わたしらしいわたしがいるらしい

わたしらしくないわたしもいるらしい

わたしは、どちらも知らないけれど



 
勝手に死んでしまった猫が
地面の下で 魚が食べたいという
いくら魚が食べたいと思っても
ここにあるのは石っころかミミズかモグラか
去年あんたが埋めた三輪車くらいなのだからと
しつようにしつよ ....
あせくさい ふとんをほす

全自動洗濯機を 脱水まででとめて
せんたくものも ものほし竿にほす

しわを ぱんぱんぱん と 伸ばしていると
そこなしの青空に 笑顔がうかんだ

ひなた  ....
そのかなしみを

べつに

かなしまなくてもいいんだよ


そのくるしみを

むりに

くるしまなくてもいいんだよ


そのよろこびを

いちいち

よろこ ....
  全開にすると全世界が流れだす蛇口を、今日もきみは10%ひねる こんなものだっただろうか

月を見上げて、
綺麗だな、と想った

それでお終い

朝日が上った
眩しいから目を逸らした

それだけ


ノートに這う寝ぼけたみみずとか ....
そらが ぬけて
やまが 切り取られたかのように くっきり 
やまぎわの空はしろく 天頂は限りがない

あきいろの あかねは
だ円のつぶらな目で ぬけたそらをみている

なんて  ....
あなたが深いところに落ちないように
手を差し伸べて 支えていきますから

私が寂しくならないように
どうか お隣にいてください

でも笑ってばかりだと変だし
二人で泣いたりすると ....
台風がくると思い出すひとがいる

夜道を歩いていると思い出すひとがいる

カレーがからいと思い出すひとがいる



愛という字は、後ろに心を残すひとの姿なんだそうです
 
前略 わたしはぼちぼちです

あなたはいかがですか 草々

追伸 ぼちぼちだといいな



 
もう足が棒になっている
感覚が無くなっていく
汗はもう尽きそうで
それでも歩かねばならない
同じ風景の中を
延々と延々と
先が見えないのではなく
先を知り尽くしているから
同じ ....
雲から作られた
真っ白なキャンバスに
君は向き合った

夜をチューブに詰め込んで
君は黒い絵を描いた
星を砕いて水で溶かして
黒い絵に瞬く光を浮かばせた

望遠鏡で君の絵を見 ....
まんまるのお月様に手を伸ばして
掴めるはずよ ほらもう少しよ

散らばった星を払って退けて
目を輝かせて 持って

時間は有限 心は無限

そんな時が好きだった


空も ....
背後には柱が欲しい
何だか安心できるから

椅子か座れる何かが欲しい
そこで安心出来るから

甘えと不安の欲望の蔓を
伸ばして巻き付け依存する


寄りかかるものが無いと
 ....
手なずける

胸を押し開き、雪崩となって溢れ出す
小鳥 薔薇の棘 北極星 壊れたピアニカ
みんな開口一番に聞いてくる
「この世の生血を味わってるか」

破壊したもの
手の平で包んで、か ....
たましいの裏庭で
待ち合わせたあの子はまだこない
チューリップもこんなに咲いちゃって
写真なんか撮らずに通り過ぎるくらいには
禍々しく咲き乱れているのに

シャッター音が嫌いだから
写真 ....
 
与太話もひとくぎり

タバコくわえりゃ、そっと広告入りの百円ライター

泣いちゃうよ、マスター


 
幼いわたしは子猫を拾って同じ場所に捨てに戻って泣きながら家に帰る道をなくした また会おうよ
宇宙は回帰する

あたしの身体は
太陽にあげた

だから
眩しくて
みえない
こどもの手をにぎって
「あたたかいね」と言う。
「つめたいね」と言われる。

わたしが「あたたかいな」と感じたら
あなたは「つめたいな」と感じている。

いつもそうやって温度差があり
 ....
手紙を書いた
何枚も便箋を使って
何度も鉛筆を削って
辞書も引いたし 有名な詩集だって見た

伝えたいことはたったひとつなのに
その一言が見つからなくて
どの言葉も足りなく ....
徒歩五分で海
という環境で育ったわたしは
ただ鈍感だった
ひどく夕陽が眩しく
一日の終わりを告げる焼けた空が
ひりひりした匂いを連れてくる
そんなものだと思っていた
その空もあの ....
電車のおとが絶えたころ
ひとりで眠っている
わたしは砂になり、シーツのうえにさらさら
零れていく
ラピスラズリの砂です。

