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彼は冷たい水底に眠り
ときおり緩やかに踊り出す
口惜しさや無念を忘れ
与えられた使命を果たすように踊りはじめる

水底の琥珀の液体は酸化し
とても飲める代物ではないはずなのに
彼は薄く頬 ....
あの日の花筏を眺めて
幾歳を過ごしたか
その記憶はもう無い
満月を胸に抱き
脇腹に短刀を隠し

川面を眺めた夜

街は墨色に閉ざされ
月は川面の花筏を映していた

瞳を落とし
 ....
待っているのは死
生まれては死に
また生まれかわるる
輪廻をどれだけ繰り返したら幸せになれるのか

知ったかぶりの森羅万象を
静かに受け入られるのは何時の日か

嗚呼 時計だけが秒針を ....
深い
深い水底に
白骨と化した彼は
舵輪を握り締め
遠くを見据えながら佇んでいた

時折深海魚が目の前をゆらゆらと通り過ぎ
彼の頭蓋骨が優しく頬笑む

艦長は静かに椅子に座り
今は ....
妻の計算では
一週間でオレは4リットルのウイスキーを飲むという
そんなこたぁない
そんなに呑んだら
今頃は天国ゆきさぁ
本当は2リットルも呑めば十分で
まだ死にもせず
ろれつの回らない舌 ....
秒針が寿命を数えている夜
確実に死を迎えるために
耳はその呪文を捉え
無為な夜をすごしてゆく

生まれては死に
死んでは生まれ
嘆きの丘を目指し
重い十字架を引きずりながら
空を目指 ....
光と闇の螺旋のDNAに支配され
ぼくらは生まれ
死んでゆく
宇宙の法則に支配され
人は迷路を彷徨い続ける

寂しいかいと問われれば
寂しいと答え
楽しいかいと問われれば
楽しいと答え ....
黒曜石の瞳を閉じて
秋風とともに往ってしまった君は
そろそろ成層圏あたりにいるはずだ

ただ
ぼくにできることといえば
天空にそびえる岩壁をノロノロとよじ登るだけだった
君に届けとばかり ....
愛の終わりに時計がカチカチと鳴る
珈琲を流し込み
何と言ったら良いのか
白けた時間が過ぎてゆく

何時切り出したらいいのか迷うっていたら
彼女の方から切り出してきた

もう終わりです
 ....
生きていることが不思議だ
三週間なにも食べていなかった
夜がとても長くて
眠れない夜が続いた

明後日はようやく入院できる
多分お粥に海苔の佃煮で生き永らえるだろう
セブンのチーズリング ....
空から金粉のような
雨が降る

ぼくはバッハの黄金曲を聴きながら
明日をそっと待ち
ようやく落ち着いた胸を撫でて
今夜を過ごしている

冷たい渓を遡り
透明な魚を釣りたい

琥珀 ....
ボロボロになった身体を引きずりながら
ぼくはどの方角へ向かうのだろう
食べられなくて
何も食べられなくて
週末には点滴が待っている

楽しみなのは大相撲中継だけで
週末の入院を待っている ....
言の葉を意味も無く
黙々と繋いでゆく作業は辛い
肩を落とし
改札口を出るとほどなく家は近い

商店街を彷徨いながら
肉屋の前に佇み
揚げられるかたまりを眺めた
一個100円のコロッケを ....
友よ
寂しい時は
お前の声を聴くに限る
お前の命の発露を聴くと
命の燈火がそっと燃え上がる
俺は大丈夫だから
お前はお前の大切なことを片付けて欲しい

運命の中で
お前と出逢った
 ....
どうしても生きなければいけない
光と陰のなかで

どうしても
どうしても

楽に生きなくてはならないのだ
生きていれば
七味を沢山振りかけた
たぬきうどんが食べられる

こっくり ....
突然現れた
たぬきうどんの幻影がぼくを襲う
少年の頃に食べたきり
ご無沙汰していた
きつねうどんではどうも具合が悪い
コクリとした胡麻油の揚げ玉でなくてはならないのだ
ほうれん草と鳴門巻き ....
鬩ぎあう
調べと琥珀の液体に酔いながら
明日を占い
夜の帳に沈んでゆく

