すべてのおすすめ
僕のちいさな時間をかえしてほしいんだ
双眼望遠鏡に閉じ込められたほんの僅かな視差を
星雲の光年には追いつけやしないけれど
僕たちは自分のひかりの速度をもっている
パラダイスには遠いが自 ....
宇宙の武勇伝に気をとられて
鰻と共に忘れる何か
稲穂を渡り行く風
極暑が緩んだ夕暮れ
遠花火の記憶の重なり
ジミーでも思い出せない
ルーチンワーク
差の女がつい視界に入る
レジは半ズボ ....
わたしを壊してとお願いすると
あなたはもうとっくに壊れている、と耳を噛むのね
ひもじくてひざこぞうのカサブタを
食べた記憶をくちづけたら
眉をしかめて吐き出さないで
わたしそのものを
....
更年期だからもう卒業させて、と嫁さんに言われた。摩擦で粘膜が痛くなって耐えられないの。
それがセックスを拒む理由だった。
突然の卒業宣言に私は戸惑った。
男の性欲は簡単には終了日を迎えられない。 ....
おとうさん
おとうさん
ね、なぜ泣くの
わたし 涙も出ないで
ゴミを見るような
凍える目をしていた という
金色の夕日が差し込んで
葉っぱが
秋色に染め上げられていく
一 ....
この地球が何一つ前兆を現さずに
突然
引力の全てを失ってしまった
あってはならない事態が起きてしまった
もはや地面にへばりついていられなくなって
宇宙に飛散していく有り様に
全人類を代 ....
今、息をしている命
今、感じている命
今、考えている命
今、悩んでいる命
それぞれが、
今、命の鼓動を感じて
生きている。
命が今を生きている。
命が今を生きている。
見栄張 ....
いまおもえば
恋人だったようなひとに
レイプされていて
いたくていたくて
ともだちのなまえをさけんだら
もっと興奮させろと
はたかれるのだった
腕は血まみれになって心臓が痛いのだった ....
もうちょっで物語は完結するから、舞台の前から席を立たないで欲しい。
あまりの悲劇の連続に笑いが起きてしまいそうだった。でも最後は泣けてくるから期待して下さいね。
どんなに長丁場の物語にも必ず終わり ....
素手でごしごし食器を
洗うようになった
ゴム手袋は着用せぬようになり
ゴム長靴はタクシー会社に
置いて来た
だって私は毒殺犯ではないのだから
湯呑やピペットは要らない
赤痢が猛威を振るっ ....
いちゃいけない人が
ここにいるでしょ?
あたしのことだよ、もちのろん。
ダメなのに、
こんなところにいちゃ、
嫌われるのに。
わかっていても、
どうしても
逃 ....
「錯乱」
しをかくひとは
胸や、胴体に肢体、に
まっくらな、まっくらな
あなが、ありまして
のぞきこむのが
すきなのです
のぞくとき、
のぞきかえされていて、
くらいあなから ....
俺は老人。若者には戻れないんだ。
俺は老人だけどまたまだバリバリ。あっちも元気一杯、現役なのに世間は引退勧告。年寄りはみっともないから「慎みなさい」と決め付ける。
たまったもんじゃない。貯まってし ....
{引用=悪徳商法}
架空請求書が送られて来た
金額は自分で書き込むようになっている
魂の値段と 生の負債総額
その差額を生きている間に振り込めと言う
この後なに一つ善行をする予定はない
....
創造の小箱がきみの中にあるんだ
しこたまきらめきをため込んだ素敵なやつだ
誰にもさわれない特別な意匠がたくさん隠されている
想像の炎はときにきみを炙りあげるかもしれない
それでもそれを消さ ....
何度も言いかけてはやめてしまっていたあのことを
ついに言う時が来た
あなたは苦しむ能力に長けていて
同情を必要とせず
目は見開いて何かを言おうとする
道端に咲く語る草
肩をノックし ....
少しはましになってきた
入れ食いもある
消滅の魔法は封じ込められたが
詩魔法は健在で
腕に予審判事が絡みついて来ても
泡で撃退できる
治る目途は立ったのだ
白い巨塔が私にクスノキを切らせ ....
覚悟は何もできていない。
いっぼ一歩忍び寄って来ているに違いないが
覚悟は何もできていないんだ。
如何に老いても生への執着は剥がれて落ちないし
性への執着もまだ並大抵ではないのに
更年期 ....
美しい桜は子供たちだ
しかしカメラのメモリーには
扉ばかりが写って居て
警察を呆れさせる
俺の胸の皮膚が突き破られたのだ
二回も破談になるお見合いに
猫もあきれたのだ
昔とは違う
たっ ....
家族はバラバラになって
欠けていくもの
家族の歴史は
その過程
時間は駆け足で過ぎて去るから
それに合わせて駆け足で離ればなれになってしまった
がらんとした家の
壁の日捲りの ....
アップデートに本体が耐えるかどうかが心配なんだが
そんなに最新のVer.でいきてゆける訳ではないんだ
情報格差とは素敵すぎる造語で仕掛けられた欺瞞なんだろう
いつも調整しながら生きている老体 ....
つむじまがりのへそまがり
ろくろっくびのしんせきか
すっぴんびじんはどこにいる
夜盗のはびこるこのまちで
つけまとフェイクでまどわして
やっぱりあなたはいいおんな
ついでといっ ....
いつくしみを
ぼくに いつくしむこころを
ひとの知の火がなげこまれた
焼け野が原にも
ひとの予期よりうんとはやく
みどりが咲いたことを
アインシュタインはおどけながら呻いている
....
とても大切なことをわすれて
とても大好きなひとをわすれて
それでも生きている
あたえられた課題を
こなせない生徒のように
やっぱり不器用でふまじめで
廊下のすみにたたされているんだ ....
きみのかあさんになりたい
お洋服を手縫いしたり
陽に透けるきれいなゼリーをつくったり
おひざにだっこして絵本を読んだりする
いつも子育てのことで
はらはらと気をもんでいる
きみのとうさ ....
解放の日の記念にミネストローネをつくりたかったんだ
なにからの解放だってきかれても
僕にもよくわからないんだが
とにかく野菜は自然主義者で
そのおだやかな主張を胃袋におさめたならば ....
私が知りたいのは常に一つのこと
あなたが哀しみを哀しむとき
遠いどこかで雨はブルース
青い道に波が響いて
ぬぐう頬にはあかねさす
ライトは一定の冷たさで照らす
誰かの血を
誰かの非を
....
タイトでスリムなロックも好きだ
小口切りでほろほろとしたねぎのような
軋轢がないように
段差もないように
僕たちはいつも童話を読んでいる
革命を夢みることもなく
ただの日常 ....
to belong to
ということばのひびきはあこがれだ
(父のキングス・イングリッシュはほんとうにうつくしい)
遠い、遠い
名も知らぬ
国を想うように
to belong toをく ....
とっておきのあさの光が
僕を縛る時間
誰も所有できない
ふみこめないさんくちゅあり
貧しいどうしのペアが家族なのかわからないままに
半年をへて風化してゆく朝の価値とは無関係な
....
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