ポップ・フィールド(改訂再録)
ひだかたけし

感情が漂白され
漂流していくこの時空を
速くなったり遅くなったり
緻密になったり大雑把になったり
なんて自由自在に運ぶ移行

魂の打つ突発的な躍動
変拍子や裏拍に
コレハナンダ?
新たな形式
ドウスレバ?

広がる広がる波紋波紋
身ぐるみ脱いで飛び込んで

灘の不明から放擲されてくるもの
淵の深みから浮かび上がるもの

)んとっとトクントクン どろっ ろろ

不規則に共鳴し 
粘り着き絡み合う

ビ美シュー醜
善悪相対 飽き開いて
全部ハイハイ呑み込んで

前進一歩また一歩、
前人未踏の武装解除、、

捨てられ捨てて
未練がましく
妄念観念突き詰め見切り
一気に切断突き放し
狂態、変態、突然変異!

あの空白の静けさが、
この失調冷熱苛立ちを
ふっと打ち消し
ひょいと再びやって来るマデ
分け入る界を半ば自棄糞で
掻き交ぜ掻き分け掴み進む

)歩いて、歩いて、走って、走って

いつしか外部は内部と接続し
内部は何処までも開かれ澄む

コレハ今宵
薄光空の水の色!

ソノ時 不意に
アノ空白ノ静ケサが

、、、
 
そうか ならば
己の肉の衰弱自然
滅びるその際にのみ
界の真実は明かされ
然るべき形式獲得され

それはもう詩ではない
詩だけが喚起する

死の向こうの
ポップ・フィールド




自由詩 ポップ・フィールド(改訂再録) Copyright ひだかたけし 2020-03-15 19:53:27縦
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