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脚の細い象の背中で
ユラユラしている私の
広すぎる糊しろは
饐えた臭いを放っていた

何も企てない午後を
ユラユラ生き延びた私の
丸すぎる背中には
錆びた罪が生えていた

心地 ....
単焦点のレンズをつけて
春を探しに出かける

低い雲が垂れ下がった街は
名前の無い色合いで
マフラーの内側の囁きは
聞き覚えの無い言語で

嫌なものは
ぼんやりとしか見えない
 ....
真っ赤な嘘っぱちを
誰も見抜いてくれなかった

橙色の夕日にとろけそうな
もはや追う者もいなくなった
逃亡者の長過ぎる影

気味の悪い戯言を並べた
ノートの頁は哀しく黄ばんで

 ....
あなたが笑っている
あの頃とちっとも変わらない笑顔で
透明な手が拍手している
わたしの胸が温かくなる

あなたが俯いている
心無い言葉の礫に打ちひしがれて
透明な手が拒んでいる
わ ....
誰かに飲み干された君は
埃っぽい街をぼんやり透かして
仄かな緑色で薄笑いしていた
濁り切れずに立ち尽くしていた

可憐ながらんどうの君は
微かにアップルタイザーの匂いがして
僕は言葉 ....
たいていは
洗面所に置いてある
プラスチックの小さなコップだ
うっかり注ぎ過ぎると
すぐに溢れてしまう

もちろん
茶碗や湯飲みでもあるけれど
哀しいくらい量産品だから
いつ取り ....
1km四方のプールの真ん中で
溺れたふりをしている男
水深はせいぜい膝小僧くらい
懸命すぎるバタ足で
足の親指の生爪を剥がしたのは
まったくの誤算だった

プールサイドのデッキチェア ....
心地良い朝を吸い込んだら
迷子のオキシダントが
途方に暮れているのが分かった

悔しすぎて歯軋りしたら
心配性のフィブリノーゲンが
身構える気配を感じた

本当を言い当てられて黙っ ....
手ではない何かが動いて
君ではない何かを引き寄せた
恋という記号を剥ぎ取って
唇ではない何かが貪った

唇ではない何かが動いて
名前ではない何かを呼ぶと
君という記号を脱ぎ捨てて
 ....
正義と正義のせ
めぎ合い 置き
去りにされる血
と涙 見え透い
た手口のイカサ
マ 手札は不条
理のフルハウス
パンドラの箱の
隅を 爪楊枝で
つついているの
は いったい誰
 ....
己の罪の数だけ
要らぬ蕾をつけるがために
言葉と孤独を闇に吐きつつ
切ない光合成を繰り広げる

届かぬ時空に
半端な想いを投げ上げて
何もつかみ取れない握力を
夜毎くどくどしく恨み ....
目を閉じると
緋色珊瑚色菜の花色
まぶたの裏に
現れては消える明るい斑

風の無い中庭は
緩やかな分子で満たされて
枯れ枝から枯れ枝へ
見知らぬ鳥が声を探している

鎖骨のあた ....
鏡に向かって
眠気と髭を剃り落していた朝
くたびれた自分の顔に重なるように
ふっと浮かんだ父の輪郭
丸くて憎めない
目の記憶

電車の中吊りは
気の早い春の旅への誘い
オーデコロ ....
ふしあわせは
雨のように降ってくる
不穏な空から予定通りに
稲妻をともなって突然に

傘も持たずに
ぼんやり歩いている時に限って
ふしあわせ予報ははずれて
私の思考と良心はずぶ濡れ ....
雲ひとつない高笑い
真っ青な永久歯で
空は
高層ビルに喰らいついている

控えめな思い出し笑い
押しつけがましくない暖気で
光は
目抜き通りを撫でている

束の間の微笑み返し
 ....
たちばな まことさんのnonyaさんおすすめリスト(15)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
ユラユラ- nonya自由詩19*16-2-20
単焦点- nonya自由詩18*16-2-7
虹の後始末- nonya自由詩22*16-2-3
透明な手- nonya自由詩21*16-1-31
半透明- nonya自由詩19*15-4-11
- nonya自由詩16*15-3-11
呪縛- nonya自由詩10*15-3-8
かものはし- nonya自由詩19*15-3-4
舞踏- nonya自由詩14*15-2-28
見学者- nonya自由詩17+*15-2-21
- nonya自由詩18*15-2-15
ひなた- nonya自由詩11*15-2-11
記憶- nonya自由詩17*15-2-4
ふっ、しあわせ- nonya自由詩16*15-1-31
冬_午前11時30分_快晴- nonya自由詩16*15-1-24

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