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君は長らく歩いて来た
独りぼっちでこの長い旅路を
天辺に着いては転げ落ち
また振り出しから天辺目指し
繰り返し繰り返し歩いて来た

今終焉を迎えるに当たって
君はまだ旅の途中
もう放棄 ....
今宵、
白い部屋に
在るもの在るもの
自らの輪郭を鮮明にして
回流する澄み切った夜の空気に
すっかり馴染んで留まっている
横たわっている私もまた寛ぎ
在るものたちと繋がり合う、
揺るぎ ....
雛鳥の
巣を抱くような
恋をして

心臓を
貪るように
交わって

雪の降る
街で
そっとお別れを

そんな
お伽噺のような
時を過ごし

漆黒と
戯れる今は
孤独 ....
雨降りの
跳ね返りは
誰のせい?
そう問う端から
車が来て
水しぶき上げ
びしょ塗れに
私を濡らし
通り過ぎる

)あゝこの持って行き場のない気持ちを
)あゝこの不可避な連鎖を
 ....
咲き誇る大輪の薔薇
甘やかな空気に
白く濡れたふくらはぎ
閉じられる傘

雨上がりの明るみに

触れ合う額と額
優しい石鹸の匂い
紅に染まる薄い頬
春の夜に
煌々と浮かぶ満月は
闇に艶めく大地のあちこち
銀の涙を溢しながら
陶然として傾いていく

わたしは寝床でゆっくりと
その推移を辿りながら
迫り来る世界の無表情に
今夜もやっ ....
薄暗い
漠然と広がった
空間のなか
台形の
ノッペリとした
大人の背丈半分程の
鉛色の工作機械が
等間隔で何台も
一列に並べられている

大きな金属音があちこちから
互いに呼応す ....
雲のどよめき艶めき、うふふ 
夕暮れ間近に囁くもの 

出口は入口と延々と
展がる地平に眩む我

水の色開け灰色散らし
流れる流れる、宙の果てまで
雨が
木の幹を濡らしていく
緑の木立は微かに揺れて
時の狭間に佇んでいる

この四月馬鹿の一日に
優しく優しく照り映えながら
雨は
間断なく降り続け
やがて
街を静かに濡らしていく ....
夕暮れが来て
昼間高曇りの空の下
白っぽかった街並みが
闇に呑まれていき出すと
高く豆腐売りのラッパの音、
響いて意識は
遥か彼方に飛んでいく

遠い過去と遠い未來、
今此処で円環し ....
この世での光は消えてのち
また射す光、止めどなく

覚悟せよ
全ては〃進化〃の時流に乗り

大地が割れる感触を
肉に刻んて進み行く

この世に在る限り
この世での光は消え去って
 ....
青空が見えている

静かだ

青空を見ている

静かに


呑まれていく
わたし


青空が見ている

静かに
土塊を捏ねる
指先に気を集め
煮え立つ熱を流し込み
ゆっくりしっかり力入れ
未定形の粘る分厚い土塊を
思い思いのまま捏ねくり回す

捏ねくるうちに不思議なこと
土塊と指先は拮抗しながら ....
感情が漂白され
漂流していくこの時空を
速くなったり遅くなったり
緻密になったり大雑把になったり
なんて自由自在に運ぶ移行

魂の打つ突発的な躍動
変拍子や裏拍に
コレハナンダ?
新 ....
全ての喪失は流れていき
乾き切った胸奥に
氷食地形の
研磨された岩石の如く
哀しみの蒼い窪みだけ
鋭く冷たく穿たれる

(愛は
私の中にある
思いを伝達しようとする
すべての努力を ....
声と声が交錯する街角で
チョークを引っ張り
路上に描かれていく線、
子供はガッタンゴトンと身を揺らし
列車はゆっくりと出発する

微笑み明るむ夕暮れ時、
すべては無邪気に赦されて

 ....
微睡みの午後、
涼風吹き
草木を濡らしていく天気雨
永久なる太陽の爆発を
束の間ベールに包む
時は始まりに向け終わりを紡ぎ
終点から反り返ってくる混沌の威容
この微睡みの午後に
火照っ ....
深まる夜の
硬質な器のうちに
憩う林檎や蜜柑の類い、
無限の夢見て静まり返り
琥珀の時を紡いでいく

  *

暗い一夜の街さ迷う
行く宛もなく帰る宛もなく
繋ぐ手と手は熱を持ち
 ....
今日高曇りの空の下、
肉を引き摺り歩いている
春という大切を
明るみながら覚えていく
妙に浮わついた魂を
押し留めながら、押し留めながら

