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バスは行ってしまって
ロッカーが三回も中身をぶちまけられている間に
発車してしまって
投げやりかつ従順に仕舞い終わったら
コートの裾は後悔の埃まみれだ

ぴかぴかの手を颯爽とひと振り
帰 ....
新調したエナメル靴の横に
男の吐瀉物が置かれていて
半透明の中身は
昨夜のサーモンやパスタやブロッコリーがそのまま

散らかした紙くずは
あっさりと片付けられ
返却期限のDVDは持ち去ら ....
台所の窓から見下ろす 校庭が白く染まって
摘みとった記憶まで見つけてしまいそうだ

ふとももにあたるスカートの襞 湿り気を帯びた木の匂い
犬走り 紋白蝶 遠くのポートタワービル
木漏れ日が  ....
半月がころがった
夜の{ルビ帳=とばり}に
埋れたふたり
冬の星座は
オリオンしか知らない
道すがら探して
明日は晴れるね、
大体毎日言う
大体毎日
同じ相槌を聞く

手袋が欲し ....
薄桃色の花は手のひら
包んだ途端灰に変わって
冷たい風に
さらわれてゆきました
どこか見知らぬ街の
誰かの頬をざらりとかすめて
ほんの小さな
でも確実の
いたみを芽生えさせました

 ....
回り切ったレコードが
すっと静寂を引き戻すと
窓ガラスに雨粒がぱらぱらと落ちている

照明の橙と
電気スタンドの白い光が
紅茶の湯気を溶かして
訪れる
こんな日はいつも

秋の雨は ....
一匹の{ルビ蜻蛉=とんぼ}が
脚の間をすり抜けて
小さくさざ波立つ水田
暮れ翳り始めた空に
フラミンゴの色の雲

エミール=ガレの作品集を
撫でる指で繰っていた
男のこと

苗のき ....
もう読みたくはないのだ
わたしは明るい光のもやもやと
たゆたうなかに身を落とした
ここでは視界も聴覚も澱んで
生温くて居心地がいい蜜液のような

見詰め過ぎたのだよ秒針の動く早さとたど ....
目をそらさないでください
鼓動が波つくる海の底から
危うい腰を{ルビ掬=すく}い上げて
一つの生きものになりましょう
吐息の泡を追って見上げる
金色の空はもう蔑まない

聞き漏らさないで ....
まるで邪魔だというように
飴細工のこの脚を
らんぼうに折り曲げて

けがれのない白肌に
小さな毒ひとつ
残していった
あのかた

消そうとこすったその跡を
今になって
人差し指で ....
ああもうこんなにも
もっていかれてしまって
こんなつもりじゃなかったのに
気付かぬうち

押し付けられた頬が
桜いろに染まるので
目を細めて
こっそり微笑む

こんなつもりじゃ
 ....
たりぽん(大理 奔)さんのかやさんおすすめリスト(11)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
帰路- かや自由詩4*08-4-10
檸檬- かや自由詩3*08-3-24
白い記憶- かや自由詩5*08-2-24
半月- かや自由詩7*08-1-18
- かや自由詩10*07-6-17
来訪- かや自由詩6*07-6-16
予感- かや自由詩23*07-6-1
詩人たちへ- かや自由詩8*07-5-8
夜明け- かや自由詩4*06-1-13
無題- かや未詩・独白4*05-11-7
無題- かや未詩・独白2*05-10-15

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