すべてのおすすめ
呼吸をさまたげるぬるい真綿と
つめたいくさび
命には届くまいと言い聞かせて
悲しみが訪れてくれるのを待つ
何もかもを涙に流せる静謐

繰り返しの記号がとめどなく
胸腔を破ろうとさわぎ
 ....
誰にも見えない皮膚に、
がりり、刻印を刻む。
刻む音すらも、
拙いが深いカーブを描いて、
誰にも見えない私の皮膚を
構築していく。
まるで彫刻のように、
私の胸に、
痛々しくも艶やかな ....
あなたは、
私を時に追いかけながら、
しなやかに逃げていく。
あなたを追いながら、
私の目にうつりこむ景色は、
万華鏡のように美しく、
手ぶれた写真のように、
水面の揺れのように艶めいて ....
単焦点のレンズをつけて
春を探しに出かける

低い雲が垂れ下がった街は
名前の無い色合いで
マフラーの内側の囁きは
聞き覚えの無い言語で

嫌なものは
ぼんやりとしか見えない
 ....
あちこちに 弱音を吐いて歩く


だまりたい


自分の傷を みてみてって ひけらかす


だまりたい


大切な人との秘密も 口走ってしまう


だま ....
言葉に質量があるかと問われれば
あるのかと問い返す。

あると仮定すれば、の話だが
その質量は意識と比例して膨張し
膨大なものとなり、ついには
意識の中枢に重くのし掛かる

言葉の中で ....
この4月にぼくは都会のアパートに引っ越してきた
窓を開ければ早稲田通りが見えた
車よりも多い人の列
駅へと向かう学生と通勤者
その眺めに
ぼくらはいくらか満足していた
奨学金を ....
 ひだまりの

冬に
春をおもうのは
にんげんだから

そもそも猫は
冬という言葉の意味を知らないから
まるくなってねむるだけ
ふゆ、と呼べば
ニャッと短い返事をするのは
冬、と ....
真っ赤な嘘っぱちを
誰も見抜いてくれなかった

橙色の夕日にとろけそうな
もはや追う者もいなくなった
逃亡者の長過ぎる影

気味の悪い戯言を並べた
ノートの頁は哀しく黄ばんで

 ....
どれくらい時間が経っただろう
もうずっと
海の見える街で
透明な観覧車に乗り
まわっている

昼間の
高い位置からの眺めにみつけた
泳ぐ船体はすこしずつ南方へ向きを変え
遠ざ ....
あなたが笑っている
あの頃とちっとも変わらない笑顔で
透明な手が拍手している
わたしの胸が温かくなる

あなたが俯いている
心無い言葉の礫に打ちひしがれて
透明な手が拒んでいる
わ ....
             160128

鬼の豆は大豆である
ダイズを焙烙で炒って
少し焦げ目が出来たかなと
感じた頃合いに火から下ろす
こりこりしてとても美味しい
鬼に食わすなんてもっ ....
明け方 季節を忘れた
冷え行く寒さの中で
冬は姿を消し
沈黙は空気を透明に染めた

朝 差し込む光を浴びて
言葉を忘れた
荒涼とした会話が砕かれ
鳥の鳴き声は静寂に木霊した

昼  ....
寝息が
夜のカーテンを揺らす
いつくしみという
どこかに潜む母性が呼吸をはじめる
白い肌のわが子の
すーっと通る鼻すじに口づける
溶ける音がした気がした
抱きしめるものがある ....
国道から路地ひとつ入ったその商店街はかなり古くからあって、そこそこ人通りも
ある。だがしかし交通の便が今ひとつ。圧倒的集客を誇れるようなキーテナントも
なく、それゆえだんだん寂しいことになってしま ....
静寂、
週末の精神的渋滞
万事休す


生き物の毛をむしった服で
心まで温めようとする
愚かだわ、愚かだわ

窓は薄暗がりの世界と
色のないふたつの目玉と
内と外を映す
 ....
ソーダー水の中をイルカが泳いでいるのでわたしはあまりストロー動かさないようにしていた
昨日かっていた金魚が一度に2匹しんだから
光の体が以外と平気
にじみながらとけていくようで輪郭が全て地平線で ....
ホームスィートホームからホームへ
テレビの中でニュースをアナウンサーがにっこりともすんともつかぬ顔でつぶやいてる 
オリジナルじゃなくても存在するたましいのやさしいオーラ
もうなにか巨大なものと ....
ひょい、と
おまえを肩に乗せると
よりいっそう
にぎやかな
居間になる