離れていかないように
剥がれていかないように ....
降りていく
夜空の底へ
降りていく
瞼を閉じて
降りていく

やはらかなそこへ
そこなきそこへ
はらはらはらはら舞いながら
やさしいことのは散らしながら

降りていく
宇宙の底 ....
消え入りそうだったんだ
夜明け前に
悪夢で目覚めると
孤立に窒息して
消え入りそうだったんだ

そんなとき
何気なく手を差し伸べてくれる隣人が居た

「水が欲しいんだろ」
って、ト ....
暖かなもの全てが鉛色の死に沈み
永遠は半旗のように項垂れ
希望が蒼い地図のなか迷子になる

顔を背けた神々と姿を現す悪魔たち
剥き出しの恐怖が白い小部屋に充ちるとき、

残されたことは全 ....
坂の下は霊魂の溜まり場だった
降りて行ってはいけない と彼女に言われた
彼女は二十四の歳に逝ったままの若さだった
その代わりにある家を見て欲しいと言う
二階に八畳間が二つ在るのだけれど何か変な ....
光溢れる夏の午後
庭の梅の木が微かに揺れて
三才の僕はその瞬間、
〈じぶんは自分なのだ〉と不意に気付いた
なにものにも替えられ得ない〃この私という存在〃
その認識が僕を稲妻のように打ったのだ ....
軍服を着た義手の乞食、
商店街の一隅に座り
通り掛かった幼児の眼差しに
モノクロームの世界を投げ掛ける

義手は銀色、楕円の大きな豆を繋げた様
アコーディオンが哀しげなメロディーを奏で
 ....
私が喫茶店の一隅に座ると
非人称の意識が渦を巻き始めた

)眼前のアイスコーヒーはシャリシャリ音を立てて波打ち
)ガラス張りの向こうは久々の晴天で
)遠くで笑う老人の顔はとても幸せそうだ
 ....
ぱらぱら毛布にくるまって
はらはら伝わる母の熱
雪降る街は寝静まり
時を白く染め上げて
束の間君を母とする

ぱらぱら毛布にくるまって
はらはら伝わる君の熱
雪降る街は寝静まり
時を ....
また夜になり
静けさ、
部屋に充満して
私は一人横たわる
人差し指より先に薬指が
ディスプレイに触れ
誤字が打たれていくのを
眺めながら

)アトランダムな文字列から
)生傷の如く ....
眼が在り映り凝視し続ける眼に
脳裏の戦場の消えない殺し合いか
眼前の草むらの子供らの激しい絡み合いか

展開され焼き付けられるその光景

草むらの草いきれも
左足にぐるぐる巻かれた包帯の ....
蒼い夜底の真ん中
白壁の沈黙、ふと途絶え

薄い格子戸開ける女の白手
手招き三度、ゆらゆら揺れる

傷だらけの幼子の抱擁
骨組み晒し、癒されぬまま

格子戸の向こうに開ける界
二体 ....
秋葉竹さんのひだかたけしさんおすすめリスト(289)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
反復- ひだかた ...自由詩420-4-23
今という時- ひだかた ...自由詩520-4-22
孤独- ひだかた ...自由詩420-4-18
連鎖- ひだかた ...自由詩3*20-4-13
逢瀬- ひだかた ...自由詩320-4-11
満月とのっぺらぼう- ひだかた ...自由詩220-4-7
〈根源悪〉の原体験(改訂3)- ひだかた ...自由詩220-4-5
夕景- ひだかた ...自由詩320-4-3
四月馬鹿の雨- ひだかた ...自由詩720-4-1
残響- ひだかた ...自由詩3*20-3-30
捨て石(改訂)- ひだかた ...自由詩420-3-27
空の青と本当の気持ち- ひだかた ...自由詩620-3-22
土塊(改訂)- ひだかた ...自由詩520-3-16
ポップ・フィールド(改訂再録)- ひだかた ...自由詩3*20-3-15
燃やす(改訂再録)- ひだかた ...自由詩320-3-7
無垢- ひだかた ...自由詩320-3-6
円環- ひだかた ...自由詩420-3-4
一夜、琥珀の- ひだかた ...自由詩320-3-1
今日高曇りの空の下- ひだかた ...自由詩620-2-29
夜底- ひだかた ...自由詩420-2-21
隣人(改訂再録)- ひだかた ...自由詩420-2-20
焼尽- ひだかた ...自由詩320-2-15
境界- ひだかた ...自由詩620-2-6
対峙- ひだかた ...自由詩320-2-5
昭和三十八年、ある街の光景- ひだかた ...自由詩320-2-2
呑まれる- ひだかた ...自由詩720-1-29
ぱらぱら毛布- ひだかた ...自由詩320-1-27
ディスプレイ(改訂)- ひだかた ...自由詩420-1-24
露呈(改訂)- ひだかた ...自由詩820-1-21
夜底- ひだかた ...自由詩4*20-1-20

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