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熊が黄色いわけねえだろ
確かにそうですが
それがどうかしましたか
急に強く引っ張るとあなたは簡単に絡みついた
好きといったからこのあたしのあれは疼いた
最初は朝
そっと見るだけでは足りないあたし
数年前からあなたはわたしの中に入る
恋人愛人そん ....
冬の短い昼の合い間に
日の当たる草の上で
寝る黒猫
りんごあめ かってよう
いけません あなた いつだってたべきれないでしょ
きょうは ぜんぶたべるもん
じゃあいちばんちいさいのにしましょうね
や いちばんおっきいの
どう ....
寝返りをしたら
ごめんねと言われたので
うんと言った
ああ そうだ
とびきりのイイ男の彼氏と寝れば
マニキュアの爪を
しげしげとながめたりする
ミネストローネをすすって
口紅つけて ....
私はあなたを失いたくないと
思っていたけれど
あの頃 あなたを失えるのは
確かに私だけだった
私はあなたに
遠くになんて行って欲しくないと
思っていたけれど
あの瞬間 あなたを遠くに ....
長いこと沈黙していた
アスファルトの隅で
地面のざらざらの下にある
本当の地面を思って
空の底には
まだ底がある
底の底は
地球の裏側の
空の底
夕暮れ
ノアの箱舟に
オ ....
天使のようにすんだ青い空
みあげている目にうっすら
涙がにじんでわかいみそら
浮世に見捨てられ上のそら
オレンジのように光る大地
いつもいつもゆれてる位置
だからいつもひとりぼっち ....
変わった面構えだ。
へんてこりんなその顔は
エンマコオロギを見慣れた目には
ほとんど奇形に見えるくらい。
ミツカドとはいうけれど
確かに三角といえば三角だけど
角張った顔は
ミツカド ....
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となり町まで歩いていく。
交差点で人がオートバイに跳ねられるのを見かける。
スローモーションで再生はされなかった。
帰りは地下鉄に乗った。
人がオートバイに跳ねられるのは ....
一杯の珈琲から恋が生まれることがあるなら
それが一杯の中将湯であったってかまわないに違いない
もちろん玄米茶でも胃カメラでもゾウリムシでも
かまわない筈なのだがなぜか恋の原因となるのは珈琲であり ....
やおよろずの神さまは
ぼくになにをくれたんだろう
その前に
なにかくれるときって
神さま一同からもらえるのかなあ
せっかくもらうんだから
ひとりひとりからなにかをもらいたい
と
おもう ....
ぼくはバクに
夢をたべられてしまったよ
ぼくの
枕元にいたバクは
めやにばかりの目に
うっすら涙をためながら
こういったんだ
いただきます
ひっそりと
いただきますといわれてしまって ....
夕焼けが足りない 一○
これで最後ですよ
と通達された
あなたのための夕陽はもう残っていません
と
どうやら
流行りの成分のひとつで
許容摂取量も決めら ....
私ノ耳ハ鋭イないふデアル
貴方ノ言葉ヲ切断シ解剖スル
私ノ指ハ尖ッタぴんせっとデアル
貴方トイウ存在ノカケラヲツマミ
冷タイしゃーれノ上ニノセル
マタ私ノ瞳ハ敏感ナ電子顕微鏡デアル ....
ここから逃げ出せる強さがほしい
見上げれば終わりを見たこともない
私がいる
忘れようもない青は
心にイタミを覚えさせる
枷は外せない
人はトラワレ
風のようには泳げない
この魂 ....
水道水の透明
汚れた手の黒さ
とめどなく流れる黒を見送ると
私の手にはもう何も残っていなかった
蛇口を捻り透明を消すと
最後の黒が去って行った
肌色だけの手が
気持ち悪くて
....
──またの名をアナグマ。
(ムジナ暦:何が起こったか)
0年:ムジナ誕生。
誕生の経緯は不明。全くの突然に現れる。
この頃は名前がまだ決まっていない。
....
むかしある男がいた
異国の都市に行って
いい女にめぐりあって
恋の虜になった
裸の女をだきしめた
あまい時がながれて
つらい涙をながして
盲目の奴隷になった
海峡に黒い風が ....
漆のように黒い闇が無限にひろがる宇宙の
おぞましい永遠の闇また闇の中に白い服が
浮かび小さな一点の眼がみつめる青い星の
なんという美しさ神様あれが人類の隠れ家
それにしてもあれは何だろ ....
太陽に 染まる ぼくの 肉体
川面を 流れる あおい 餓鬼
都市に 浮かぶ ぬれた 眼帯
山河を 巡って 届いた 葉書
混沌の くらい 大地を 覆い
溢れる 人々は 互いを 叩き
異邦 ....
あなたが亡くなって世界はこんなに美しい
おばあちゃんにせがんでおんぶしてもらっている子供
赤く染まった南天の葉
まるく結実した八手
冬の日差しのなかにあなたのまなざしだけが残っ ....
この頃 冬といっても
僕の国や
何も知らない人達の国では
ギリシャ世界のアネクメーネのように
どんなに寒くても
明日への蓄えがなくても
火の点し方さえ知らなくても
飢 ....
痩せた背中に我思うあるいは思わなくてもいい
じっとしていれば砂に埋もれて砂を吐くだろう
公園で
砂場にうずくまってひとつかみひとつかみ喉へ
気付かなければ永遠に忘れ去ってしまうだろう
気 ....
僕は彼女に嘘をついている
僕がいちばん好きなのは彼女じゃない
だけど好きな素振りをしている
もちろん嫌いではない
好きだ 大好きだ
でもいちばんではない
きっとそれは彼女がすぐに手に入った ....
君はまだ熟れる前の青いバナナだ
その若々しい青さ
まだ薄い精臭(におい)
その瑞々しい果肉
実のつまった堅さ
ぶち抜きそうな長さ
ほおばれないほどの太さ
緩く弧を描く曲線
顔の無表情さ ....
君は僕の胸にナイフを突き刺し悪魔のように嘲笑う
剣先についた毒が動脈に流れ込み
心拍に合わせて毛細血管まで染み込んでいく
嗚呼 これで僕も君の奴隷になってしまった
嗚呼 これで僕も君と絶頂を得 ....
人間は牛じゃないのに
大砲は豆じゃないのに
あれは
きっと
花壇の音
詩集「時遊時間」より
いかなる理由があろうと、
人間による人間の殺戮を正当化するわけにはいかない。
そこから発語する、
そこからしか、詩は生まれない。
気の遠くなるような、
辛い、とても辛いことであっても
....
真冬の風に押されて入る
どこか樟脳くさい昆虫館は
暖房でひどく乾燥して。
こんな昆虫館には必ずいる。
この大物を忘れたら
昆虫少年たちが怒るものね。
確かにすばらしい虫だものね。
あ ....
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