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ポケットにミルキー
ポケットがあるしあわせ
だれも
そんなことには気づかない
不憫
誰かと繋がりを強くするために
小さな陰口を言う
巻き込んで ....
一歩一歩 咳こむ足で
わたしがどこまでも歩くので
夜はどこまでも感染し
朝には誰もいなくなる
朝には誰も
いなくなる
みんな歩いて いなくなる
歩きつづけて いなくな ....
午後4時
部屋のカーテンは締め切ったままだ
どこへも行けなかった
ビデオを見るのも
音楽を聴くのも
ジャンボ機で彼女に会いに行くのもできなかっ ....
AM4時になった
烏もなかない
あんなにゆきとあめをふらせたのだから
きょうは晴れだろう
まだカーテンは開けていない
眠剤が効かないので
朝早く起きてし ....
ふと婦人は席を立った
向かいの席だった
ぼくは隅が好きだ
ぼくは隅に座っていた
カバンを架けかえようとしていた
ジャケットのフードがじゃまで
カバ ....
ふれている
ふれている
温かいものが
ぼくのからだに
ふれている
それはあなたの
恥骨だ
しっかりとした
感触を持っている
....
ことばの枯れた井戸を掘ってみる
夜空のように星星が輝いていた
ぼくは夢を見たのではない
ことばの星は無数にあるのだ
掘削機はいらない
....
よごれっちまったかなしみなんて
そんなもんまだ書くつもりかい
でっちあげなよでたらめ書けよ
あんたはあんたを信じなさいよ
それができなきゃあたしは知らん
勝手にやんな好きに嘆きな
あたしゃ ....
触れる手が欲しいときに
彼方は隣にいなくて
過去のいい夢ばかりをリピート
冷えたままの自由席にスポットライト
時はジッと焼け焦げてしまった
自由席は自由
彼方と私の距離は一定の線まで自 ....
知りすぎた人に
触れられるのが苦手です
違和感で
引きつる
わかるでしょう
わかってる
テリトリーは
侵害しないし
されたくもありません
知らない人がいいんです
知 ....
青のキリンが
長い首を伸ばして
木の葉を食べている
あおのキリンはいきのこるために
首を進化させてきた
キリンはたったままねむるか
....
駅は谷になっていて
陽射しが差し込まないで寒い
何を考えるのでもなく
電車を待っている
やがて電車はうなぎになってあらわれる
だれも驚くやつはいない
....
今日、両親から荷物が届いた
シャケは辛塩で、焼くと真っ白になる
タラコは無着色で、見た目はマズそう
これら北海名物を口に運びながら
函館山に打ち寄せる
海峡の早潮が岩に砕けた白濁の泡 ....
★ 落ちてくるラメ入りの空
高架線の駅からは
遠くが見える
夕方のラッシュ時の
高校生のおしゃべり
同じ空に目をくれるものはいない
みんな街に帰 ....
ばあちゃんは髪結いになりたかったのだと聞いた
襟足を剃ってもらった
花嫁になるでもない子どもの頃に
髪結いの修行のために東京へ向う前の日
じいちゃんと結婚することが決まった
ばあ ....
干された布団に冬の陽が
いっぱいにあたっている
ここは天の香具山ではないが
まぶしいくらいだ 女でなくても
洗濯物は 気持ちよく見える
太陽 ....
ココロが純粋であるということは
ヒバリが空を舞うように
ひとつの高さを持つことだ
ココロが純粋であるということは
緑を緑といえることだ
山桜の樹液 ....
機械が動きだしている
工場ではもうみんな起きだして
働きだしている
生産ラインは整然としていて
不純物はまぎれこまない
工場は一部ロボット ....
朝まだき
まだなにも始まっていない線路
秋の蝶がひかれている
体調はもうひとつ タバコの吸いすぎで
気管支が痛い
きょうはどんないちにちになるのだろう
みそはぎ ....
ミトコンドリアには
ひとつのゆめがある
八月の鯨、ではないけれど
鯨を待って体内に潜り込み
激しい呼吸の赤い酵素を
たくさん送り込んでやることだ ....
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