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かつて激しくなにかになりたいと
想ったことがあっただろうか

自分以外のだれかになりたいとはいくども考えたが
それはクラスの席替え程度の安易な願望にすぎなかった

ラモーンズのコピー親父バ ....
心地良い朝を吸い込んだら
迷子のオキシダントが
途方に暮れているのが分かった

悔しすぎて歯軋りしたら
心配性のフィブリノーゲンが
身構える気配を感じた

本当を言い当てられて黙っ ....
青い空がおいでって私を呼んでる
ずっと夢見ていた旅立ちの日

春の風が何度も私をせかして
早く早くって言うけれど

飛び立つにはけっこう勇気がいるのよ
心臓がドキドキして今にもはじけそう ....
手ではない何かが動いて
君ではない何かを引き寄せた
恋という記号を剥ぎ取って
唇ではない何かが貪った

唇ではない何かが動いて
名前ではない何かを呼ぶと
君という記号を脱ぎ捨てて
 ....
月の表面がつるつるであったと信じられていたころ
自作の望遠鏡での観察で月の表面がでこぼこであることを発見した
ガリレオ・ガリレイ

プトレマイオスの天動説はキリスト教神学オフィシャルサイトの既 ....
 
雪が降る、雪が降る、

赤いハートに降り積もる

春はまだか、春はまだかと、まるくなる



 
西の山に陽が近づいて
1日が終わろうとしていた
男は川面すれすれに延ばしていた竿をあげ
帰り支度を始めた
ゴカイを川に返し 椅子をたたむ
通りがかりの人が声を掛ける
 「連れましたかね」
 ....
『お母さん、最初から一緒に寝てほしいの』
『あのね、お母さんは忙しいの。
 後で行くから、最初は一人で寝ないとね』

今夜も娘は
テディベアを抱きしめて寝ている
その規則正しい寝息を確認し ....
鏡に向かって
眠気と髭を剃り落していた朝
くたびれた自分の顔に重なるように
ふっと浮かんだ父の輪郭
丸くて憎めない
目の記憶

電車の中吊りは
気の早い春の旅への誘い
オーデコロ ....
      毎朝冷たい風に吹かれながら
      洗濯物を干すその手は
      ひどくかさつき荒れていた
      誰よりも早く起き
      米を研ぎ、味噌汁をつく ....
遠い昔のことよりは
今の家族を思うとき
苛立ち不満を見るよりは
今の楽しさを感じて生きる。
不自由な君の手をさすり
冷たい君の手をさすり
世間話につい昔
未来の話は嘘になる。
今の楽し ....
アルモノヲナイモノノヨウニ
ナイモノヲアルモノノヨウニ
カタルモノニカタラセズ
カタラナイモノニカタラセヨ

時の澱み
虚無の沼地
透明な不発弾

スイカばかり食べていた記憶の夏
 ....
もったいない と

みっともない が

朝から口論している

板挟みのわたし

ポカンとしたくつ下



    《時間がないのに:2015年1月10日》
それは鉛の重力で
垂直に私を引っ張るので
テグスに結び付けられた浮きのように
私は
水面に立っている

もうふわふわも
ぐらぐらもしない
磁針のように空を指し
己を標として生きるのだ ....
川を越え海を越えた向こう岸へなど
渡ることは考えもしないけれど
対岸に上がった火の手を見付けて
騒いでいる  
  ディスプレイの中で
  銃を構えてうろつく男を眺め
  騒いでいる
 ....
   迷刀スパイ

ぼくが国民学校に通っていたころ
鉛筆削りや竹細工には
折りたたみナイフ「肥後守」を使っていた
喧嘩のときも肥後守をちらつかせれば相手はひるんだ

その頃
日本では本 ....
漠然とした不安に
暑苦しいくらい重ね着させて
頼りない平気に
大袈裟な添え木をして
大丈夫という
お題目を唱えながら
見て見ぬふりの
巡礼の列は果てしなく続く

弓なりに反りかえ ....
胸に巣食った小さな影が
あなたの時を刻み続ける
砂時計のオリフィスを
いつの間にか歪めていたのかもしれないと
あなた自身が気づいてから
あなたはきっと違う風景を見ている

