かさむ 夜のしおり
長く 読み続けた 香りに

ぽとり と落ちた
蜃気楼

恵みの火
溶けない爪のくず

明日というものが
あるらしい

たたむ手を
寄り添わせないよ ....
 高速道路の下で猫が一匹死んでいたから
 ラムネ水の泡はあふれて
 誰かの右腕に落ちた
 こんなときに聞こえる音は
 芯をえぐられた風の音で
 必要な季節を呼んで
 ....
そら、なのか
から、なのか
どっちでもいいけど
「宙」と書いて「そら」と読ませるよりも
「空」と書いてなんと読むのかわからない
そんな曖昧さがわたしはすき

そら、だったのか ....
バスケ大会の決勝で、本田クンにアピールしようとしたのが悪かった。
ボールをキャッチミス。左、親指を骨折。病院行き。

真っ白であったギブスは、すでに文字で埋め尽くされ、
ちょっとしたアート ....
もう出会うことのない
未来の恋人たちに
かすかに血の匂いのする親密な
Hello



自転車の荷台にフランチェスカが座る
バスタブのお湯がフランチェスカのぶんだけあふれる
回送電車 ....
昆虫を描いてばかりいる少年が
今日は汽車の絵を描いた
たび
と口にしてみる
えい、やっ
気持ちをくしゃくしゃに丸めたい気持ちになって
余白にひどく不釣合いな
一匹のノコギリク ....
1.

シナ子

今、列車に乗っている
田舎に帰る
トンネルに入るとヒューィって音がこだまするの
それは列車の車輪の音
昔よく吹いていた草笛にも
車掌さんが切符を切る音にも似てる
 ....
一度切りの湾曲をとうに終え
錆び果てたガードレールは死んだように安堵している
その影に紛れた舗道の一部は黒々と陥没し消滅している


その上空を傷付ける有刺鉄線、私ではな ....
冬は太陽が低くて
オープンキッチンのカウンターは
暖まっていて

太陽から連なる
六角の連凧が
ブラインド越しに差し込んでいて
左目を射抜かれてしまう



カップの中のアー ....
泣いているこどもは
湯気が立っていて
かわいい匂いがする

抱き締めて
頭に鼻をくっつけて
くんくん嗅ぐよ

産まれたてのときは
わたしの内臓の匂いがした

今も少し
する
 ....
残業もそこそこに
今夜もいそいそと帰ってきた
玄関のすぐ脇の部屋で
かつて母だった生き物が
また呻いている


父の三回忌を済ませた頃から
母は溶け始めた
ビデオテープのように過去を ....
批評だ批評だ批評が必要だとネットで吠え続けて、おそらく数年になる。私自身は、地方同人詩誌での合評会や蘭の会内部でのわずかな批評と、詩集そのものに対するいくつかの批評をのぞき、自分の作品に長文の批評をネ .... 家にある薬箱のなかの服用薬を全部飲んでしまったことがある。19のときだ。頭痛薬からキャベジンから風邪薬から、とにかく服用薬は全部飲んだが、水虫の薬など外用薬は飲まなかった。死にたくはなかったのだと、思 .... 本当のことを言いましょうか。たまには、ね。

私が本当の本当に愛しているものは、ひとつの作品ではなく、ひとりの詩人ではなく、私自身ですらなく、詩そのもの。私という小さな詩人と、私という小さな詩人が ....
二ヶ月ぶりに会って
しばらく動けなくなるくらいのセックスをしたあと
夕方にゆっくりと起きだして
二人でシャワーをあびた


あなたのマンションのユニットバスは
浴槽がとても小さくて
ど ....
いま、右手首がひじょーに痛い。うちの飼い猫の血膿をふきとろうとしたら、ズタズタに深くひっかかれた。場所が場所だし、猫の爪は鋭くてカミソリみたいなものだから、自分で見てもリスカの傷に見える。おもしろがっ .... 会いたい人に会えず
好きな人に好かれず

気違いだから居場所がないこと
気違いだから居場所があることの 勘定が出来ず

子供が転んだら すぐ泣くのをよく理解し
すぐ母親に 抱かれることを ....
以下は、9.11テロがあった年の10月10日にギルドに掲載したものです。


数千人死んだテロ、ひでえ話だとは思いますよ。でも、なぜ今さらそれだけを? アメリカがどこぞにぶちこんだ劣化ウラン弾を ....
今日も仕事(早朝コンビニバイト、毎日ではないだす)前にいっちょオン書き即興詩、と思ったのだけど、今夜はなんにも思いつかないのでオン書き散文にしてみる。

バナナと豆乳とキャラメルの大量摂取&丹田式 ....
小学三年のとき、図画工作で足の彫刻(といっても粘土細工)を作った。手首から先の手か、足首から先の足をつくれといわれ、私は足にした。足の方が単純構造で指も短く、簡単そうに思えたのだ。基本的に、全員が自分 ....  感情の吐露です
  それは美味いのですか
  脂がのってるのですか
  私は場違いではありませんか
  大将、
  はちまき ずれていますよ
  ずれているのは何だっけ
  そ ....
ひとりでいるということは
どういうことなのかしら
慣れていたはずなのに
いったんふたりを知ってしまうと
すごく怖いことのような気がして
若葉さす あのやまなみが
ひときわ美しいから
ごま ....
北野つづみさんのおすすめリスト(414)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
消して- 砂木自由詩13*04-10-18
ラムネ水、透明追ってゆく- カンチェ ...自由詩604-10-16
わたしがシャンブロウだったとき- 佐々宝砂自由詩1604-10-15
奇跡は災難にやってくる- 月山一天自由詩4*04-10-14
親密なHello- なを自由詩1504-10-12
一日の終わりに- たもつ自由詩1504-10-10
シナ子- 嘉村奈緒自由詩37*04-10-8
あるカーブで- A道化自由詩3204-10-8
日曜朝、七色カフェにて- 石畑由紀 ...自由詩8*04-10-6
かわいい匂い- チアーヌ自由詩7204-10-4
肉じゃが- 窪ワタル自由詩60*04-7-31
やりたいことがあるんです- 佐々宝砂散文(批評 ...30+*04-5-20
自己を愛するための- 佐々宝砂散文(批評 ...1404-5-18
危険な話- 佐々宝砂散文(批評 ...1004-5-13
- 石畑由紀 ...自由詩2304-5-12
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何にも勝てず- 山内緋呂 ...自由詩17*04-4-10
テロと戦争について(再録)- 佐々宝砂散文(批評 ...9*04-4-9
感想妄想批評妄想- 佐々宝砂散文(批評 ...11*04-4-8
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寿司屋にて- 嘉村奈緒自由詩6003-11-18
小鳥- 芳賀梨花 ...自由詩8*03-5-7

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