一夜、琥珀の
ひだかたけし

深まる夜の
硬質な器のうちに
憩う林檎や蜜柑の類い、
無限の夢見て静まり返り
琥珀の時を紡いでいく

  *

暗い一夜の街さ迷う
行く宛もなく帰る宛もなく
繋ぐ手と手は熱を持ち
毅然たる歩幅の連続、
追い付ける者は誰もいない

僕たちはそうして進む、
混沌のなかに呑まれても
秩序なかに区画されても
どれもこれも否否否と
否定の力だけを武器にして
僕たちはただ進んでいく

  *

深まる夜の
硬質な器のうちに
憩う林檎や蜜柑の類い、
無限の在るの連鎖のなか
琥珀の時を紡いでいく

微睡み、
覚醒の朝は未だ未だ遠く
















自由詩 一夜、琥珀の Copyright ひだかたけし 2020-03-01 17:22:14
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