残響
ひだかたけし

夕暮れが来て
昼間高曇りの空の下
白っぽかった街並みが
闇に呑まれていき出すと
高く豆腐売りのラッパの音、
響いて意識は
遥か彼方に飛んでいく

遠い過去と遠い未來、
今此処で円環し
互いが互いを呼び合って
記憶の底打ち予感を掴み
夕暮れ色に染まっていく
波打ち際で躍る砂、
青い青い水平線、
いずれも時の荒波に
揉まれて呑まれ
呑み返し

夕暮れが来て
昼間高曇りの空の下
白っぽかった街並みが
闇に呑まれていき出すと
高く豆腐売りのラッパの音、
響いて意識は
遥か彼方に飛んでいく












自由詩 残響 Copyright ひだかたけし 2020-03-30 20:27:39
notebook Home 戻る