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川は切り立った山肌に沿って流れていた。
夏になると近隣の子供らが集まって水遊びした。炎天の空の下。子供らの歓声が山あいにこだまする。
山肌から突き出た岩の周りはかなり深くて、自然とその辺りが子 ....
拍手も喝采もなく
ただ過ぎていく日々
日常の暖炉に火はなくて
冷めていく体温
暖炉に火が欲しい
見えないものも温めたくて
最初の出会いは
最期の別れに繋がり
その間に
蔦のよ ....
茄子の煮浸しではないけれど
この星に入り浸っている
それが何の因果応報かはわからないけれど
人間が
人が
ヒトが
そして私が生きている実体
生きている正体
ヒトの煮浸しは
美 ....
詩は朝食前に書いている
夜が明けない前に起き出して
詩は出勤前に書き上げる
汚れた水を絞り出すみたいに
私が私であるためには
どうしても詩が必要だ
理由はわからない
たとえ解 ....
電信柱と電信柱を繋ぐ電線の上に
天使が羽を休めている
天使を数える場合
鳥同様に羽がはえているから
一羽二羽と数え始めたが
途中で断念した
数えきれない
電線が重みで垂れ下がる
....
昔からパジャマを着た事がない
寝る時は冬場でも下着だけ
それでも
夜中に悪い夢に魘されて
はっと目が覚めた時は大概冷たい汗をかいている
そんな時はなぜかオシッコも満タンになっていたりして
....
たとえ愛情の持ち合わせがすっからかんでも
財布に現金とカードが入っていれば
ウキウキ気分
それが程度の低い人生だと言うなら
高い人生って何だよ
俺だって金に困っていなければ
美味いもの ....
誰かが誰かを呼んでいる
しきりに名前を呼んでいる
しかし
その声は辺りの喧騒にかき消されて
落日の空の彼方に吸い込まれてしまう
なにも知らない子供らは
何者かに
何処かわからない遠く ....
目を離した隙に
幼い子供は大人になってしまい
取り返しのつかない歳月は
アルバムの中に閉じられた
明日へとかかる橋の欄干に寄りかかって
遠くに見える昨日の夕陽は
泪に霞んでしまう
....
地球儀を回して世界一周し少年はもう老いてしまった
そっと咲く花より花壇のなかに咲き競いあいたい女でいたい
人混みの人の匂いを避けたくて空いた電車を待ち続けてる
肌に薔薇彫っているのに ....
化粧をしない女と
化粧をする女
口紅を塗らない女の唇は渇くばかりで
あったかもしれない
口紅を塗る女の唇は艶やかに濡れていたに違いない
朝
彼が目を覚ましたのは誰かの足音が耳障りだ ....
人間
生きている間は生身
時には本能に逆らえなくなって
欲望に従順になるさ
男と女
女と男
たとえ愛し合ってなくても
一つ屋根の下に暮らしてしまう事はあるだろうよ
一つ屋根の下 ....
食材と生活用品。
まとめては買わないから日々近所のスーパーマーケットに行く
私は詩人の真似事している。それはどこまでも真似事であって本物にはなり得ない。
私の妻は詩に興味もかんしんの欠片も見 ....
ある日
休日でした
朝から無性に海を見たくなってしまい
妻を誘い、まだ小さかった二人の娘も車に乗せて
一路海に向かって走りました
天気は晴れでしたが雲は浮かんでました
海岸道路から海に ....
父親から電話がかかってきた
滅多に電話なんてかけてこない人だ
よほどの事がないかぎり電話をかけてこない人が
その日、その時かけてきた
電話口に出ると
いきなり
ひろしか、父ちゃんだ
....
夜、娘が言った
明日は彼氏に会ってくる
父親は何も言わない 黙って聞いている
母親は
母親らしい言葉を口にした
帰りは遅くなるの
たぶん
と娘は曖昧な答えを口にした
父親は黙って聞きな ....
私はまさに根のない草だった。
飲食店の厨房の仕事を転々と渡って歩いた。
三十歳に手が届く頃は出身県の県庁所在地の街で働いていた。
そこはパブレストランで駅ビル周辺の繁華街にあった。朝七時から ....
その小さな洋食屋はオープンキッチンになっていた
店内には四人がけのテーブル席が三つとカウンターに椅子が五つつ並んでいた。
マスターは二十代半ばの男性で、その街に独立して店を出す前は都心の割りと大き ....
空から水滴が無数に堕ちてくる
違うか
落ちてくる
あれは地球の涙だなんて
普通に生活してたら思わないだろう
だけど
毎朝
毎日
毎夜
蟻みたいにに詩が湧いてくるから
雨 ....
歌人という音の響き
歌人と言う人に憧れを抱き
見よう見まねで歌を詠み始めた
少年の日
石川啄木を読んでは心が震えました
万葉の歌を諳じました
与謝野晶子の恋情の詠みに痺れました
....
ノブちゃんはね。
むかしも今も女の人でした
私たちは偶然再会しました
その時ノブちゃんはね、鰻屋さんで働いてました
私はお客さん
勤め先の社長や同僚と食べに来ました
鰻重を運んで来 ....