あの人の声とともに
ゆめがせなかに打ち寄せて
やわやわと脚に ....
なにもないから
窒息する
なにかがつまっているから
息苦しい

部屋のなかの空を
見上げている

満天の
星空だ
 
 
夜、寝ている間に僕は 
優しい形になった 
とても優しい形になった 
とても優しい形だったので 
誰にも怒られなかった 
誰も傷つけることはなかった 
どうして昼間は 
あん ....
A
枯れ葉が 裏も表も見せながら落ちて
そのうち葉脈だけになり 
葉脈の下では 貴族のようなおももちで
うずくまっている それは わたし

B 
独りきりの夜 ちいさく もりの ....
 さて、お待たせしました。好評につき、W.K.の二回目になります。お待たせ?好評?と疑問に思ったお茶の間のあなた、そう、あなたですYO。その疑問はあながち間違いではない、と何となく思います、立証できな .... 小さな音で聞く
古い音楽のように

今日の何処かに住むような
哀しみであればいい


何より大切な光だと
思えた瞬間を

ふいっとこの手のひらに
思い出せればいい


東の ....
ねむたくて ねむたくて
ほんのちょっとだけって
目をとじたら

夜のくぼみに
ポチャンと落ちてしまった

うす目をあけて まわりを見たら
そこはとろんとした 夜がみちていて
ぼくは ....
ぼくがいなくなっても
さみしくないように

きみのまくらもとに
ちいさなかみさまを
おいておくよ

あるばんにだれにも
はなせないことがあったら

ちいさなこえで
ちいさなかみさ ....
ひさしさんのおすすめリスト(152)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
知らない- 殿上 童自由詩16*15-3-9
夜中の猫- 春日線香自由詩415-2-15
冬晴れ- 草野大悟 ...自由詩5*15-1-14
こころ- 青井自由詩515-1-12
(【神話の掌】)※一行詩- ハァモニ ...自由詩9*14-11-26
灰色、それでお終い- 凍月自由詩8+*14-10-31
あかね- るるりら携帯写真+ ...22*14-10-20
二人- 瑞海自由詩14*14-10-12
愛してるみたい- ユッカ自由詩214-10-6
前略- 殿上 童自由詩24*14-10-5
GOAROUND- 凍月自由詩5*14-8-26
額縁の中の夜空- 凍月自由詩6*14-8-9
- 瑞海自由詩11*14-7-18
- 凍月自由詩4*14-7-3
◎手なずける- 由木名緒 ...自由詩9*14-5-31
天使の真似事- ユッカ自由詩8+14-4-19
泣いちゃうよ- 殿上 童自由詩13*14-4-6
夕刻虫の音響いて綺麗にせめて耳だけ塞ぎな- かんな自由詩6*13-11-10
祈り- 佐藤伊織自由詩513-10-17
手の温度差- 凍湖(と ...自由詩16*13-10-17
手紙- 凍湖(と ...自由詩3*13-9-15
カモメのことばを知らない- かんな自由詩15*13-8-31
- 凍湖(と ...自由詩313-7-1
夜空- 佐藤伊織自由詩313-6-4
優しい形- たもつ自由詩1513-1-18
エコーズ- るるりら自由詩20*11-10-15
W.K.第二回「フィッシュマンズ『空中キャンプ』〜赤ちゃんの ...- たもつ散文(批評 ...5*11-8-15
チビ- 松本 涼自由詩510-1-27
夜のくぼみ- 松本 涼自由詩608-12-28
ちいさなかみさま- 松本 涼自由詩1107-12-25

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