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もし よかったら
分けてくれませんか
眠らずに見るあなたの夢を
怒りを
悲しみを
もし よかったら
分けてくれませんか
翼を閉じた時
やってくる絶望を
未練を
空しさを
....
ほんとうに「優」れているものは
「優」しさが、宿っています。
そうして「優」しい人というのは
どこか「憂」いている「人」です。
じぃ…と「優」を視ていると
(百の愛を身ごもる人)の、微笑 ....
子を寝かしてから泣く予定
恨み言を 愚痴るなら
心を 整えてからが 良い
応援して 欲しいなら
素直に 助けを 求めれば 良い
ぐちぐち ねちねち ねばっこく
貴方の 心は 納豆ですか
....
詩を綴って
日が暮れても綴った
そのあとに
後ろを振り向くのは
偏りを気にするから
人を追い抜いて
全力で追い抜いた
そのあとに
後ろを振り向くのは
楽しさから伸びる孤独に触れる ....
もうさがさないでくださいあたいのこと
どこにもいないのですから
かぜのなかにさえ
あなたのこころにさえ
人魚でもない星でもない
あるいはおんなでもない
もう時間がないのです
いつ ....
なんか
おいめの
ある
にんげんの
ほうが
すきな
きが
して
ぶさいく
とか
としま
とか
そっちの
ほうが
なんか
だめだし
すきな
きが
した
かわいい
....
遠くを見ていると
そこに至るまでの道のりが
ないもののように
錯覚してしまう
けれど
その錯覚が
誤りだとは言い切れない
正しいこととも
言い切れない
わからないこと ....
汚れに慣れた私らに
あなたの不在
あなたの眼差し
あなたの一途が
突き刺さる
誤魔化しに沈むわたし等に
牙剥くでもなく
あなたの声
あなたの音
心臓が固まる
....
なにもない
雪だけの原を歩く
目の前の白
後ろに点々と足跡だけが残る
まるで世界に
自分だけがとり残されたような感覚
孤独の影が走る
ドサリ、と音がする
木から雪でも落ちた ....
こんなふうに
穏やかに
労りながら
暮らしていけると思ったやさきに
何の前触れもなく溶岩のように
吹き上がる
怒りを
とどめようもなくぶつけてしまった
慎重に
優しく積み上げ ....
美しき世界
ほたりと雫が落ちて、
地面につく前に消えてしまう。
それはまるで届かなかった対話のよう。
繋がりたくて、それでもぬぐった涙のよう。
私は長く病を患い、 ....
片目は泪に流れ落ち
からだの何処かにたどり着き
そこから視界を送っては
震えの歩みを惑わせる
灯が眠る光を引きずるあとを
春は静かに追いかけてゆく
泥と雪と
鎖の ....
一瞬を
その身に
耐えうるだけの一瞬を
凍れる花は
抱き締める
その
抱き締める力に比例して
花の強度は
もろさを
高めて
誰、と決めずに
凍れる花は
誰、 ....
不確かな骨だけを残して
夕暮れの時間は風に流されていった
きみの膝の上に載せられた 白いパナマ帽
それは何の前触れもなく ただそこにあった
それはまるで ....
ワタシから男を引いたのが女なのかな?
それじゃ、ボクから女を引いたのが男か
あぁ、自分がよく解らないから
どう引いていいか解らないわ
それじゃ、キミにボクの女を足したら?
そうか、アナタ ....
夢に疲れて夢で寝る
■あなたの書いた文章を■
あなたの書いた文章を
手紙のように読み返す
その中に私がいないことを
気配のひとつもないことを
ついつい何度も確かめて
それでもついつい
もう一度だけ。
....
生きていれば いるほど
<
だんだん強<
なる
<
だんだん強<
欲望する
<
だんだん強<
幸せになりたい
<
だんだん強<
幸せにしたい
もっと ....
あわただしくなった病室
「…清志郎さんと歌えるかいなあ」
その人はつぶやいた
酸素吸入マスクに遮られた声
古いフォークソングを教えてくれた
知らせたとき 穏やかに遠くを見た
あたし ....
まだ眠ってる街を起こさないように
始発がでるまで少し歩こう
回送表示のタクシーが一台
スローモーションのように通り過ぎる
ながい夢を見ていた気がする
きみの唇はひび割れてしまった
....
私が死ぬ時
あなたは側にいない
あなたが死ぬ時
私は側にいない
あなたが一人の時
私は大勢の仲間と
実に楽しそうにしているかもしれない
そして ....
ゆきうさぎ 跳ねた
あの子がいっしょうけんめい
まっかな実に負けない
まっかなほっぺで
冷たいおててをこすりこすり
夢中でつくったの
はやい夕暮れのうす闇に
ゆきうさぎ 跳ね ....
丘をのぼってまたひとりになったならそこには
すがすがしい空気の夕暮れが凛としてあるのだ
街の喧騒が遠くでささやくように聞こえても
揺るがずにきちんとたたずんでいるものに逢いたかった
自 ....
続・同じ空の下
同窓会の賑やかな声を 握ったケータイ越しに
聞きながら 一人辿るいつもの帰り道
「元気か?」「仕事はどう?」 代わる代わる尋ねる仲間の声
一声聞いただけで 今でもす ....
じいちゃんが逝った朝
病室にばあちゃんの姿がない
窓の外は風にあおられた雪
あたしは瞳孔を確認して
お決まりのせりふを吐く
息子の白髪頭が傾く
「独りになったら
都会に行かん ....
おでん でんでん ほら おでん
だいこんいっぽん すてきな しろだ
いわしのつみれも うろこのぎんに
あぶらげ ゆがいて もちとぎんなん
にんじんは はるをきたいの うめににせ ....
声を聞きたくないときにかぎって電話は鳴る。
どうやらきみは、わたしをカウンセラーか何かと勘違いしていて、
一心につくせば必ず、労働に見合った甘いお菓子をくれるとでも思っているようだ。
そんなわか ....
オリオン星座に覆われて
真夜中道を一人で歩く
草は寝息を吐き出して
木々は伸び上がるのを休んでる
蛇行しながら伸び行く夜道
等間隔の電信柱
夜空を切りとる電線たちを
交わし合う言 ....
雪祭りで賑わう
地下街をあるいていた
柱の影から目の前に現れた人物が一瞬父かと思った
現実の父より
かなり若いし
実際の父は
病院のベッドで
寝たきりだと
すぐに気づいた
似 ....
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