ぽえむ君−詩人−
ぽえむ君
ぼくはカエル
ふだんは道ばたでひなたぼっこ
からだが乾いたら水の中へ
のんきな生活
今日もまた
朝の散歩をしていると
シジンとやらに出会いました
シジン?
ぼくにはなんのことだか
さっぱりわからない
そもそも
2本の足だけで立っているのは
見ていて不安な気持ちにさせる
ぼくのことをじっと見つめて
薄気味悪い
実にふゆかいな生き物だ
ぼくの心が暗くなる
せっかく美しい気持ちを
感じ続けていたいのに
シジンに向かって
お前にきれいなものを
表現できるのかい
とゲコッと聞いてみる
シジンは何も返事もなく
地面についていない2本の前足を
なにやらせわしく動かしているだけ
つまらないので
川の中で泳ぐとするか
カエルに言葉はいらない
明日もまた
言葉のない日を作りたい