 
そして そめられていく
呼吸を ほのかに名付けて
あなたはうまれたのでした
ちぎれるように 風をおこして


春だとか夏だとか
うんざりするような ....
誰かに訊きたかった

がぶりがぶりと食べ尽くし、飲みほしてしまいたいことがあった

母はグレーの装いをしている
冷たいものがすべて雨の温もりに溶かされている
雨空をコーヒーに映して言い訳を ....
置き去りにされた筆は
黴びて、いいにおいを放ち

窓の隙間から吹き込んでくる青空は
甘く舌に転がりこんでくる
永遠を誓うように

誓われた永遠はキャンパスの上で
苦しみにのたうち回り
 ....
帆場蔵人さんの自由詩おすすめリスト(319)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
金色の額縁- 田中修子自由詩119-10-5
メンチカツとかぼちゃの煮物- 印あかり自由詩1019-9-30
落下と膨張- 新染因循自由詩419-9-28
青にやられて- 新染因循自由詩4*19-9-14
毎朝- たもつ自由詩14+19-9-13
肉うどん- 北村 守 ...自由詩319-9-10
おびえる- 新染因循自由詩419-9-8
北アメリカから来た女- 末下りょ ...自由詩10*19-8-27
風鈴- 自由詩17*19-8-25
悲しみの中に- 印あかり自由詩12*19-8-24
夕立、止んで- AB(な ...自由詩819-8-23
響き- パウロ自由詩219-8-20
ピアノ- パウロ自由詩219-8-20
翠のはら- 田中修子自由詩219-8-20
ユニコーン- 立見春香自由詩519-8-19
八月の折り目- 末下りょ ...自由詩8*19-8-17
夜明けがくる前に- こたきひ ...自由詩819-8-16
流れ星- 北村 守 ...自由詩119-8-15
お買いもの- 立見春香自由詩1119-8-14
- 末下りょ ...自由詩9*19-8-13
砂漠のともしび- 秋葉竹自由詩1419-8-12
光の星- ひだかた ...自由詩12*19-8-5
8月のうた- 梅昆布茶自由詩1719-8-4
まるでシカク- るるりら自由詩3*19-8-4
南の島で君は- Lucy自由詩12*19-8-3
- 田中修子自由詩719-8-3
遠のくということ- 新染因循自由詩719-8-2
石のおんな- すいせい自由詩7*19-8-1
- 渚鳥自由詩2*19-8-1
置き去りにされた筆の言葉- 印あかり自由詩1119-7-28

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