漆黒の陰から
死神が頬笑んでいるのを直感した

それでも
恐ろしさは微塵もなくて
親近さを感じ
彼と酒で ....
なんと紅いのだ しゃがんで路をたどる あぁ…
なんということだ
こんなになってしまって
君は渇ききってしまったんだね
ただ
残された救いは
石綿の包帯に包まれ
没薬の香りと
薔薇に抱かれて
暗い石室に
眼を閉じた
静 ....
今はラララ
ほんの少しの
幸せに満ちている

優しい彼がいるから
痩せては
枯れて
やがてはブラックホールに
呑み込まれてゆく

そしてパラレルワールドに生まれ変わり
前世の因果を背負い
戸惑い
流れてゆく

せめて
川面を埋め尽くす
花筏に ....
化石の森の時計塔
ぼくはここまで来てしまったんだ
青白い大きな蛾がクヌギの蜜を舐めている
静かな夜の帳がこの胸に食い込んで
少年期の動悸を想い出させる
その頃は
当たり前だったおでんの屋台 ....
使われなくなった井戸の底が
モノクロームの記憶を映していた

使われなくなった
フィルムカメラを取り出して
明日は何処に行こうか

錆びれた醤油と漁港のある街へ
釣竿を持って行くのも悪 ....
あの頃は
時間だけがあって
財布は空っぽだった
アルバイトで貯めた金をはたいて
上野駅で夜間急行に乗った

ありったけの荷物を載せて
みんな北へ帰るらしい

座席が無くて
ウロウロ ....
八月の空を待ちながら
フィルムカメラを磨いている
デジカメでは表現できない空気を求め
静かな予感に浸る

入道雲の空の下
ダリアがとても美しい

ぼくの写真は
時計に逆らいながら
 ....
星の見えない夜が続いている
食欲を失くしたぼくは
あれやこれやとメニュウを探してみた
レアステーキでもなく
寿司でもなく
フレンチやイタリアンでも中華でもない
あぁ…
それだ!
ニンニ ....
地下10,000mに眠ったなら
誰も私に触れることは無いでしょう
珪酸化合物の化石となって
洞窟の底で
那由多の刻を過ごします

澄み渡る地底湖には
金粉の小雨が降ります

時折見る ....
渦を巻く心の中に
永遠の夢をみた

真夜中の空を観てみれば
それはあまりにも美しい
果てしないクロニクルは
金銀銅の煌めきを放ち
ぼくを魅了する

夢は永遠の嘘であったとしても
な ....
蓮の台にそっとこの身を横たえ
明日を開いてゆく夢をみた
模倣と言われてみれば
そうだけれど
みな積み重ねられた経験から
新しい切り口を探しているのだと知った

白日に晒された残像のうちに ....
ひだかたけしさんのレタスさんおすすめリスト(191)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
水底の歌- レタス自由詩2*16-10-30
青い顔- レタス自由詩116-10-30
死書- レタス自由詩3+*16-10-29
水底のアダージョ- レタス自由詩316-10-26
妻の言い分- レタス自由詩2*16-10-24
天国の扉- レタス自由詩316-10-23
螺旋のエナジー- レタス自由詩116-10-22
黒い瞳の君へ- レタス自由詩516-10-20
おしまい- レタス自由詩316-7-22
明日へ- レタス自由詩216-7-22
夜の想い- レタス自由詩316-7-20
時計- レタス自由詩516-7-19
帰路- レタス自由詩716-7-17
友よ- レタス自由詩216-7-16
たぬきのしっぽ- レタス自由詩216-7-16
幻想食- レタス自由詩316-7-9
アニバーサリー- レタス自由詩416-7-9
日の丸- レタス俳句116-7-8
- レタス俳句116-7-8
木乃伊- レタス自由詩216-7-7
友へ- レタス自由詩216-7-6
転生- レタス自由詩2*16-7-6
世情- レタス自由詩316-7-1
休日前- レタス自由詩116-7-1
ブルートレイン- レタス自由詩216-6-25
夏の影- レタス自由詩4*16-6-25
梅雨空レシピ- レタス自由詩516-6-25
- レタス自由詩216-6-22
アンドロメダ- レタス自由詩716-6-19
午睡- レタス自由詩716-6-11

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