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海硝子が集まる潮溜りがあるんだ
陽射をまといやわらかにおし寄せる汀
ひっくり返ったヨットを数え
貝殻なんかひろっていると
不意に気が遠ざかる

雨になれば走れなくなる白い電車が
通う島に ....
 ゆれる



場末のカウンターで一杯
曲と曲の合間の
エアポケットに燻ぶれ
ゆれる
ミュートしなよと
いつまで生きてゆくのさと

ゆれる

昼風呂にも様々な内外の境はあって ....
笑っているの?
橋に見えるもののところで
食べているの?
空に見えるもののところで

ぜんぶ君のまぼろしだから
ぜんぶ人のまぼろしだから

強く洗わないで
ふるえる箱から覗く 両眼を ....
どの恋人だったか
アヲハタのサイトがかわいいと
ポインタ空に漂わせ
無心にクリックしたあの頃

やり直せないかな
目が覚めて
自分を嫌いになるまでの
ほんのわずかな時間帯を
まき戻せ ....
倒したかったんじゃない 触れたかっただけ
侵したかったんじゃない 去りたかっただけ

避けたかったんじゃない通したかった
透けたかったのでもない助けたかった
思ったと思っても
ことばになる ....
まっすぐ転がれない実 跳びはねたいふくらみ
ひそみ音にうまれ
みどりの波にたゆたう星の娘たち
まっすぐに見つめる こころをつなぐ

つないだ胸をあかるい笑顔で満たし
しなやかな手足に結ばれ ....
 ゆたかな木
 夏の雲みたいにわきおこる

 しずかに立っているようで
 たくさんの声をもつ

 ゆたかな木
 鳥たちの翼を夜からまもり

 どんな風も受けとめ
 星のひかりに運ば ....
   ワルツ



 青のつぶが昨日より
 すこしだけ小さい

 明日になれば 目に見えなくなって
 ひろく つめたく降るだろう
 そして

 濡れた道ばたで
 セミとコオロギ ....
 わたしからあかんべ

 あなたからは木の葉

 たからもの 小指ではさみ

 あたたかな秋の 空へかえそう

 うたたねしながら

 ときどき見てる

 からみぐあい

 ....
 角の本屋さんの奥で万年筆を売っている
 仕事帰りの女がそっとのぞきこんだ
 くもりひとつない飾り棚は
 そんな町が好きだった

 ゆっくりと溶け始めるアスファルトが
 蟻や落ち葉を運んで ....
   こえは たましい

  漂っ ている

      こえは

     森の

   乾けない

   空

 ひきずられる 影


    あ 

      ....
  十九



 土間のかおりが濃い風の中で
 今もまだ鏡を磨くその人は
 母方の大叔父だった
 茶摘みが好きな
 ハモニカの上手が
 無口な夏の
 終わらぬ波の狭間へ
 時の流 ....
 都会の片隅に、にっこり
 置いとかれたお地蔵さん
 短い夢にからかわれ
 ビルからまたビル渡り
 錆びた引戸の奥で
 さよならぽつり

 きみはやわらかに抱きしめ
 つつみながら
 ....
いつか壁は
壁でなくなってしまえる

いつか
柔らかなひびが
全て覆いつくし
手ざわりをなくしてしまえる

あなたという冗句が
絖りの奥で枯れると
限られた視界は
縫目のない夜服 ....
あくびで一度とぎれた
ぼんやりとした想像が
ふたたび春らしい匂いをおび
洗われるまま
はなびらとして降る

爪先から土深く送り帰す
耳に触れる波を渡り
押し殺した時間を還す
語感で変 ....
枯れきった指が
刻む空
それは非戦の歌

非戦の人が
紡ぐ絲
それは旋律を憂わせ

奪う苦界
争う肉が呼びあう
骨をふたつに裂く石台
互いの傷を
咬みあう


階のいち ....
くちびる 傷つけた
悲劇 風リクエスト
胸の花袋 甘く
眠りに掻きよせ
フィルム焼く
針の短さ 反転し

綴じた無限
欲しさを 感じ
渡した筈 粗い筆
子午線

透明なかざぐる ....
 ゆきが おちてくる

海がひろく
不思議な 音をたてていた

灰いろの山と 横たわると
風にも 鳥にも 色いろあると分かる
やさしくしたい けれど
今のぼくには できない

 ゆ ....
ベランダに椅子を出して
登録を削除する わたしは
暗闇に見つめられて

もう何年も目にしなかったような
みじかい 朝で

あなたの頬の中
時々 何かがつぶれる音を立てた
そんな時も人 ....
一分一秒がおしい
あんなに待った 新学期だもの

かがやき五割増し
教室のノイズ
たったひとつだけ清潔な胸元
あたたかな気持ちと苦しみが告げる
それが夏のおわり

愛おしい
遠くの ....


壁のむこうにある見えないない営み
空の扉をわたる風のうた
きれいに畳まれた銀紙をひらく
こまかい砂の列や
水にうかべた諦めが
夜に、ある想像をゆるす

月だけ敬えば、他にするこ ....
痛みというものが こわくないから
なぜ泣くのかも 分らない
ひとりだって 平気です

身体よりも はやこころ砕け
足あとだけは 感じているのか
文字に見えない けれどはっきりと
ことばだ ....
わたしは ただ待つだけの時を
星に探し 森に尋ねた
ことばにも 求めたけれど
たましいが 足りない

精白された なぐさめとは違う
鈴玉や絵筆 ひと粒の宝石
形ある願いや 祈りとも違う
 ....
いつか見はらしのいいどこかへと
ひらいた傘が浮かんでゆれてく流れ
しずみつもった景色をさけて
わたしに望遠の目がもてたなら
ビルとビルの隙間をはしる列車を待っていいけれど
屋根裏の秘密がもて ....
本田憲嵩さんのsoft_machineさんおすすめリスト(54)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
うみべのいのり- soft_machine自由詩11*24-2-10
ゆれる- soft_machine自由詩524-2-4
まぼろし- soft_machine自由詩623-11-12
青旗- soft_machine自由詩423-11-12
liquid_crystal- soft_machine自由詩223-10-29
ひそみねの星- soft_machine自由詩5+*23-10-8
ゆたかな木- soft_machine自由詩15*23-9-19
(みっつの青のこと)- soft_machine自由詩5*23-9-17
しえすた- soft_machine自由詩13*23-9-10
哀しみを司るたとえ- soft_machine自由詩13*23-8-30
秋のベランダに谺する- soft_machine自由詩7*23-8-29
十九- soft_machine自由詩11*23-8-19
お地蔵さん- soft_machine自由詩823-6-25
何故、どうして- soft_machine自由詩223-5-8
まだ春- soft_machine自由詩5*23-4-30
非戦- soft_machine自由詩223-1-6
さぼてん- soft_machine自由詩422-12-31
雪が落ちてくる- soft_machine自由詩9*22-12-18
ひかり- soft_machine自由詩222-12-17
夏のおわり- soft_machine自由詩3*22-12-5
- soft_machine自由詩221-12-8
しでむし- soft_machine自由詩321-12-6
レクイエム- soft_machine自由詩321-12-3
月蝕- soft_machine自由詩221-11-21

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