そう、残酷な告 ....
陽の当たらない玄関の
下駄箱の上に置かれたガラスの水槽
その中に金魚が一匹 

夏の宵
太鼓の音や提灯に囲まれた広場の
入り口で掬い取られて 
運ばれてきた

  たくさんの兄弟と泳 ....
何かが見えたような気になる



空は空の色
水は水の色
あの花はあの花の色
その人はその人の色

青と透明と赤と頑固者
決めてしまえば
安心だし便利だ

でもそうは思 ....
それぞれの想いに世界を覆う空気がマーブルに

色を成して 溶けてゆく

包まれている

 私が体験した訳ではない友人の痛み
 ただ立ち尽くしながら体中から煙に塗れるように語りかける
  ....
キッチンのテーブルで
言葉をこねくりまわしていると
いつしかガイコツになっている
ガイコツは書く
普段の僕が言わないことや
普段の僕が知らないことや
普段は誰にも聞けないことや
普段の世 ....
凍てついた夜道で
640年前のベテルギウスの光を見上げながら
今日は星が綺麗だね
って僕のポケットに手を突っ込んでくる

見えないサソリから
ただ逃げ回ってばかりいるとても臆病な僕を
 ....
夜と朝が交差する一瞬
藍色の空めがけて解かれる
淡い黄金(こがね)の帯
その真中を引き裂いて
真っ直ぐに飛んで行く 
お前は名も無き一羽の鳥

霊妙なる森の奥深く
未だまどろみから醒め ....
人生に設定した目的に向け 
一直線に生きていける人はあるまい
散歩先に目的地を設定しても
一直線に歩いて行くことはない

前方の橋
大型犬を連れた女性がこちらに来る
わたしは 当然の ....
どうか、私を弄んで下さい
その熱く燃える掌で
私の輪郭を全て辿って
白く滑らかな肌に頬を寄せて
息を吹き掛けて
どうぞ、私の中に入ってきて
わき腹を鷲づかみにして
何度も何度も私を翻して ....
ものごころがついた頃から
僕はどこまでも透明に近い
風船だった

鳩時計式の心臓から伸びる
静脈と動脈が一番こんがらがったあたりに
震えながら潜んでいる僕自身を
誰もがたやすく見つけ ....
がんばれと言おうとした口から二酸化炭素が出る ぼくの中に少年のぼくがいて
ぼくの中をぼくが歩いている
ぼくの中を少女が歩いていて
ぼくの中を
何人ものぼくが歩いている

ぼくの中をあなたが歩いている
あなたは背を向け
ぼくの中でち ....
壁に掛かった能面たちは
電灯に照らし出されると
生き返る

幼い子には
能面たちの話す声が聞こえるのか
じっと見つめ後ずさりする

激しい風雨の夜は
般若面が半開きの口の奥で
歯を ....
為平 澪さんの自由詩おすすめリスト(266)
タイトル 投稿者 カテゴリ Point 日付
夜が零れる- 梅昆布茶自由詩15*15-3-4
かものはし- nonya自由詩19*15-3-4
たんぽぽ春のパラシュート- 未有花自由詩16*15-3-2
舞踏- nonya自由詩14*15-2-28
ガリレオの星- 梅昆布茶自由詩1615-2-27
まるくなる- 殿上 童自由詩17*15-2-23
平和を釣る- イナエ自由詩16*15-2-20
テディベアと詩集とブランケット- 夏美かを ...自由詩36*15-2-15
記憶- nonya自由詩17*15-2-4
紡ぐ日々- 石田とわ自由詩17*15-1-20
生活の隙間- ……とあ ...自由詩20*15-1-17
僕は妊娠する- ただのみ ...自由詩20*15-1-14
時間がないのに- ただのみ ...自由詩19*15-1-10
- Lucy自由詩20*15-1-9
対岸にいて- イナエ自由詩10*15-1-9
言葉の切れ味2_迷刀たち- イナエ自由詩14*15-1-7
三日月の国- nonya自由詩16*14-12-23
隣に住む人- 夏美かを ...自由詩28*14-12-18
冬の金魚- イナエ自由詩16*14-12-15
SISAKU- nonya自由詩19*14-12-11
銀河を渡る飛行機雲- 朝焼彩茜 ...自由詩14*14-12-10
ゴーストライター- やまうち ...自由詩614-12-7
<はるか>- nonya自由詩16*14-12-6
鳥よ—- 夏美かを ...自由詩21*14-12-5
橋・渡らない- イナエ自由詩10*14-12-2
私を閉じ込めないで- 夏美かを ...自由詩24*14-12-1
風船- nonya自由詩17*14-11-29
がんばれと言おうとした口から二酸化炭素が出る- 北大路京 ...自由詩1414-11-28
心象__- イナエ自由詩18*14-11-26
能面- イナエ自由詩11+*14-11-19

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