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晴れた空は、あまりに眩しくきれいだ

幼い頃、一番欲しいものはなあに?と問われて
そら とは答えられず
むきかごーぶつ と答えた
(空は大きすぎて僕のおもちゃ箱には入らないとわかっていたから ....
私は踊る郵便屋
幸せのお手紙をみんなに届ける
悲しいお手紙は川に捨てちゃう

ホップ・ステップ・サイドサイド・ジャ〜ンプ・ダウン

さあ
幸せのお手紙よ

でも
私の心は少し寂しい ....
ほら、小型偵察隊が来た

黒い6本足と大きなアゴ 列をなしてやってくるよ

大変、飛行部隊もやって来た

すごいうなり声上げて私達の上を飛び回ってる

紫外線のせいか、冷たい風のせいか ....
  写真をとるとき、
  かならず右かた側が少しさがっており
  横にならんだ左かたにふれ。

  そのくせが

  どうにもゆかいで。

  どうやらおまえのたましいは
  すこし ....
鏡にそっと、右手を、ついて
じいと覗き込む、あたしの顔
左、右、あたしにふたつ、目、目
やさしいことがたくさんつまった左目が
いけないことを見下ろして、目、目
それよりもほんの少しだけ下にあ ....
あたしはね。
あたしは、本当は、こんなコト言いたくないんだよ。
本当は、もっと、綺麗なものを、綺麗な言葉を、言いたい。
だけど、綺麗なものが逃げていくんだろうか、
綺麗なものな ....
女を好きかもしれない恐怖
愛して良いのかという不安
キスのその味は上品な香り
自分より小さい肩を抱き寄せる感覚
明日もそこにいるこの子と
明日も明後日もここにいる自分
どうしたらいい
ど ....
僕が僕になるずっと前から
変わらずそこにいた遊園地が僕に「明日死ぬ」と呟いた
それは近所にあるにもかかわらず一度も行ったことのない
僕に対する最後の手段だったのかもしれないけど
それでも迷って ....
9月11日
学校帰りの地下鉄はいつも
ぎゅうぎゅうでみんな疲れてて きらいだ
でもそれが今日は少しやわらかな
そう、土曜日
休日の人もいるのだ
休日の人も



真実子ちゃん
こ ....
静かな夏休みが終わった


波の音や
山の木々の葉ずれの音
動物の鳴き声
テニスボールがぶつかる音
のんびりした鈍行の行く音
渓流のせせらぎ
それからなんだっけ
釣りをしているおじ ....
ちいちゃな芽をぶつぶつと
たくさん出してた 春

嫁いだのに
お前の担当だなどと
親に 言われ

私に 実を選られた 桃

収穫の時を迎え
みためにも 柔らかく 香ばしい

台 ....
ショーウィンドウに陳列されている
マシンガンの前にくると
少女はいつも立ち止まり
その色や形に
うっとりする

名前も聞いたことのない国で
戦いが始まった
と、今朝ニュースで言 ....
   
   あと5回セックスをすれば
   さみしくなくなるんだって
   聞いたから

   だから

   今晩中にやっちゃおう
   そしたら

   さみしくなくなるの ....
不思議を紡ぐ
くちびる

空を沈む炎


ちりり


時が焦げる
明日を忘れる




満ち渡る静かの
眼差し

まどろみの絹


ひたた


無に ....
僕のお気に入りのフレーズは
もう届かないとこにある

青くて、青い
静かな朝を
飛行機が筋を引いていく

ゆっくりと吸って
吐く
そんなリズムだ
忘れることも出来ないくらい数え続 ....
しねぇ
しねねぇ

からからの空気の中で
やべえ俺18歳だった
呼吸してやがる
目も覚まさねぇ
やべえ俺オカマだった
おほほほほほほほ

プッチンプリンのでっかいの
食ってる時が ....
結婚したてのころ
奥さんがバスンバスン布団を叩く音を聞いて
親のかたきじゃないんだから何もそんなにまで
なんて思ったけど
十年目に
「布団は親のかたきなの」
衝撃の告白
親のかたきに ....
蝉が時雨れている8月の
呼吸がぴたりと止まる時がある
子供達は公園でぶら下がっていて
突然の静寂にゆれている

初めてついた嘘はどこへやったかと
懐かしい引き出しをひっくり返すと
初めて ....
28から7を引いたら残りはいくつになりますか
答えは0です
私は除かれた7だったから


  +


ことがそろそろ長くなってきたので
座ぶとんを引いてパチンと切った
ことは勢 ....
90%知りたい
だけどそれはやめておく

死ぬのはいくつの歳か
それを聞きたいけど
聞かないことにする

と、57歳のおじさんが言った



ぼくの座る
駅前の公園のベンチの前 ....
朝、とても慌てていて
とにかく、慌てていて
うっかり捨てそびれていた
穴のあいたパンツをはいてきてしまった。

気がついた時には
私の体は宙に舞っていて
遠くで
誰かの叫ぶ声がして ....
あなたの好物を作ろうと
夕暮れ
サンダルを引っ掛けて買い物にでる

昨夜の 些細ないさかいの 償いに
海老の殻を
無心でむけば
いとおしさに変わるような気がして
という
無邪気な ....
うさぎはおおかみの上着を着て
おおかみの上着の上から
うさぎの上着を着て
うさぎの上着の上から
おおかみの上着を着て
ほっと一息ついて
コーヒーショップなんかで
おおかみの上着を脱いで
 ....
こぽこぽこぼれる 透明なグラスに
わたしが点滅するというのは
こういうとき なのだろうか
あふれる濃縮還元ジュースは
せつなくて

地下鉄の降り口をまちがえた
まちがったとわかっても
 ....
脛に向かって
鮮血はほとばしる
痛みについて
想い始めていた
小学2年生のころ
遠足のお弁当は置かれていた
蒸気したアイロンのかたわらに
星型のニンジンに見とれてしまって
二の腕に三角 ....
解放されたからだで
地面を舐めてから飛ぶんですよ
地面の味を覚えてないと
きっと降りてはこれないからね
鳥は飛ぶ必要があったんですよ
飛ばなきゃ生きてはいけなかった
あなたも飛ぶ必要があれ ....
みえこが                                   
おなかの赤ちゃんに話しかけ                     
仮の名を呼んでいる               ....
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となり町まで歩いていく。
交差点で人がオートバイに跳ねられるのを見かける。
スローモーションで再生はされなかった。
帰りは地下鉄に乗った。
人がオートバイに跳ねられるのは ....
 譲治は
 転んでもすぐには泣かずに
 ひざ小僧の痕を
 ひとつふたつと
 数えていた
 数えているうちに
 血が滲んできて
 滲んでくる血を見ているうちに
 お婆が寄り添ってきて
 ....
月を見ていた

さめざめと
蒼く光る月を

枯れ葉が
ざわめく

風が一息つけば
冬に呑み込まれそうな
気配の中

私の形をした
不安が
足下で揺れる
いつになく
真っ ....
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