生きてるだけでいいんだよと
生命の最小域じゃないですか
そんなに追い詰められんなよと
人間関係は領地の奪い合い
誰からも奪わず、奪われて
あとはこの部屋の一隅のみ
生きてるだけの生 ....
忘れないために生きているのかもしれない
忘れるために生かされているのかもしれない
知ることは悲しい
知ることは恐ろしい
夜と朝だけがある
あとは私たちが勝手に作り出したものだ
その手をかけ ....
感じたことが
自分なんだな
あの苛立ちは
自分なんだな
その悲しみが
自分なんだな
この感動も
自分なんだな
漏れた本音が
自分なんだな
目につくものが
気に ....
ひろびろ青がひろがって
鳥の群れが行き過ぎる
街は熱波に曝されて
子らの午睡を浅くする
*
ちから抜けちから抜け
胸にわだかまる不安感を
呑み込みおれは街を行く
こんなにひ ....
かごめかごめを
するときは
逢魔が時をさけなされ
かごめかごめに
囚われて
ひとり残され
....
幾つもの細い絆で
ブラウスを編みました
春になったら古いのを脱ぎ捨てて
旅に出ます
色とりどりの花たち
勇んで会いに行くのです
終わらない争いから遠く離れて
誰と交わしたわけでもない約束 ....
ひとりでは
立てないと ....
ジェシーがいるとき
本当のことが見えない
粒子は存在するのに
彼女の口笛に飛ばされて散る
散った粒子を探してばかりじゃ
彼女が秋の新作を纏っていることも
気づかずウィンドウを過ぎる ....
オートバイで悲しいのは
止まっているときに
不安定になって倒れる
立ちゴケが一番悲しい
オートバイで悔しいのは
信号で止まったときに
クルマでの追突で
死ぬのが一番悔しい
人間 ....
一つの生をたずさえて
一つの死をたずさえて
赤ん坊から老人マデ
寄り道しながら
僕は行く
今は何もせずぼうとして
うねる夏の光を夢見ながら
美しく深まっていく世界を信じ
....
冷やした部屋で
濡れた画面を見ている
夏の前日
みるつもりでいた夢
古い冷蔵庫、凍りかけたビール
物事の手前で
君が微笑んでいます
夏の前日
それは
訪れるはずのない ....
末期膵臓ガンの恩師の奥様から
「一日一日生きています」
というメールが届いた
僕も一日一日生きていこう
と思う
私があなたに話しているのを、そこから見ているあなたがいて、
私が私自身に話しているのを、どこかで見ている言葉がいた。
あなたに向けたつもりの言葉も、結局は自分自身に向けられていたのかもしれない ....
君はその身体に
神話と寓話とを
ありったけ詰め込んで
旅立つよりほかなかった
君が旅するほどに
君の身体の中でそれらが育つので
君はいつも張り裂けそうだ
君の身体から
抑えきれず放たれ ....
空は灰色、
街行く私の背は屈み
あてどなくさ迷いながら
灰色空から雨、ポツリ
ポツリポツリと降って来て
視界はかすみ歩は鈍り
(今ごろ森では紫陽花の
青白く光る群落が
ゆらんゆらん ....
その灯りが灯ることの全てがわたしの全てで、公園に腰かけたり、元気そうな集団を避けて歩いたり、目と耳と鼻と口と手と生き物と複数の壁、この部屋での暮らしが綺麗な明るさになれない。
マンションの知らな ....
何食わぬ顔で何かを食っていた
葉が落ちる 羽化して浮かんでいく 光
消えていく 生きていく記憶を描いて
小説を超絶饒舌に語る
胸にぽっかり
月が出た
キミね、さっきから云ってることが
酸味が効いて、さっぱりだ
そうか、だからうっかり
思い出しちゃったんだな
ことばをひらくとき
ことばよりさきをいくものがある
たえず
観念を突き破り
欲望の先を駆けていく
あり
つづけ
のがれ
つづけ
おいつけない、おいつけない
深い夢見の底 ....
自分を殺して
人を生かしてあげるって言う
犠牲的精神
この過酷な社会に起こる
大人同士のせめぎあい
時には
いじめ合い
いじめられ合う中での
美しく悲しいゆずり
ゆずられる愛
....
昨日と何も変わらない
今日が昨日の続きに過ぎないからか
しかし今日が明日に続いてくれるとは
限らない
時間の経過を知りたくて
時計を見る習慣
昨日吐いた息と
今日吸った息
遥か ....
君が死ぬとき
流す言葉を集めて
冷たいコップの中で
氷に溶けるのを見ていたい
季節が変わる頃ってのは
何もかもが不安定だ
雨の温度や風の強さ
気に食わないものばかりさ
君が死ぬ ....
はいらいと
まちこがれた今夜も
雨模様ではありますが
はいらいと
月に寄せて 星屑に寄せて
たそがれたひと時を
お楽しみください…
はいらいと はいらいと
....
夏の夕暮れの
そこは片隅
母の白い指のすきまから
転がり落ちた
ひとかけらの氷のゆくえを追った
蝉の声が遠のく
逃げていく蟻の触覚
氷は崩れ、いつか傾く
音もなく
あとかたの水
....
シャワーを雨に見立てて
ずぶ濡れになってみた
服を脱ぐ前に
これまでの雨は
なんだかいい加減で
本気さを全く感じられなかったんだ
自分の仕事を放棄しているようでさ
服を脱ぐ前 ....
ずっと
ひとり
だったんだ。
はぐれ雲の
ため息
みたいに。
ずっと、
ひとり、
だった。
主をしらない影が
主を懇願するように
ぼくは
それを
求めていた。
....
時計が今日も鳴いていた
皮膚がざわついて眠りに眠れず
痒い皮膚を引っ掻きながら
指のさかくれを食い潰し
目覚めたam5:09
「お元気ですか?」
そんなこともいう暇もなく
ただ針だけ ....
あぁ俺の
黒目をずっと見てて
もしその中に
魚が見えたら教えて
白いマグカップ
向こうのテーブルにあるやつ
その中に
星があったら教えて
月夜の夜覚えてる?
俺が車ぶっ壊 ....
登山は
いつでもどこでも一歩、一歩だ
あんなに高い頂上まで登れるだろうか
と思っても一歩、一歩歩いていけば
頂上に着くから不思議だ
登山はどんなに苦しくても
自分の足で一歩、一歩だ
スー ....
インターネットを
眺めながら飲む
ホットコーヒー
うわべだけで感じる苦味と渋み
うわさだけで感じる臭いと温度
うまいまずいではない
人生の眠気を
吹き飛ばしたいだけ
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