わたしには
さほど高くない
いつも通りの目線だが
おまえにとっては
宇宙ほどの
高みであるのかも ....
目が口ほどにモノを言う人たちに囲まれて
君の視線のフィラメントが闇のように漂う
人見知りがひとり 見知らぬ人たちと
待合室でチェスの駒みたいに包囲され
遠くから黙々と頭を打つ冷たい秒針は亡霊だ ....
もう二度と歌は歌わない
そう決めたのは
合唱コンクールの練習の時
隣の子がクスッと笑ったから
以来本当に僕は歌を歌わなかった
音楽の時間は口パクで通したし
歌のテストの日はズル休みをした
 ....
彼女の名前は、林檎といった
日がのぼり 日が沈んで どんなときも
心に 一つの凛した樹、それが林檎だった

パオバブの木は 特別な木ではなく
桜の木は 花見のときだけが桜ではない ....
 
闇がさらけだされる

十三夜

君ものぞき見しているだろうか



 
とつぜん雲が現れる
泣けば楽になると傍らで誰かがいう
雨が降りはじめる
わが子を抱きしめていた腕がするり
ほどけてだらしなく砂を掴んだ
かなしみに浸ることはかんたんで
すべてを捨てる覚 ....
知識の果実、による
異常肥満の精神
に、は
揺れる火が怖い


聖堂は黙す
ひざを折る彼、の
芯を修繕することを
慎ましやかに受け入れる


となりに並ぶ彼女の
骨の ....
かすかな気体が母音をまねて
つつましく
遠くの空をながめる子
瞳に映る季節、また季節
繰り返される慈しみ

陽射し
向こう側へ手をふる
帰れないと知っても
魂は旅をするかしら
平行 ....
木の葉が
風に散っていく
表になり裏になり
葉脈の流れをとめて
秋の波紋がひろがっていく

セコと呼ばれる河童が
山へと帰っていく季節だった
雨が降ったあとの小さな水たまりが
河童の ....
夏の暑い日差しの中に佇む古いビル群
道路の照り返すビルの窓硝子の中
子供たちの笑い声が蝉の音とともに響き渡る
外には溶けかかったコンクリートの街並み
蝉の音を抱え込んだ街路樹
呟きが聞こえる ....
梅雨空の悲鳴
私の空はやけに立て付けが悪い
私は有無を言わさず空を閉じる
天国など空から見えるわけもなく
ただひたすら空は鈍色だ
君がどの辺(あたり)に上ってゆくのか
風が吹いている
ダ ....
昼下がりの
うすむらさきに藤がひかる
森で
少女は見知らぬ少女と出会った


目を閉じて 見知らぬひとと
わたしの森を過ぎてゆく
風、


心臓の音だけが聞こえるでしょう
唇と ....
たちばな まことさんの自由詩おすすめリスト(156)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
真冬・空をまねる営み- あまね自由詩416-2-9
- あおい満 ...自由詩12*16-2-8
パッチワーク- あおい満 ...自由詩516-2-7
単焦点- nonya自由詩17*16-2-7
『だまりたい』- 座一自由詩10*16-2-5
取扱メモ- ……とあ ...自由詩716-2-5
混沌のクマ- オダカズ ...自由詩4*16-2-4
冬すみれ- そらの珊 ...自由詩1316-2-4
虹の後始末- nonya自由詩21*16-2-3
観覧車- 自由詩13*16-2-3
透明な手- nonya自由詩20*16-1-31
鬼の豆ください- あおば自由詩8*16-1-28
忘却- 鷲田自由詩1016-1-12
添い寝- かんな自由詩13*16-1-3
きつね- umineko自由詩14*15-12-30
日曜夜明けドリップ- うわの空 ...自由詩715-12-12
3分バージョン・この絶望ってゆー感覚に名前をつけてよ- モリマサ ...自由詩415-12-1
わたしたちは宇宙の地平線となってしまう- モリマサ ...自由詩515-12-1
肩車- 千波 一 ...自由詩1015-11-29
ひとしれずゆくえしれず- ただのみ ...自由詩16*15-11-28
歌はもう歌わないと決めたけど- 夏美かを ...自由詩36*15-11-25
黙ってみている青い空- るるりら自由詩14*15-11-14
十三夜- 殿上 童自由詩17*15-10-26
みちのり- かんな自由詩9*15-10-23
承認のサンクトゥス- うわの空 ...自由詩515-10-16
秋に寄せる- あまね自由詩815-10-5
秋の魚あはれ- yo-yo自由詩13*15-9-11
たそがれどき- ……とあ ...自由詩6*15-8-17
挽歌- ……とあ ...自由詩10*15-6-24
藤のからまる森で- 石瀬琳々自由詩12*15-5-21

Home 戻る 最新へ 次へ
1 2 3 4 5 6