天国へは
個々に専用のエレベーターでいく
押せるボタンは最上階のみ
そして
最上階が何階かは昇る人しだい
地獄へはエスカレータでいく
階段の上は人人人
死人で溢れ足の踏み場もない
....
むかし
私は反戦の詩ばかりを書いてました
他人の真似をして
だけど浅い心の底では
平和は水や空気と一緒でした
むかし
反戦詩人だった私も
今は救いようもなく歳を重ねてしまい
ただの ....
遺体と死体
なんで分けるの
死体は無言劇
遺体は饒舌だとでも言うの
遺体と死体
なんで目を背けるの
遺体と死体
どっちもどっち
遺体と死体
どっち ....
カラスが鳴いてる
何処かで鳴いてる
カラスが鳴いてる
相も変わらない気味のわるい鳴き声で
カラスが鳴いてる
電線の上で鳴いてる
飛びながら鳴いてる
カラスが鳴いてる
車に轢 ....
敵の飛行機が一機だけ群れからはぐれてしまった
首都を爆撃するために幾千の機体が飛来した夜に
無差別に投下された焼夷弾は
街を容赦なく火の海にした
それは
幾千の渡り鳥が
幾千の糞を ....
もしかしたら
ヒトの成分は
血と涙と汗だけで
てきているのかもわからない
喉が異常に渇く
「オーイお茶を」と妻に声をかけた
反応がない 無理もなかった 彼女の両の耳はイヤホーンで塞がれ ....
私は
私の人生の途中で二度
自らその命を絶ってしまった人の葬儀に参列した事があった。
一人目は同じ工場内で働いていた五十代の男性。
とは言っても勤める会社は違っていたからほとんど口を利いた ....
極極、平凡な毎日です
極極、平凡な暮らしです
私が切に求めてやまないものは
でもね
極極、平凡な毎日や
極極、平凡な暮らしほど
簡単に手には入らないと
よくよく身をもって知らされまし ....
一人の女の人のお腹の中に10ヶ月と余りを滞在した
そこから出るまでの間に
私は
何度蹴っただろう
彼女のお腹を
胎児の足で
宿借りの分際で
でも
私が蹴る度に
彼女は自分のお ....
むっちゃんさんのこたきひろしさんおすすめリスト
(72)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
川の底を覗き込む
-
こたきひ ...
自由詩
7
18-12-9
街路樹の枯れ落ち葉
-
こたきひ ...
自由詩
3
18-12-2
この星の上から
-
こたきひ ...
自由詩
3
18-11-17
私が私であるためには
-
こたきひ ...
自由詩
6
18-11-17
洒落にならない風景
-
こたきひ ...
自由詩
2
18-11-15
悪い夢に魘されて
-
こたきひ ...
自由詩
3
18-11-15
支離滅裂な感情を抱いて
-
こたきひ ...
自由詩
2
18-11-14
誰かが誰かを呼んでいる
-
こたきひ ...
自由詩
3
18-11-14
やがて沈む夕陽に
-
こたきひ ...
自由詩
6
18-11-12
地球儀と地球
-
こたきひ ...
短歌
4
18-11-11
蛾と蝶の見分けがつかなくて
-
こたきひ ...
自由詩
5
18-11-11
一度もまだ死んでないから
-
こたきひ ...
自由詩
5
18-11-10
夕暮れの空から
-
こたきひ ...
自由詩
5
18-11-9
無性に海を見たくなってしまいました。
-
こたきひ ...
自由詩
3
18-11-7
人は誰でも骨壺へ
-
こたきひ ...
自由詩
4
18-11-7
約束の手形を握りしめて
-
こたきひ ...
自由詩
3
18-11-6
節子という一人の女に
-
こたきひ ...
自由詩
2
18-11-5
店内の明かりの下で
-
こたきひ ...
自由詩
3
18-11-4
日記みたいに詩を投稿して
-
こたきひ ...
自由詩
4
18-11-4
詩人ではなくて歌人でありたい
-
こたきひ ...
自由詩
3
18-11-3
ノブちゃんは、ね。
-
こたきひ ...
自由詩
4
18-11-2
天の国へ地の獄へ
-
こたきひ ...
自由詩
3
18-11-1
昔話とその後
-
こたきひ ...
自由詩
4
18-10-31
嫉妬深い神の欠伸
-
こたきひ ...
自由詩
3
18-10-31
カラスが鳴いても帰れない
-
こたきひ ...
自由詩
3
18-10-31
空を飛ばない円盤
-
こたきひ ...
自由詩
2
18-10-29
血で血を涙で涙を汗で汗を
-
こたきひ ...
短歌
7
18-10-28
陽向臭い匂いと雨の匂い
-
こたきひ ...
自由詩
4
18-10-28
極極、平凡な毎日は
-
こたきひ ...
自由詩
5
18-10-27
一人の女の人の
-
こたきひ ...
自由詩
5
18-10-26
1
2
3
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