瀬戸物屋の店先 雑然と並べられた
たくさんのビー玉がとても好きで
通りかかるたびに
ひとつかみほどのビー玉を買った
ひとすくいのビー玉の隙間では
柔らかに隠された感 ....
何処其処に炎苛性林檎朱はきませり
宴℃のEndに遠投林檎
寝具上シーツが楽園林檎od
淫erミューズの賛淫美歌「Ur」
春流霊と肢て秋ckの放物線
....
余計なものはすべて捨てた
部屋にはダンボール箱が一つ
私は体を折りたたんでその中に入り
蓋を閉める
部屋には今、箱だけがある
錠剤を噛み砕いて
掏り替えられた 奥歯の記憶は
ラムネの歯痒さ
かや かや かや
しなの ほの なき
かな かな かな
つれた つもり の そそらの はなお
ひせの くら ふき
さや さや さや
わたしが 水から上がるとき、いつも
聞き忘れていることがありまして それは喋りません が
ふ と流れていくものを 仕草、捕まえるときの
肉体の動き、地脈らしく 地層の重なり 浚渫は終わり
わた ....
世界がどうだこうだ
世界をどうだこうだ
言ってみる
言ってみた
ばーちゃんは変わらずぐっすり寝ている
父さんは口を挟んでくる
言って何かが変わったか?
ばーちゃんがどうだこうだ
ば ....
僕が僕になるずっと前から
変わらずそこにいた遊園地が僕に「明日死ぬ」と呟いた
それは近所にあるにもかかわらず一度も行ったことのない
僕に対する最後の手段だったのかもしれないけど
それでも迷って ....
今日、雪が降らなかった土地に
雨が降る
今日、晴れなかった土地が
曇り
曇らなかった土地が
晴れる
起こらなかったことも起きたことであり
起きたことも起こらなかったことのなかで
....
暑い日だった
太陽が少年を焦がしてた
キラキラ光る河原で一人
吸い込まれそうな透明の流れの中で見つけたやたらと厳つい石コロ
まるで怪獣みたい
そう 水中モンスター
すぐにマジックで目を描き ....
墨の馨りで安堵する
筆の固さでしなやかという言葉を知る
半紙のムラに感嘆を覚える
文鎮の重鎮さで精進を知る
今日の午後はひとり書道の時間
君を毎日笑わせる。それがプロポーズの言葉だった。その約束が破られたことはない。結婚四年目に彼が癌を宣告された。臨終の床についた彼が突然、ベッドの脇にいる私を探し始めた。いくら返事をしても私の名を呼び ....
納豆をかき混ぜながらきみは
深夜まで見続けた同じ映像に目が釘付けで
醤油とって、と差し出す手に
マヨネーズを渡したとしても
きっと気づかないことでしょう
ときおり
あっ、とか
....
愛の奇跡であの娘と結婚させてください
そう神様にお願いした次の日の朝
目を覚ますと僕の右手には一本のわらがあった
どうにかしろ、ということなのか
どうにかなるさ、ということなのか
わ ....
先生 この前のテストは100点だったけどBでいいです先生私先生が好きです。
ラメ入りの少年 惚れさせてしまうのは男どもばかり 生理も来ない
触れてとは言わない言えないでも触れな ....
ふと まなざしを
そらした時に
そこにある
とても深いものに
ふれる
次の瞬間には
忘れてしまうのだけれど
夢の中で土左衛門を土葬にした。
土葬にしたのは火葬にする費用がないからで
金が有れば火葬にする。
火葬にすれば墓が湿らなくて良いし
燐が燃えたりしないので気持ちが悪いこともない ....
うみねこはねこじゃない
うみうしもうしじゃない
うみぶどうもぶどうじゃない
うみほたるは魂じゃない
そのほたるも海には帰れない
漁り火はほたるじゃない
燐光もほたる ....
キリキリと身をよじり、昇っていく火の玉を見ていた。咲くべき紺碧の夜空に呑みこまれた花火を見ていた。立ち尽くしたあぜ道をすぎる風は焼けた肌を撫ぜ、髪を揺らし素知らぬ素振りで消えていく。空を仰ぎ見ようと ....
このときの
おじいさんのきもちを
かんがえてかきなさい
お前解っとるか
下手すると補償問題やぞ
その辺考えて
しゃべれや
いいか
俺がそんな事
言うたか
言葉返すだけなら
鳥 ....
びっくりするほどの
この
てんじょうのたかさ
もう少しやっていける
ねこ
先生は頭をなでる
簡単に
声をかける
簡単に
かわいいねって
ねこ
ずるい
亀を探している
けれど亀はなかなか見つからない
今日の僕は
誰よりも龍宮城へ行きたいというのに
いじめているべき子供たちもいない
九月になって
みんな風か何かになってしまった
....
結婚したてのころ
奥さんがバスンバスン布団を叩く音を聞いて
親のかたきじゃないんだから何もそんなにまで
なんて思ったけど
十年目に
「布団は親のかたきなの」
衝撃の告白
親のかたきに ....
どんなに そっと
気配をとられないように
歩いても
足音がアチコチぴょんぽこ
飛んでいくんだ から
して
この角をまがると
その足音が
つぶてになって
あたるので あの木に
....
1
るるる
時には名もないあなたを「あなた」と呼んでみる
「あなた」 あなたはふりかえる 顔のあるあなたは
時として 「あなた」ではあるものの あなたではなくなってしまう
時がある 「あ ....
俺はそうやって空を飛ぶ、毎夜。
昨日は肉を喰った。かたい肉だ、ブラボー!
だから俺は肉が好きさ、裏切らない。
肉喰えば俺はまた空飛べる、今夜も。
いつまで肉を喰える体でいられるか分からない、
....
曇天の風のない日
窓の向こう
歪んで映った一本の線は
確かに電線で
姿も見えないのに
鳥の声が聞こえる
洗面所の水道が止まらない
蛇口のひ ....
半起ちの牛若丸が駅前にすべり込むのさ黒塗りのクラウン
バロックと不感症との相関をチャイナドレスで教授されたし
祈っても駄目ならでっちあげるのよ神様からの着信履歴
何度でも生まれ変 ....
(1)
僕は眩暈をおこし倒れゆく途中、眩暈の原因はこの部屋の絨毯の模様がどうにも見慣れない形に変わってしまったからだということに気づき、しばらく斜めになったまま考察を続けた。
(2 ....
1 2 3 4 5 6 7