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シャツの色をわすれた
自転車を仲よくならべた
川沿いの道にいつもあった
だれのものとも知れないさびしさ
三日月にすこし濡れた
きみの膝こぞうをそっ ....
硝子に映った一頭の駱駝は
あなたのまわりのどこにもいない
オアシスには細かい霧の粒が浮かび
かれの毛並みを気高く妖しくみせているが
大きな{ルビ二瘤=ふたこぶ}にか ....
あなたの意識の薄明のなかで
一匹のアルマジロがその躯を{ルビ捩=よじ}った
川辺には大小様々の板が砂を冠りねむっている
樹々に秘められた古くからの熱と
物語の奮えを ....
桜の葉を胸に抱いて
墨色の風は流れていく
女に似た雨の匂いが 岩間にひそむ苔を洗う
うつむくひとの唇から 知らぬ間にすべり落ちた
わたしの名をだれが忘れずにいられる ....
耳のなかから歯が{ルビ一片=ひとかけ}こぼれてきた
それを拾い洗面所に行き鏡で自分の口のなかを見ると
欠けている歯はひとつもなかった
歯は依然わたしの手のなかにあった
....
あたたかいミルクを 絨毯にこぼしてしまった日
きみはゆっくりと愛していた
町を、陽の光を、そでの長い服を
きゅうくつなかなしみが胸を染める
言葉にできな ....
{引用= /とけた猫
コバルト色の階段をとけた猫がつたっていく、春、うつむくこと
は似合わない、踊る石と、まだ眠りから覚めない風を抱いている、
きみには。
※
....
机に載っていた、何枚かの
便箋は すみれ色をしていた
グラスに注がれた玉蜀黍茶を空にするまで
夕焼けをわたしは眺めていた……飽きもせずに
複雑そうなものごとが、ほん ....
夕がたの田舎道を
きみの車で走っていたとき
ステアリングをつかんだまま
きみは溶けてなくなってしまった
遠くには海がみえた
少なくとも、海のような ....
春、ひとすじの川が
豊かな緑に彩どられるころ
薄い衣をまとっていくといい
きみは女なのだから
岸のむこう側では
きれいなかたちをした石が
見 ....
女の手は 梨を食べたばかりで、少し濡れていた
夜風を正面から浴びて 枯れ草たちが咽び泣いている
角をもたない鹿が そこを踏み分けて奔り
しだいに速度を緩めて止まる
....
仔馬の湿った毛並みを、
女は なぞるように撫でていた
よく晴れた三月の日曜日に、陽の光は
光よりも寧ろ風に似ていた……風は吹いていなかったが、
風は吹いていなかった ....
由木名緒美さんの草野春心さんおすすめリスト
(72)
タイトル
投稿者
カテゴリ
Point
日付
恋は三日月
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草野春心
自由詩
8
14-7-20
硝子に映った駱駝
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草野春心
自由詩
4
14-7-19
マトラカ
-
草野春心
自由詩
3
14-6-22
うつろい
-
草野春心
自由詩
7
14-6-1
迷いこんだ歯
-
草野春心
自由詩
9
14-5-25
ミルクときみの春
-
草野春心
自由詩
10
14-5-4
春へのコラージュ
-
草野春心
自由詩
9
14-4-3
すみれいろ
-
草野春心
自由詩
8
14-3-23
砂
-
草野春心
自由詩
3
14-3-16
薄い衣
-
草野春心
自由詩
8*
14-2-5
エーテル_18
-
草野春心
自由詩
4
14-2-1
エーテル_6
-
草野春心
自由詩
3
13-12-29
1
2
3
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