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片目は泪に流れ落ち
からだの何処かにたどり着き
そこから視界を送っては
震えの歩みを惑わせる
灯が眠る光を引きずるあとを
春は静かに追いかけてゆく
泥と雪と
鎖の ....
湖面の霧が
家を描いては壊している
幾度描いても
家のなかに人は居ない
鉄の羽と雪の羽
ついてくる影
角を曲がる影
曇を持ち上げるひとつの腕
光に消えては現 ....
夜を分ける汽車が来て
雨の端を轢いてゆく
描きかけの絵が
窓のそばで震える
水たまりの空が
雨を見つめる
現われては消える
影を見つめる
空のすべての鐘が鳴 ....